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愛知製鋼、株価は年初来高値。V字回復が鮮明、今期は最終利益で210.5%増へ

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(画像= Canva、La Caprese)

2023年9月5日、東京証券取引所で愛知製鋼の株価が一時4,280円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年2月3日の安値2,107円から7カ月で103.1%の上昇である。

愛知製鋼は、トヨタグループの大手特殊鋼メーカーである。その源流は1934年に豊田自動織機製作所(現在の豊田自動織機)内に設置された製鋼部門にまでさかのぼる。1940年には分離独立して豊田製鋼を設立、そして1945年に社名を愛知製鋼に改称している。現在では、自動車産業のほか、産業機械やIT、エレクトロニクス、医療、農業など、暮らしの中で利用される多くの製品向けに多様な素材を供給している。

後段で述べる通り、①トヨタ自動車の増産計画に加えて、②愛知製鋼が公表した2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績で最終損益が黒字に転換したこと、③2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想で最終利益を大幅に上方修正したこと、④年間配当予想を1株当たり80円(前回予想は50円)に増額修正したこと……などが株価にも追い風となっている。

今回は愛知製鋼の話題をお届けしよう。

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愛知製鋼、V字回復が鮮明

トヨタ自動車は、❶今年6月にEV(電気自動車)の性能向上に向けて「全固体電池」と呼ばれる次世代型の電池を2027年~2028年に実用化する方針を明らかにしたほか、❷8月には、2023年9~11月の車両生産計画にて、世界生産を前年同期比10%増の274万台程度に設定し、そのうち国内生産を26%増の計94万台程度と大幅に増産する計画を示した。そうした中、トヨタグループ唯一の素材メーカーである愛知製鋼の業績期待も高まっている。

営業損益・税引前四半期損益・最終損益が黒字に転換

愛知製鋼の業績を見てみよう。愛知製鋼が7月28日に公表した2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績は、売上収益が前年同期比10.4%増の738億1,300万円、本業の利益を示す営業利益は30億6,700万円(前年同期は11億8,600万円の営業損失)、税引前四半期利益は35億7,600万円(前年同期は4億6,900万円の税引前四半期損失)、最終利益は22億7,700万円(前年同期は5億4,700万円の最終損失)となった。

同期は利益面で、販売価格の値上がりや、原価低減などの収益改善活動の効果、連結子会社の増益などがプラス要因となり、営業損益・税引前四半期損益・最終損益で黒字に転換するなどV字回復を鮮明にした。

主要セグメントの概況は以下の通りである。

鋼(ハガネ)カンパニー

鋼(ハガネ)カンパニーは、特殊鋼の販売数量は減少したものの、販売価格の値上がりにより、2024年3月期・第1四半期の売上収益は前年同期比4.6%増の271億3,000万円となった。

ステンレスカンパニー

ステンレスカンパニーはステンレス鋼の販売価格の値上がりがあったものの、販売数量の減少により、2024年3月期・第1四半期の売上収益は前年同期比2.1%減の101億3,700万円となった。

鍛(キタエル)カンパニー

鍛(キタエル)カンパニーは、鍛造品の販売数量の増加と販売価格の値上がりにより、2024年3月期・第1四半期の売上収益は前年同期比21.9%増の312億9,800万円となった。

スマートカンパニー

スマートカンパニーは、磁石の売上が減少する一方で、電子部品の売上は増加した。その結果、2024年3月期・第1四半期の売上収益は前年同期比7.8%増の47億7,200万円となった。

その他事業

その他事業の2024年3月期・第1四半期の売上収益は前年同期に比べて4.1%増加の4億7,500万円となった。

今期は最終利益で210.5%増を予想

7月28日、愛知製鋼は2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上収益で前期比8.0%増の3,080億円、本業の利益を示す営業利益で同145.4%増の80億円、税引前利益で同107.4%増の85億円、最終利益で同210.5%増の50億円となる見通しを示した。これは従来予想(4月27日公表)に比べて売上収益でマイナス1.9%、営業利益でプラス60.0%、税引前利益でプラス54.5%、最終利益でプラス66.7%の修正である。

愛知製鋼は修正の理由について、①売上収益は、自動車関連以外の分野での販売数量の減少やサーチャージ制による販売価格の値下がりにより、従来予想(4月27日公表)を下回る見込みで、下方修正した、②一方、利益面では売上収益の減少による減益影響はあるものの、鉄スクラップやエネルギー価格が従来予想(4月27日公表)ほどには上昇しないと見込んだ結果、上方修正した……としている。

なお、冒頭でも述べた通り、愛知製鋼は上記の連結業績予想の修正に伴い、年間配当予想を1株当たり80円(前回予想は50円)に増額修正した。

引き続き、愛知製鋼の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:世界のトヨタ「自動車帝国」の反撃
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