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2024年の「おせち」価格は平均2万6,619円、前年比で4.5%の値上がり――帝国データバンクの調査報告

おせち,値上がり,2024年
(画像= ShineLight / 写真AC、La Caprese)

お正月の縁起物として欠かせないお祝い料理「おせち」でも値上げが続いている。

帝国データバンクが2023年12月26日に発表した調査報告によると、全国の大手コンビニエンスストアや百貨店、スーパー、著名な日本料理店など計110社で販売される、2024年正月シーズンのおせち料理(三段重または3~4人前分)の平均価格は2万6,619円(税込)だった。1年前(2023年正月、以下「昨シーズン」)の2万5,461円に比べて1,158円、率にして4.5%の値上がりとなったほか、2年前の2022年正月シーズンに比べると2,237円・9.2%の値上がりとなった。

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2024年の「おせち」価格は平均2万6,619円

おせち,値上がり,2024年
(図1) 出典:帝国データバンク

前年から価格が上昇したおせち料理を値上げ幅別にみると、最も多いのは「2,000円未満」で全体の3分の1にあたる34社に上った。百貨店やホテルなどが展開する2万~3万円台のおせち料理で値上げが多くみられる一方、4万円を超える高級おせちや、1万円台のリーズナブルなおせちでも1,000円台の値上げが行われた。以下「3,000円未満」(14社)、「4,000円以上」「1,000円未満」(各8社)と続き、昨シーズンから価格が上昇したおせち料理は調査対象の110社中68社と、昨シーズン(66社)から微増となった。

一方、昨シーズンに大幅に値上げを行ったものの、今シーズンは価格を据え置きとしたおせち料理もあり、その多くが海鮮を主体とした和風おせちだった。

おせち,値上がり,2024年
(図2) 出典:帝国データバンク

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値上げか据え置きか「二極化」も顕著に

2024年正月のおせち料理は、原材料やコンセプトに応じて値上げか据え置きかが決まる「二極化」が顕著となった。原材料価格(店頭・卸価格ベース)をみると、洋風おせちで主役となるローストビーフの材料(牛モモ肉)や輸入サーモンなどは昨シーズンに続き高騰したほか、鶏卵価格も高止まりが続いたため、大幅な値上げとなった。

和風おせちでも、輸入いせえびやあわび、数の子などでは価格が高止まりしたほか、醤油などの調味料、化粧箱などの資材費などでコストが上昇した。

ただ、昨シーズンに価格が高騰したまぐろやいくら、ほたて、かになどは価格が落ち着いたことも背景に、特に「海鮮おせち」で小幅な値上げにとどまった。年に一度のお祝いであることから「値上げ幅は最小限」といった声も聞かれるほか、例年に比べて割安に入手できる高級食材を使用して割高感を抑えたおせちもみられ、値上げの動きは全体的に抑制されている。

おせち,値上がり,2024年
(図3) 出典:帝国データバンク

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高額おせちでも売れ行きは「好調」

おせち料理の一部の原材料価格に高止まりが見られるほか、資材価格の高騰も背景にコスト高は続くものの、中国の禁輸措置による国産水産物の在庫増や、ロシア産の国内市場流入による相場の下落といった要素も背景に、全体では値上げが抑制された状態となっている。

ちなみに、百貨店「松屋」が今年8月に実施した調査では、回答が得られた489人のうち約7割がおせち料理での節約を「意識しない」と回答した。4年ぶりにコロナ禍の行動制限がない正月を迎えるなか、年末年始の帰省需要を見込んだ大人数向けのおせちや、子どもの人気が高い和洋中おせちなど高付加価値おせちの売れ行きが好調との声も聞かれる。ただ、「一部では低価格品への人気集中といった『値上げ疲れ』の動きもあり、来年以降、価格帯の二極化がさらに進行する可能性がある」と帝国データバンクは指摘している。■

(La Caprese 編集部)

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