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タカラトミー、純利益は145.6%増。株価は年初来高値、主力商品ブランドが業績に寄与

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(画像= La Caprese)

2023年8月10日、東京証券取引所でタカラトミーの株価が一時2,249円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月18日の安値1,207円から7カ月足らずで86.3%の上昇である。

タカラトミーは、玩具や雑貨、カードゲーム、乳幼児関連商品等の企画から製造・販売を手がける企業である。主力商品ブランドには、手のひらサイズのダイキャスト製ミニカーシリーズの「トミカ」のほか、着せ替え人形の「リカちゃん」、実在する車両の鉄道玩具「プラレール」、変形合体ロボットシリーズ「トランスフォーマー」、トレーディング・カードゲーム「デュエル・マスターズ」などを有し、いずれもロングセラーとして業績に寄与している。

後段で述べる通り、タカラトミーが8月8日に発表した①2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績が増収増益となり、純利益で前年同月比145.6%増と大幅な増益となったことに加え、②インバウンド(訪日外国人観光客)需要のさらなる拡大期待も追い風となったようだ。

今回はタカラトミーの話題をお届けしよう。

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タカラトミー、純利益は145.6%増

8月8日、タカラトミーは2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比9.0%増の431億200万円、本業の利益を示す営業利益は同50.5%増の25億600万円、経常利益は同74.5%増の23億3,000万円、純利益は同145.6%増の18億500万円と大幅な増益となった。

同期は定番商品において、子どもだけでなく大人にとっても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き注力した。たとえば、「プラレール」では、これまでの子ども向けに加え、大人向けに「飾る楽しみ」と「走らせる楽しみ」を両立した「プラレール リアルクラス」の展開を新たにスタートした。また、「リカちゃん」では1980年代に誕生し人気を集めたファッションドール「ジェニー」を「#Licca(ハッシュタグ リカ)」シリーズのフレンドドールとして復活することを発表するなど、年齢軸の拡大に努めた。

さらに、テレビやWebでのIP展開として、動かして遊べる動物フィギュア「アニア」初のテレビアニメとなる『冒険大陸 アニアキングダム』を開始するなど玩具とコンテンツの連動を図った。グループ会社では、タカラトミーアーツが展開するガチャ事業において、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が伸長したほか、アミューズメントマシン「ポケモンメザスタ」も引き続き好調に推移した。また、小売事業キデイランドではインバウンドを含めた人流の回復により販売が伸長するとともに、中国においては前年同期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が回復した。

上記により売上が増加したことに加え、利益面では輸送費の落ち着き等による原価率の改善から売上総利益が伸長したことにより、営業利益、経常利益、純利益が揃って大幅に伸長することとなった。

セグメント別の状況は以下の通りである。

日本

日本の売上高は前年同期比9.9%増の365億2,100万円、営業利益は同24.1%増の37億1,900万円と増収増益となった。

前述の通り、同期は定番商品において、子どもだけでなく大人にとっても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き注力したほか、テレビやWebでのIP展開も積極的に推進した。ちなみに、今年6月の「日本おもちゃ大賞2023」においては、タカラトミーグループは大賞3部門に加え、イノベイティブ特別賞、優秀賞3部門と合計7商品が受賞するなど、高い評価を得ることができた。

アメリカズ

アメリカズの売上高は前年同期比3.0%減の59億3,600万円、営業損失は2億7,400万円(前年同期は2億1,600万円の営業損失)となった。

同期は、ベビー用品の販売が堅調に推移するとともに、日本においてタカラトミーアーツが展開するぬいぐるみシリーズ「もっちぃもっちぃ(海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-)」の販売が伸長した。しかし、その一方で、ファット・ブレイン・グループの販売が減少したこと等がマイナス要因となった。

欧州

欧州の売上高は前年同期比13.9%減の7億7,000万円、営業損失は2億7,200万円(前年同期は2億3,700万円の営業損失)となった。

同期は、「Toomies」などのプリスクール関連商品やロングセラーパーティーゲーム「黒ひげ危機一発(海外商品名:Pop-Up Pirate)」の販売が伸長したものの、ベビー用品や農耕車両玩具等の販売が減少したことがマイナス要因となった。

オセアニア

オセアニアの売上高は前年同期比5.3%減の5億9,300万円、営業利益は同85.1%増の5,800万円と減収増益となった。

同期は、農耕車両玩具の販売が堅調だったほか、ぬいぐるみ「Club Mocchi- Mocchi-」の販売も好調に推移したものの、ベビー用品等の販売が減少したこともあり、減収となった。しかし、その一方で、営業利益は輸送費の落ち着き等による原価率の改善から売上総利益が伸長したことにより、大幅に増加した。

アジア

アジアの売上高は前年同期比4.7%減の140億7,900万円、営業利益は同9.9%減の4億1,700万円と減収減益となった。

同期は、「トミカ」や「ポケモン」関連商品などが好調に推移したことに加え、タカラトミーアーツのアミューズメントマシンも引き続き好調だった。また、中国においては、前年同期に行われていたロックダウンの反動もあり販売が回復傾向を示した。しかし、その一方で、生産子会社であるTOMY (Hong Kong) Ltd.における欧米向け出荷が減少したこともあり、減収減益となった。

中国、日本への団体旅行を解禁。気になる業績への影響

8月8日、タカラトミーは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比4.1%増の1,950億円、本業の利益を示す営業利益は同2.9%増の135億円、経常利益は同7.9%増の130億円、純利益は同8.2%増の90億円と従来見通し(2023年5月9日公表)を据え置いた。

ただ、8月9日には中国政府が日本政府に対して、日本行きの団体旅行を10日にも解禁する方針を伝えるなどインバウンド需要のさらなる拡大への期待も指摘される。中国政府が日本行きの団体旅行を解禁するのは約3年半ぶりのことであり、タカラトミーの今後の業績にどう影響してくるか注目されるところである。■

(La Caprese 編集部)

特集:オタク関連株
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