アケビ果実エキスから、体脂肪を消費しやすくする効果を発見。――2023年3月22日、日本メナード化粧品(本社:愛知県名古屋市)からそのような研究成果が発表された。
日常の活動や運動で消費するカロリーより食事で摂取するカロリーが多いと、余分なカロリーが脂肪として白色脂肪細胞と呼ばれる細胞に蓄積する。この余分な脂肪が、皮下組織や内臓に過剰に蓄積すると、体型がくずれたり、健康を損なう要因となる。一方、皮下組織には、脂肪を熱として消費する「ベージュ脂肪細胞」が存在することが、近年明らかになっている。今回、日本メナード化粧品は、アケビ果実から抽出したエキスに、この「ベージュ脂肪細胞」を増やす効果を発見した。日本メナード化粧品は、本研究成果により、体脂肪を消費しやすくすることで、太りにくい身体づくりにつながることが期待できるとの見解を示している。
以下は、その研究成果の概要である。
脂肪を熱として消費する性質を持つ「ベージュ脂肪細胞」
前述の通り、日常の活動や運動で消費するカロリーより食事で摂取するカロリーが多いと、余分なカロリーが脂肪として白色脂肪細胞と呼ばれる細胞に蓄積する。白色脂肪細胞は蓄積型の脂肪細胞で、細胞内に大きな脂肪滴を持ち、皮下組織や内臓の周囲に分布している。そして、皮下脂肪や内臓脂肪への過剰な脂肪の蓄積は、体型がくずれたり、健康が損なったりする要因となる。
一方、脂肪細胞には、体内の脂肪から熱を産生する褐色脂肪細胞と呼ばれる消費型の脂肪細胞も存在する。褐色脂肪細胞は、蓄積される脂肪滴が小さく、脂肪を消費し熱を産生するために必要な「ミトコンドリア」という器官が多い。また、ミトコンドリアでの熱産生の役割を担うUCP-1と呼ばれる脱共役タンパク質も多く含まれる。この褐色脂肪細胞は、身体の中心部や肩甲骨付近にしか分布しておらず、乳幼児時に一番多く、加齢とともに減少する。
そうした中で、近年注目されているのは、上記の白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞に加えて、新たに「ベージュ脂肪細胞」が発見されたことだ。「ベージュ脂肪細胞」は、褐色脂肪細胞と同様にUCP-1の働きにより、脂肪から熱を産生する消費型の脂肪細胞である。褐色脂肪細胞は分布が限定的であるのに対し、「ベージュ脂肪細胞」は皮下組織に広く存在する。また、「ベージュ脂肪細胞」は、脂肪細胞の元となる「脂肪幹細胞」から分化してできる以外に、運動などをきっかけに白色脂肪細胞から誘導されて「ベージュ脂肪細胞」になることもある。皮下組織の「ベージュ脂肪細胞」を増やすことができれば、体内のエネルギー消費量が多くなり余分な体脂肪を減らすことができると考えられ、体型や健康の維持に役立つ脂肪細胞として注目されている。
日本メナード化粧品は、研究の結果、アケビ果実から抽出したエキスに、「脂肪幹細胞からベージュ脂肪細胞を生み出して増やす効果」と「既にある白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に誘導する効果」があることを発見した。つまり、アケビ果実から抽出したエキスは、白色脂肪細胞と脂肪細胞の元となる脂肪幹細胞の両方にアプローチして、2つのルートで「ベージュ脂肪細胞」を増やし、体脂肪を消費しやすい身体づくりをサポートするのである。
アケビ果実から抽出したエキスの2つの効果
①脂肪幹細胞から「ベージュ脂肪細胞」を生み出す効果
皮下脂肪組織では、脂肪幹細胞が分化することで脂肪細胞が生み出されるが、通常は、ほとんどが脂肪を溜め込む蓄積型の白色脂肪細胞である。しかし、脂肪幹細胞が分化する際に、白色脂肪細胞ではなく、脂肪を熱として消費する消費型の「ベージュ脂肪細胞」へ優先的に誘導することができれば、皮下組織中の「ベージュ脂肪細胞」の割合を高め、体脂肪を消費しやすい身体づくりに役立つことが期待できる。
そこで、日本メナード化粧品は、脂肪幹細胞から「ベージュ脂肪細胞」への分化を促進する素材を探索した結果、アケビ果実から抽出したエキスに有用な効果を発見した。
②既にある白色脂肪細胞を「ベージュ脂肪細胞」に誘導する効果
脂肪幹細胞から分化し、余剰カロリーを脂肪として溜め込む白色脂肪細胞を減らし、消費型の「ベージュ脂肪細胞」を増やすことができれば、体脂肪の減少が期待できる。そこでアケビ果実エキスについてさらに研究したところ、アケビ果実エキスには、既にある白色脂肪細胞から「ベージュ脂肪細胞」へ誘導する効果があることが判明した。
気になる体型のくずれを防ぎ、健康をサポートする健康食品の開発へ
日本メナード化粧品は、本研究成果について、気になる体型のくずれを防ぎ、健康をサポートする健康食品の開発に応用する方針である。日本メナード化粧品のさらなる研究成果が期待される。■