帝国データバンクの調査によると、ビッグモーターを頂点としたサプライチェーン企業(売上高の1%以上を依存している企業)は全国に410社あると推計される。直接取引のあるTier1は156社、間接取引のあるTier2は229社、Tier3は25社で、サプライチェーン企業にもたらされる売上高の合計は推計で224億円にのぼる。
(図1) 出典:帝国データバンク
※調査対象:帝国データバンクが保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」のうち、ビッグモーターに対し、
部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏) ※調査期間:2023年7月時点
※調査対象:帝国データバンクが保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」のうち、ビッグモーターに対し、
部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏) ※調査期間:2023年7月時点
ビッグモーターのサプライチェーン企業を業種別に見ると、店舗での整備業務等に関わる「自動車部分品・付属品卸売業」が40社と最も多く、全体の約1割を占めている。次いで「建築工事」が22社、「内装工事」が20社と店舗建設に関わる建設(工事)関連業種が上位を占めていることが判明した。
部品卸や運送業、中古車小売業者など自動車に関わる業者のみならず、全国に260店舗以上と多店舗(大規模店舗)展開の戦略を採っていることから、上述のような建設業者がサプライチェーン全体の4割超(171社)を占めていることも特徴の一つといえる。
(図2) 出典:帝国データバンク
2023年7月に修理代金の水増し請求が発覚して以来、新たな疑惑も次々と浮上しているビッグモーター。世論の反発は強く、業績悪化は免れない状況であるが、帝国データバンクは「部品供給や店舗建設など、仕入や下請け業務に関わるサプライチェーン企業も少なからず存在する。ビッグモーターの業況が悪化すれば、こうした企業への影響も避けられないだろう」と分析している。■
(La Caprese 編集部)