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ホットランドの株価が年初来高値に上昇した理由

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(画像= La Caprese)

2024年4月1日、東京証券取引所でホットランドの株価が一時2,179円まで買われ、年初来高値を更新した。2023年2月16日の安値1,341円から14カ月で62.5%の上昇である。

ホットランドは、たこ焼きチェーン「築地銀だこ」を中心に、さまざまな業態を展開している企業である。「築地銀だこ」事業のほか、創作おでん専門店「おでん屋たけし」等を展開する酒場事業、「野郎めし」や「東京油組総本店 <油そば>」を展開する主食事業、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売等を展開する製販事業、グローバル展開を推進する海外事業などが、収益の柱となっている。

後段で述べる通り、ホットランドが公表した2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績は最終減益となったものの、2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)については前期比42.0%増の大幅な最終増益となる見通しが示されるなど、先行きの業績期待が株価のサポート要因となっているようだ。

今回はホットランドの話題をお届けしよう。

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ホットランド、「築地銀だこ」事業や酒場事業等が好調

2月14日、ホットランドは2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前期比20.4%増の387億1,000万円、本業の利益を示す営業利益は同28.2%増の22億3,500万円、経常利益は同1.0%増の26億3,500万円となった。一方、最終利益については、❶閉店店舗の固定資産除却損、❷店舗整理損失、❸不採算店舗に関する固定資産の減損……などの損失の計上などにより、前期比24.8%減の10億2,100万円となった。

ちなみに、同期の店舗数は、出店74店舗(国内58店舗・海外16店舗)、退店36店舗(国内24店舗・海外12店舗)により、合計732店舗(国内644店舗・海外88店舗)となった(業態変更による出退店および店舗集約による退店3店舗は含んでいない)。

主要セグメントの概況は以下の通りである。

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「築地銀だこ」事業の既存店売上高は15.1%増

「築地銀だこ」事業は、全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、2023年11月17日から“ぜったいお得”な『秋の回数券』を数量限定で販売したほか、12月6日から12月10日までの5日間は『年末感謝祭』を開催した。また、12月6日〜8日の3日間は創業以来1番人気!“ぜったいうまい!!たこ焼(ソース・8個入り)”を、税込価格より100円引きで提供したほか、12月8日〜10日の3日間はスタンプが貯まるとたこ焼が無料でもらえる“銀だこスタンプカード”のスタンプ2倍を実施した。

さらに、11月14日から12月4日、12月18日から12月31日までの期間はMIXIが展開する人気スマホゲーム「ことば」で闘う新感覚RPG「共闘ことば RPG コトダマン」とのコラボレーションを実施したほか、12月12日から1月31日までの期間は全国の築地銀だこ店舗(一部店舗を除く)にて、TVアニメ【推しの子】とのコラボレーションを実施した。

商品関連では、11月8日より<プレミアム明太シリーズ>『焦がし醤油 もちチーズ明太』を期間限定で販売するなど、自社キャンペーン・コラボレーション・新商品と積極的な販売促進活動も実施した。デリバリーサービスについては、導入可能な店舗への導入がほぼ完了したことから、次の施策としてサービス自体の認知拡大と併せ1店舗あたりのデリバリー売上拡大に取り組んだ。

こうした施策により、同期の既存店売上高は前年比15.1%増と伸長した。なお、同期は昨今の円安や原材料価格の高騰、人件費・物流費・光熱費の上昇等を企業努力だけで吸収することが難しい状況となったことから、2023年3月1日より商品価格の改定を実施したが、売上は継続して堅調に推移した。

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酒場事業は各業態とも好調に推移

酒場事業は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和による経済活動の回復を背景に、各業態とも好調に推移した。

「銀だこハイボール酒場」は、「銀だこハイボール横丁秋葉原店」を2023年4月に、「門前仲町店」を9月に直営店で出店したほか、フランチャイズによる地方出店にも積極的に取り組み、3月に「春日部店」、4月に「佐賀駅店」、9月に「吉塚店」、10月に「新潟駅前店」「高松店」をオープンした。

同時に、「銀だこハイボール酒場」業態以外の出店も加速した。2月には「おでん屋たけし」の「新横浜店」「千葉駅東口店」、3月に「渋谷店」、4月に「八重仲ダイニング店」、8月に「西五反田店」、11月に「渋谷宮益坂店」をそれぞれ出店した。「もつやき処 い志井」は3月に「中目黒店」を、「日本再生酒場」は7月に「築地本店」を出店した。さらに、新業態として“日常の生活の中で気軽に立ち寄れ、お酒も楽しめる街のレストラン”をコンセプトに誕生した「大衆ビストロ コタロー」1号店(調布店)を5月に、2号店となる「五反田店」を7月に出店したほか、12月にはトビウオを使用した“あご出汁”と、濃厚な“鶏出汁”が決め手!の創作もんじゃ「古民家もんじゃ だしもん」の「池袋南口店」をオープンした。

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主食事業の出店にも注力

主食事業では、2023年2月に「野郎めし」の「つくば店」、3月に「本庄店」「高崎店」、4月に「白岡店」「桶川店」、8月に「松戸店」、9月に「野田店」を出店したほか、6月には初の都市型店舗として「蒲田東口店」を東京23区内に出店した。

このほか、3月には「東京油組総本店 <油そば>」の「錦糸町組」「相模原組」を皮切りに、4月に「手稲組」、6月に「天神組」「天台組」、7月に「宇都宮組」「五反田組」、8月に「大街道組」、9月に「茨木組」、10月に「つくば谷田部組」、12月に「土浦組」をそれぞれ出店した。なお、「相模原組」「天台組」「つくば谷田部組」は、「築地銀だこ」のロードサイド型店舗である「相模原中央店」「天台ドライブイン店」「つくば谷田部ドライブイン店」を改装し、「築地銀だこ」と「東京油組総本店 <油そば>」の併設型店舗として出店した新業態である。

新業態ではもう一つ、注文を受けてからひと釜ずつ丁寧に炊き上げた釜めしと、国産蕎麦粉を使用した職人こだわりの手打ち蕎麦を提供する「釜めしと蕎麦 かまど」の「鹿沼店」を12月に出店した。

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製販事業は販路拡大で好調に推移

製販事業は、冷凍たこ焼の大手コンビニエンスストア向け卸販売のほか、アイスクリーム製品の大手スーパーマーケット向けの販路が拡大し、引き続き好調に推移した。また冷凍たこ焼については、現在海外販路の開拓にも積極的に取り組んでいる。

海外事業で出店を加速

海外事業は、アセアンでは新型コロナウイルスに関わる各種規制が緩和され、本格的なアフターコロナに向けた経済活動の活発化が進む中、タイに4店舗、インドネシアに3店舗、シンガポールに1店舗のフランチャイズによる出店を実施した。また、香港では新型コロナウイルスの影響が未だ残りかつ外部環境の変化が顕在化しているものの、直営店舗は営業黒字を維持しているところも多く、7店舗の出店を行った。なお、同期は米国における貿易事業も開始し、主に国産水産物の輸出が進捗している。

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観光地における飲食事業も推進

京都等の観光地における飲食事業は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和により堅調に推移した。同期は、昭和初期に建築された歴史ある京町屋の古き良き部分や和の趣を残しながら現代的なモダンさを取り入れた炉端焼きが味わえる新業態「炭炉まん(すみろまん)」京都四条烏丸を2023年5月に、8月には地元食材をふんだんに使った群馬名物の釜めし・郷土料理のお切込み・ひもかわうどん・手間ひまかけた自慢の炭焼(串&炉端)等を堪能できる「草津湯畑 まんてん」を草津温泉 湯畑の目の前の絶好のロケーションに直営店でオープンした。

また、炭火を使ってみんなで「つくる・食べる・楽しむ」をコンセプトに、今までのバーベキューや焼肉とは異なる新たな食体験ができる全天候型のインドアバーベキュー施設「スミテラス」1号店の猪名川店に加え、9月にも新業態のカフェ「シカモア」と併設する形で群馬県桐生市黒保根町水沼に2号店目をオープンした。

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2024年12月期は最終利益で42%増を予想

2月14日、ホットランドは2024年12月期・通期(2024年1月1日~2024年12月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比16.2%増の450億円、本業の利益を示す営業利益は同25.3%増の28億円、経常利益で同4.3%増の27億5,000万円、最終利益で同42.0%増の14億5,000万円となる見通しを示した。

引き続き、ホットランドの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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