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9割の女性が働きながら不調を感じているが、半数以上が相談をしていない――全薬工業とEmma Sleep Japanの調査報告

女性,体調不良
(画像= FineGraphics / 写真AC、La Caprese)

「9割の女性が働いていて何かしらの不調を感じているが、半数以上が相談をしていない」――。2023年8月29日、全薬工業(本社:東京都文京区)とEmma Sleep Japan(本社:東京都中央区)が実施した『働く人の健康に関する調査』で、そのような実態が浮き彫りとなった。調査は、2023年8月4日から8月7日に20歳~59歳の男女有職者848人(男性:423人、女性:425人)を対象に行われた。

結果は、前述の通り、9割の女性が働いていて何かしらの不調を感じているが、半数以上が相談をしていないことが明らかになった。相談しない理由としては、「相談しても解決できない」「自分で解決することだと思っている」「理解してもらうのが難しい」といった回答が上位に並び、ガマンして自力で乗り切ることが当たり前になっている人が少なくないことが伺えた。

なお、本調査結果は、忙しいビジネスパーソンの健康意識を高めるためにHER-SELF女性の健康プロジェクト®と合同で開催した「女性の健康サミット2023」にて発表している。

今回は全薬工業とEmma Sleep Japanの『働く人の健康に関する調査』を紹介したい。

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『働く人の健康に関する調査』

調査概要

▼調査主体:全薬工業株式会社、Emma Sleep Japan合同会社
▼調査名:『働く人の健康に関する調査』
▼実施時期:2023年8月4日から8月7日
▼調査方法:インターネット調査
▼調査対象:20~59歳の男女有職者848人(男性:423人 、女性:425人)
▼調査委託先:インテージ

日頃、健康を保つためにどのようなことをしていますか?

「日頃、健康を保つためにどのようなことをしていますか?」と伺ったところ、「十分な睡眠をとる」「食生活に気を付ける」「ストレスをためないようにする」がTop3となった。このことから、日々の睡眠の重要性を認識している生活者が多いことが推測される。

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(図1) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

健康のために確保したい睡眠時間は「7時間以上8時間未満」が第1位。しかし、実際は……

続いて、「健康のために確保したい睡眠時間」と「実際の睡眠時間」について伺った。確保したい時間は【7時間以上8時間未満】が1位であるのに対し、実際の睡眠時間は【5時間以上6時間未満】がトップで、理想と現実では約2時間も乖離があることが判明した。仕事に加え、家事や子育てによる影響などで、理想の睡眠時間を確保できていない可能性があると推察される。

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(図2) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

眠れない・寝付きが悪いと感じるときはどんなときですか?

「眠れない・寝付きが悪いと感じるときはどんなときですか?」と伺ったところ、「心配ごとや、仕事・プライベートの考えごと」があるときに眠れないと感じている人が多く、心理的な要因が睡眠に影響を与えていることが明らかになった。ちなみに、「眠りにつけないことはない」と回答した人が15%に満たないことから、働く女性の多くが睡眠について何らかの課題を感じているのではと推測できる。

また、「眠れないときに実施している対処方法」について伺ったところ、4割近くもの人が「目を閉じる」だけで済ませているほか、「特にない」「対処法がわからない」と回答した人も一定数いることが判明した。正しい対処法を知らない又は根本的な改善には繋がらない簡易的方法でしのいでいる人が多いようだ。

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(図3) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

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(図4) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

働いていて、心身の不調を感じるときはどんなときですか?

次に、働く男女にそれぞれ「働いていて、心身の不調を感じるときはどんなときですか?」という質問をしたところ、多くの項目で女性の該当者数が男性を上回っており、特に「人間関係などの精神的なストレス」は6割を超える結果となった。さらに、「特にない」と回答した人が男性2割に対し、女性は1割であることから、女性のほうが比較的不調を感じやすく、9割の女性が何かしらの不調を感じていると推測される。

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(図5) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

どのような不調の症状がありますか?

「どのような不調の症状がありますか?」という質問に対しては、「疲れやすい」「イライラする、情緒不安定」「眠れない、寝付きが悪い、眠りが浅い」の3つがランクインした。身体的な不調よりも精神的な不調で悩んでいる人が多いことが示唆される結果となった。

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(図6) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

心身の不調に対して、どのような対処や予防をしていますか?

「心身の不調に対して、どのような対処や予防をしていますか?」と質問したところ、「入浴や食事などで身体を温める」「好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたりしてリラックスする」「入眠時間や食生活など、生活改善を図る」など簡易的なものが上位を占め、「特にない」「対処法がわからない」と回答した人が一定数いることが判明した。医師や漢方の力に頼る人は一桁台と少なく、不調を感じても、なんとなく我慢して乗り切ってしまっている人が多いのではと推測される。

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(図7) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

働いていて心身の不調を感じたとき、誰かに相談したり話したことはありますか?

「働いていて心身の不調を感じたとき、誰かに相談したり話したことはありますか?」と伺ったところ、半数以上の人が「相談したことがない」と回答した。「相談しない理由」については、「相談しても解決できない」「自分で解決することだと思っている」「理解してもらうのが難しい」といった回答が上位に並んだ。「我慢できるから」という回答も一定数あり、相談すること自体をあきらめていたり、ガマンして自力で乗り切ることが当たり前になっていたりする人が少なくないのではと考えられる。

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(図8) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

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(図9) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

ホルモンバランスの影響で日常生活に支障がでることは何ですか?

女性ならではの課題として、ホルモンバランスの影響が挙げられる。そこで「ホルモンバランスの影響で日常生活に支障がでることは何ですか?」と伺ったところ、「特にない」と回答した人は3割にとどまり、7割以上の女性が支障を感じていることが判明した。具体的な症状としては、「イライラ、やる気が起きない、不眠」などが上位を占めた。

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(図10) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

ホルモンバランス不調時の改善策として、とっている対応策はありますか?

続いて、「ホルモンバランス不調時の改善策として、とっている対応策はありますか?」と質問したところ、約3割近くの人が「我慢する、特にない」と回答した。不調を感じても「我慢して乗り切ろう」という心理があることがうかがえる。

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(図11) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

ホルモンバランスの影響による体調不良について、相談経験のない人は半数以上

最後に「ホルモンバランスの影響で心身の不調があったとき、誰かに相談したり話したりしたことはありますか?」と質問したところ、「相談したことがない」と回答した人が半数近くを占める結果となった。相談したことのある人も家族や友達が多く、職場の同僚や上司に相談したことがある人は1割程度であった。この結果から、職場の人たちに相談することへのハードルの高さがうかがえる。

相談したことがない理由としては、「我慢できるから」がトップとなり、「我慢して乗り切る」傾向は根強く見られた。女性の活躍シーンが広がっている現代においても、女性特有の不調を職場の人に相談するハードルはまだまだ高いのが現状のようだ。「不調の際は我慢しなくてもいい、無理をしなくてもいい」という周囲の意識浸透や環境作りの必要性を感じる結果となった。

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(図12) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

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(図13) 出典:全薬工業、Emma Sleep Japan

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