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「髪のキメ」を感じた時にオキシトシン量が上昇し、ポジティブな感情が高くなる――花王の研究成果

髪の毛,キメを整える
(画像= 花王、La Caprese)

「髪のキメ」によってポジティブな感情が高くなる。――2021年12月17日、花王 <4452> はそのような研究成果を発表した。

花王は長年にわたって「健康的で美しい髪を手に入れるため」の本質研究を行なってきた。上記はその一環として、「髪の仕上がりによって感情に変化が起きるのかどうか?」についての研究成果である。さらに花王は2022年9月21日に「髪のキメを感じた時にオキシトシン量が上昇する」ことも突き止めている。オキシトシンとは脳内で合成されるホルモンの一つで、分泌量が上昇することにより、愛着関係を深めたり、ストレスを軽くしたり、情緒を安定させたり、自己肯定感を高めたりする働きがある。

今回は花王の研究成果を紹介したい。

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「髪のキメ」によってポジティブな感情が高くなる

うるおいを感じる髪は、毛流れがそろって毛髪1本1本がキレイに並んでいることが判明しており、そのような状態を「キメのそろった髪」と花王では定義している(図1)。

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図 1. 髪 のキメ状態

花王が2021年12月17日に発表した研究は、日本人女性20名に対してキメをそろえる作用がある/なしのシャンプーとトリートメントを自宅で使用してもらうというもの。そして、髪のキメを実感した/しないを目視や手触りによって判断してもらい、その際に生じる感情と意識について比較を行った。

具体的には、化粧版感情評価尺度(※1)を用いて、朝、髪を整える時に起こる感情の評価を行った。その結果、髪のキメを実感した場合、「活力感(活力がわいた等)」「幸福・満足(満たされた、幸せな等)」のスコアが高く、ポジティブな感情が生じているという結果が得られた(図2)。

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図 2. 髪の状態と感情 スコア

これは、花王の先行研究でも示されている、思い描いた仕上がりのメイクができた時の感情と同じ傾向である。今回の結果から、ヘアケアで髪の状態を整えることで、メイク同様に感情に良い影響を与えることが判明した。

用語解説

(※1) 化粧時の感情の変化を客観的に測る尺度で、12個の下位尺度からなる。

また、花王は本研究において15項目の自己評価や美容行動に関する意識について、どのくらい当てはまるか質問した。その結果、髪のキメを実感した場合は、「仕事や家事に前向きに取り組めた」「笑顔でいられた」「人にやさしくできた」など、自分に対してポジティブな評価がなされていることを確認した。さらに、「自分の思い描くキレイに近づいた」「自分のことを好きになる」など、自信につながる項目や、「自分の髪をつい触りたくなった」「メイクをしたくなった」といった美容行動に関する項目も高いスコアを記録した。自分に自信が持てたことにより、美容行動に関する意識が喚起されたと考えられる。

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「髪のキメ」を感じた時にオキシトシン量が上昇する

冒頭で述べた通り、2022年9月21日に花王は「髪のキメ」を感じた時にオキシトシン量が上昇することも突き止めている。オキシトシンとは脳内で合成されるホルモンの一つで、分泌量が上昇することにより、愛着関係を深めたり、ストレスを軽くしたり、情緒を安定させたり、自己肯定感を高めたりする働きがある。

本研究は、女性11名に洗髪・トリートメント・スタイリング施術を行ない、触れる前後で唾液中のオキシトシン量が変化するか調べた。同時に、触れた時に感じた髪の状態について10項目(※2)の視点で評価してもらい、その際に生じる感情と自己意識の評価を行った。

その結果、唾液中のオキシトシン量の変化と、触れた時に感じた髪の状態についての各項目の評価との関連性を検討したところ、「髪のキメ」の項目のみ、評価が高くなるほどオキシトシン量が上昇する傾向にあることが判明した(図3)。オキシトシン量の上昇は愛着形成を促進するだけでなく、自己肯定感の上昇への関連も報告されていることから、触れた時に「髪のキメ」を感じることによって自己肯定感が高まる可能性も示唆された。

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図3. オキシトシン量の変化と「髪のキメ」評価との関係
用語解説

(※2) 髪のキメ、髪の感じ、髪のパサつき、髪のまとまり、髪のなめらかさ、髪の指通り、髪のからまり、髪のつや、髪の状態、髪のダメージケアがされている、の10項目。

本研究では、髪に触れて「髪のキメ」を感じた時には、体内にも変化が現れ、感情や自己意識にまで影響する可能性が示唆された。花王はヘアケアを通じて一人ひとりが自分に自信を持ち、自分らしく生きられるような明るい社会の実現に向けて貢献する方針である。

引き続き、花王の研究成果に期待したい。■

(La Caprese 編集部)

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