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記録的な「値上げラッシュ」の要因となった原材料高の影響に落ち着き?――帝国データバンクの調査報告

値上げラッシュ,なぜ
(画像= 白つばき / 写真AC、La Caprese)

「記録的な値上げラッシュの要因となった原材料高の影響が落ち着きつつある」――。2023年9月1日、帝国データバンクが発表した「食品主要195社」を対象とした価格改定動向調査で、そのような見解が示された。

帝国データバンクが2023年以降の国内の主要な食品や飲料メーカー195社・約3万品目の値上げデータを基に分析したところ、野菜や食肉、食用油といった食材価格の高騰に起因した「原料高」を理由とした値上げの割合は98.8%とほぼ全量を占めた。

ただ、月別の推移を見ると2023年1月(100%)以降徐々にその割合が低下し、10月は年内で最も低い83.3%にとどまるなど、値上げにおける「原材料高」の影響が沈静化しつつある。2022年に比べると食材価格の上昇ペースは落ち着きがみられるほか、価格への転嫁が浸透・一巡したことによる収益力の改善も寄与したことが、値上げ要因としての存在感低下につながったとみられる。

値上げラッシュ,なぜ

(図1) 出典:帝国データバンク

他方、足元では1ドル=140円台の円安水準の長期化で、輸入食材における調達コストが年末にかけて増加する可能性があり、「原材料高」による値上げが再び存在感を増す恐れもある。原材料高以外にも、原油・ガソリン価格の上昇で物流費の負担が増しているほか、食品用フィルムなどプラ製の包装資材価格の高騰が各食品のコスト増につながっており、「値上げ」そのものは2024年以降も続く可能性があると帝国データバンクは分析している。■

(La Caprese 編集部)

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