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Olympicグループ、経常損益と純損益が赤字に転落 地合悪化で株価は昨年来安値

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(画像= La Caprese)

2023年1月18日、東京証券取引所でOlympicグループの株価が一時494円まで売られ、昨年来の安値を更新した。2022年3月25日の高値738円から10カ月足らずで33.1%の下落である。

Olympicグループは、総合スーパー(GMS)や食品スーパーマーケット、ディスカウントストア、専門店などをチェーン展開する企業の持株会社である。同社はいまから61年前、1962年に東京都国分寺市にて創業した。1964年に開催された東京オリンピックの2年前である。代表取締役社長の木住野福寿氏は、2020年7月30日のニッポン放送のインタビューの中で、社名の由来について「精鋭が集う場所」という意味を込めて名付けたことを明かしている。

そんなOlympicグループであるが、直近の業績は苦戦を強いられている。後段で述べる通り、先週1月12日発表の2023年2月期・第3四半期(2022年3月1日~2022年11月30日)の連結業績が減収減益となり、経常損益と純損益がそれぞれ赤字に転落。さらに通期の業績見通しを大幅に下方修正したことから、株価は地合を悪化させている。

今回はOlympicグループの話題をお届けしよう。

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Olympicグループ、経常損益と純損益が赤字に転落

先週1月12日、Olympicグループは2023年2月期・第3四半期(2022年3月1日~2022年11月30日)の連結業績を発表した。売上高に営業収入を加えた営業収益は前年同期に比べて7.1%減少の691億1,800万円、本業の利益を示す営業利益は同98.8%減の2,300万円、経常損失は8,100万円(前年同期は18億6,000万円の経常利益)、純損失は2,900万円(前年同期は11億5,600万円の純利益)となった。

同期は原材料価格および物流費や光熱費の高騰などによる物価上昇圧力が高まったことに伴い、景気の先行き不透明が依然として高いことから、消費者に生活防衛意識が浸透し、消費マインドの低下がみられるなど予断を許さない状況が続いた。加えて、新型コロナウイルス禍の行動制限の緩和により「巣ごもり需要」がなくなり、特に食品分野については内食需要の反動減もみられるなど厳しい経営を余儀なくされた。

消費者のニーズに応えるべく多様な施策を継続するが…

Olympicグループの主な活動をみてみよう。同期は、引き続き店舗等を通じた新型コロナウイルスの感染拡大防止への対策と従業員の健康と安全管理の徹底を最優先し、消費者のニーズに応えるべく多様な施策を継続し、営業活動に取り組んできた。

食品分野では、店舗規模に応じた商品構成への転換を進め、2022年3月にはスーパーマーケット業態の「Olympic八広店」「Olympic草加店」の改装を実施した。他方、OSCベーカリーが運営する自家製パン工場を東京都北区に新設し、店舗のバックルームでの作業を集約することにより、ベーカリー全体の生産性向上を図った。

また、ディスカウント分野では、日用必需品を中心とした品揃えで、季節や地域の消費者ニーズに対応できる売り場づくりを進め、従来からの「チラシに頼らず毎日お求めやすい価格で商品をご提供し続ける」EDLP政策を継続した。加えて、既存店舗の集客力を上げるとともに、地域の消費者ニーズに応えるため、ディスカウントの売場に「おうちDEPO」を導入するなど売場の商品構成の見直しを伴う改装を進め、グループ全体の資源活用を図った。

さらに、専門店分野では、自転車専門会社の「サイクルオリンピック」、ペット専門会社の「ユアペティア」、DIY・ガーデニング専門会社の「おうちDEPO」を中心に、自社開発商品の拡大と専門性の強化を進め業容の拡大に努めた。

Olympicグループ、通期の営業利益で81.8%減を予想

Olympicグループは1月12日、2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)の連結業績予想について、営業収益で前期比5.4%減少の935億円、本業の利益を示す営業利益で同81.8%減の3億5,000万円、経常利益で同86.2%減の2億5,000万円、純利益で同89.0%減の1億円となる見通しを示した。これは従来予想(2022年4月12日公表)に比べて営業収益で11.0%減、同じく営業利益で86.5%減、経常利益で90.0%減、純利益で92.9%減と大幅な下方修正である。

Olympicグループは下方修正の理由について(1)2023年2月期においては、新型コロナウイルス禍の行動制限の緩和で「巣ごもり需要」がなくなり、食品分野については内食需要の反動減もあるなど厳しい状況で推移したこと(2)物価上昇圧力の影響から景気の先行きが不安定な状況が続き、消費者の節約志向が高まったこと(3)為替の急速な円安進行やロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源価格や原材料価格の上昇……を挙げている。

冒頭でも紹介した通り、Olympicグループの社名には「精鋭が集う場所」という意味が込められている。周囲環境の厳しさは否めないが、経営陣の舵取りに注目しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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