突然、空が暗くなってきた。間髪をいれず、大粒の雨が落ちてきて激しく地面をたたきはじめた。ずぶ濡れになりながら、雨宿りを求めて走る……。読者のみなさんにも、そんな経験をした人がいるかもしれない。
ちなみに、日本気象協会(本社:東京都豊島区)が2018年7月に発表した「ゲリラ豪雨に関するアンケート調査」によると、実に7割以上がゲリラ豪雨に遭遇したことがあると回答している。同調査は、日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」の『tenki.jpラボ』にて、全国の20代から50代の男女1,000名を対象に実施したものである。
これからの季節に特に注意したい「ゲリラ豪雨」。今回は日本気象協会の調査報告とあわせて、気象予報士の平松信昭さんによる「ゲリラ豪雨から身を守る」ための対策方法を紹介したい。
全国1,000人に聞いた!ゲリラ豪雨に関する調査
ゲリラ豪雨の認知度は97.2%!ゲリラ豪雨に遭遇したことがある人は7割超え
まず、ゲリラ豪雨という言葉を聞いたことがあるか質問したところ、「ある」と回答した人は97.2%と、ほとんどの人がゲリラ豪雨を知っていることが分かった。ゲリラ豪雨という言葉は正式な気象用語ではないものの、その言葉が持つ印象の強さや、メディアで報道される機会も増えていることから、「知らない人はいない」と言ってもよいほどに浸透していると考えられる。
(図1) 出典:「tenki.jpラボ」
※端数処理のため合計しても必ずしも100%とはならない場合がある。
次に、実際にゲリラ豪雨との遭遇について聞いたところ、「何度も遭遇したことがある」と回答した人は52.9%と半数を超えており、「一度遭遇したことがある」人(19.4%)と合わせると、ゲリラ豪雨に遭遇したことがある人は全体の7割を超える結果となった。多くの人がゲリラ豪雨に遭遇していることが浮き彫りとなった。
ゲリラ豪雨はどんな雨?
続いてゲリラ豪雨は感覚的にどんな雨か聞いたところ、「傘があってもびしょ濡れになってしまうような突然の雨」が53.0%、次いで「恐怖を感じて外に出られないような突然の雨」が25.9%となった。約8割の人が、ゲリラ豪雨は傘などでは防げず、濡れるのは避けられない現象であるというイメージを抱いていることが分かった。
(図2) 出典:「tenki.jpラボ」
※端数処理のため合計しても必ずしも100%とはならない場合がある。
ちなみに、ゲリラ豪雨という言葉は、前述したとおり正式な気象用語ではなく、明確な定義はない。日本気象協会によると、学術的な言葉の中から妥当なものを探すと「局地的大雨」に当たるという。局地的大雨とは、急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十ミリ程度の雨量をもたらす雨のことである。1ミリの雨の中でも雨具なしだと10分ほど歩けばびしょ濡れになってしまうが、1時間に満たない短時間でも、突然数十ミリの雨が集中的に降ると、傘があっても濡れてしまったり、視界が悪くなったりする。
ゲリラ豪雨に遭遇したら、7割の人が「やむまで待つ」
外出先でゲリラ豪雨に遭遇した際に、どう行動するか質問したところ、「やむまで屋内施設をウインドウショッピングする」が30.5%、「やむまで軒下や屋根のある屋外で待つ」が27.0%、「やむまでカフェやレストランに入る」が14.3%で、合計約7割の人が「やむまで待つ」と回答した。
(図3) 出典:「tenki.jpラボ」
※端数処理のため合計しても必ずしも100%とはならない場合がある。
一方、「濡れる覚悟で予定どおり移動する」と答えた人は9.9%と、約10人に1人だった。日本気象協会によると、ゲリラ豪雨の際は、雨だけでなく、落雷や突風の恐れもあり、無理に行動をするのは危険を伴うと指摘している。また、ゲリラ豪雨は少し待つことで、雨脚が弱まることもあるので、遭遇した場合は屋内や安全な屋外などで雨雲が通り過ぎるまで一休みして「tenki.jp」のWebサイトやアプリのサービス等を活用して、雨雲の状況を確認することをおすすめしたい。■