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岸田内閣支持率、過去最低の23%。新型コロナ5類は「妥当」と「時期尚早」が拮抗――社会調査研究センターの全国世論調査

岸田内閣の支持率
(画像= Canva、La Caprese)

2023年2月6日、社会調査研究センター(本社:埼玉県さいたま市)は全国世論調査の結果を発表し、岸田内閣の支持率が1月の前回調査から2ポイント減少の23%と過去最低となったことが明らかになった。調査はNTTドコモ(本社:東京都千代田区)と共同開発したインターネット調査「dサーベイ」によるもので、2月5日に実施。NTTドコモのポイントサービス「dポイントクラブ」の会員を対象にアンケートを行う「プレミアパネル」を使用した。2月5日午前9時から無作為に抽出した方々にメールで回答を依頼し、3,076人から有効回答を得た。

<調査トピック>

(1)岸田内閣支持率過去最低23%、新型コロナ5類「妥当」「時期尚早」拮抗
(2)マスク着用やイベントの大声は? 男女に傾向差も
(3)児童手当の所得制限撤廃に賛否拮抗、年代による意識差
(4)地方選挙で旧統一教会の問題を「考慮」70%

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岸田内閣支持率、過去最低の23%。不支持率も65%で過去最悪

岸田内閣の支持率は23%で、1月8日に実施した前回調査の25%から2ポイント減り、昨年10月に調査を開始して以降、最低となった。不支持率は65%(前回は63%)でこちらも過去最悪を記録した。性的マイノリティーや同性婚に対する首相秘書官の差別発言(2月3日)は調査で取り上げることができなかったが、政権中枢の不祥事が続く中、支持率浮上の兆しはうかがえない。

また、政府が新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザと同等の「5類」に5月8日から引き下げることについては「妥当だ」の36%と「時期尚早だ」の37%が拮抗。「引き下げを早めるべきだ」は10%だった。

マスク着用「続けたい」52%、イベントで大声「マスク条件に賛成」62%

新型コロナ対策のマスク着用について、政府が「屋内、屋外を問わず個人の判断に委ねる」との方針を示しているのを受け、今後どうしたいかを尋ねたところ、「これからもマスク着用を続けたい」との回答が過半数の52%を占め、「外す機会を増やしたい」の42%を上回った。男女別では、女性の61%が「これからもマスク着用を続けたい」と答えたのに対し、男性では51%が「外す機会を増やしたい」と回答し、女性の方がマスクを外すのに慎重な傾向が示された。

スポーツやイベントの会場で大声を出す行為の解禁については「マスク着用を条件に賛成」が62%で「マスクなしの解禁に賛成」の18%を大きく上回った。「反対」は10%にとどまった。

政府が感染防止策の緩和に動き始めたのに対し、世論の方は慎重に感染状況を見極める意識が根強いようだ。岸田政権の新型コロナ対策を「評価する」との回答は23%(前回21%)と依然低く、「評価しない」が40%(同43%)、「どちらとも言えない」が37%(同36%)だった。

岸田内閣の支持率
(図1) 出典:社会調査研究センター

児童手当の所得制限撤廃に賛否拮抗、30代以下は賛成多数

岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」に取り組むことを表明し、自民党と公明党が児童手当の所得制限を撤廃する方針を示したことについても質問した。岸田政権の少子化対策に「期待する」との回答は20%で、「期待しない」の59%を大きく下回った。

児童手当の所得制限撤廃について、回答者全体では「賛成」の39%と「反対」の41%が拮抗したが、世代間で賛否の傾向が異なった。18〜29歳が賛成60%・反対20%、30代が賛成50%・反対27%だったのに対し、40代で賛否が拮抗し、50歳以上では反対が5割前後に達して賛成を上回った。子育て現役世代と、既に子育ての一段落した世代の意識差と言えそうだ。

物価高に歯止めがかからない中、岸田政権の物価対策を「評価する」との回答はわずか8%にとどまり、「評価しない」が72%に上った。物価対策を「評価しない」と答えた層の内閣支持率は12%に落ち込み、「評価する」と答えた層では75%に及ぶ。岸田政権の少子化対策に「期待する」と答えた層の内閣支持率も57%と高く、物価高の行方に加えて、これから検討される少子化対策への評価が政権の浮沈を左右しそうだ。

岸田内閣の支持率
(図2) 出典:社会調査研究センター

地方選挙で旧統一教会の問題「考慮する」70%

開会中の通常国会では、少子化対策などのほか、岸田政権の打ち出した防衛費の大幅増額方針も主要な論点になっている。防衛費を増やす財源に増税と国債のどちらを充てるべきだと思うかを尋ねたところ、40%が「増税にも国債にも頼らず、ほかの予算を削るべきだ」と答えた。岸田政権は5年後までに年間1兆円規模の増税を行う方針を示しているが、「増税」と答えたのはわずか5%で、「国債」が14%、「増税と国債の両方」が11%だった。23%が「そもそも防衛費を増やすことに反対」と答えた。

4月には4年に1度の統一地方選挙が行われる。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と政治の関係は地方の首長や議員についても問題になったが、地方選挙で投票する際に旧統一教会の問題を「考慮する」との回答が70%を占め、「考慮しない」は16%だった。

ロシアのウクライナ侵攻をめぐっては、欧米諸国がウクライナに戦闘機を「供与すべきだ」36%、「供与する必要はない」37%、「わからない」26%と回答が割れた。年代別でみると、40代以下で「供与する必要はない」が「供与すべきだ」を上回ったのに対し、50代以上では「供与すべきだ」の方が多かった。国際情勢に対する関心度の違いだろうか。

なお、本調査の「質問と回答」は下記にて閲覧できる。
https://ssrc.jp/blog_articles/20230205.html

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