「人は血管とともに老いる」とは、米国の著名な医学者であるウィリアム・オスラー博士(1849年〜1919年)の名言である。その言葉が示す通り、動脈硬化など血管が硬くなって弾力性が失われた状態は、老化の最たる症状の一つである。加齢や生活習慣の乱れなどで血管は硬くなり、しなやかさを失い、血流も悪くなる。さらに、血流の悪化は、冷えや肩こりの一因となるほか、肌のくすみや新陳代謝の衰えの原因にもなる。血管をいかに若々しく保つかは、アンチエイジングの大きな課題の一つといえるだろう。
注目されるのは2022年4月26日に、日本メナード化粧品(愛知県名古屋市)が「霊芝に、血管の老化を防ぎ、血管をしなやかにして血流を改善する効果を確認した」との研究成果を発表したことだ。日本メナード化粧品は、かねてより硬くなった血管をしなやかにして、血流を改善する生薬の探索を進めてきた。その中で、古くから生薬として珍重されてきた「霊芝」に着目し、独自の抽出技術(亜臨界水抽出法)により抽出したエキスに、血管内皮細胞の働きを高め、血管をしなやかにする効果を発見したのである。
なお、本研究成果は2022年3月25日から28日にかけてオンライン開催された『日本薬学会第142年会』にて発表している。
今回は日本メナード化粧品の研究成果を紹介しよう。
血液や血管の健康維持に重要な働きをする「血管内皮細胞」
血管は、内膜、中膜、外膜の「3つの層」で形成されている。この「3つの層」で最も内側で血液に接している層が内膜である。その内膜を覆う細胞は「血管内皮細胞」と呼ばれ、血管をしなやかに保つのに重要な働きをしている。そして、この「血管内皮細胞」の重要な働きの一つとして挙げられるのが、NO(一酸化窒素)の産生である。
NOには、血管を拡張し、血流をスムーズにする作用がある。
加齢や運動不足、生活習慣の乱れなどの要因により「血管内皮細胞」の働きが低下するとNOの産生が低下し、血管が硬く、狭くなり、血流が悪くなる。このことから、血液や血管の健康を守るためにはNOの産生を改善し「血管内皮細胞」の働きを高めることが重要と考えられる。(図1)
霊芝エキスが血管の老化を防ぎ、血管をしなやかにして血流を改善する
上記を踏まえ、日本メナード化粧品は、硬くなった血管をしなやかにして、血流を改善する生薬の探索を進めてきた。その中で、古くから生薬として珍重されてきた「霊芝」に着目し、独自の抽出技術(亜臨界水抽出法)により抽出したエキスに、血管内皮細胞の働きを高め、血管をしなやかにする効果を発見した。さらに、この霊芝エキスを3カ月間摂取することで、毛細血管の血流(指先)が改善されることを確認した。(図2)
ちなみに、下記の動画は霊芝エキスの摂取により血流が改善する様子である。
今回の発見が、アンチエイジングの新たな道を切り拓くことを期待したい。■
(La Caprese 編集部)