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エッセイ:社会経済活動の正常化が進む一方で…52.2%がコロナ禍で「姿勢が悪化した」と回答

姿勢,運動不足
(画像= FineGraphics / 写真AC、La Caprese)

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に移行して5カ月が過ぎようとしている。

日本フードサービス協会が9月25日に発表した8月の外食産業売上高(新店を含む全店ベース)は、前年同月比で16.6%増加した。業種別では、「パブ・居酒屋」が同50.3%増と高い伸びを示したほか、「ディナーレストラン」も同29.9%増となるなど、出遅れていた夜間消費の回復が顕著となってきた。また、日本政府観光局が9月20日に発表した8月の訪日外国人旅行者は推計で215万6,900人に達し、コロナ前のおよそ85.0%の水準まで回復した。一部では人手不足が深刻になり、回復に向かう需要の取りこぼしも懸念されている。

この5カ月で社会経済活動の正常化がずいぶん進んだように感じられる。しかし、その一方で、9月11日にティップネス(本部:東京都千代田区)が発表した調査レポートでは、コロナ禍で外出自粛や在宅勤務が求められていた3年間で、「姿勢悪化」とそれに起因するとみられる「慢性的な体の不調」に悩んでいる人は依然として多いことが報告されている。

今回はティップネスの調査レポートを見てみよう。

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52.2%がコロナ禍で「姿勢が悪化」

コロナ禍の生活様式の変容は人々の体調に大きな影響を及ぼした。総合フィットネスクラブおよび24時間トレーニングジムを展開するティップネスが、全国の25歳~60歳の働き世代の男女500名を対象に行った調査によると、コロナ禍の直近3年間で52.2%が「体を動かす時間(通勤通学時間や運動)の減少に伴い、姿勢が悪化した」と回答している。

姿勢,運動不足
(図1) 出典:ティップネス

コロナ禍で外出自粛や在宅勤務が求められていた3年間は、体を動かす時間(通勤通学時間など)の減少や、運動不足に起因する筋力の低下が多くの人に起こっており、それが「姿勢の悪化」につながっているのではないか……とティップネスは推察している。

姿勢悪化に起因するとみられる「慢性的な体の不調」

注目されるのは、「姿勢が悪い」と回答した人が慢性的な体の不調を感じている割合が70.1%に達したのに対して、「姿勢が良い」と回答した人は47.8%と大きく差が開いたことだ。具体的な症状としては、「肩こり」「疲れやすい」「腰痛」などが上位に並び、姿勢が悪いことは見た目だけでなく、体調に影響を及ぼす可能性が示唆された。

姿勢,運動不足
(図2) 出典:ティップネス
姿勢,運動不足
(図3) 出典:ティップネス

ちなみに、姿勢改善に効果がありそうなイメージとしては、「ストレッチ」や「整体」「筋トレ」などが上位に並んだ。しかし、その一方で、「姿勢改善のために、何から取り組めば良いか具体的に分かりますか?」の質問に対しては、71.8%が「分かっていない」と回答している。このことから、姿勢を改善したいと思っていても、具体的な取り組み方が分からずに放置してしまっている人が多いのではないか……とティップネスは推察している。

姿勢,運動不足
(図4) 出典:ティップネス
姿勢,運動不足
(図5) 出典:ティップネス

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に移行して5カ月が過ぎようとしている。この5カ月で社会経済活動の正常化はずいぶん進んだように感じられるが、多くの人を悩ませている「姿勢悪化」とそれに起因するとみられる「慢性的な体の不調」が解消されるには、まだまだ時間がかかりそうな雲行きである。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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