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ジーエス・ユアサ、純利益は126%増。株価は昨年来高値、ハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売増加

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※画像はイメージです。(画像= DRN Studio / 写真AC、La Caprese)

2024年3月27日、東京証券取引所でジーエス・ユアサ コーポレーションの株価が一時3,218円まで買われ、昨年来高値を更新した。2023年12月18日の安値1,908円から3カ月余りで68.7%の上昇である。

ジーエス・ユアサ コーポレーションは、自動車用や産業用各種電池に加えて、電源システム、受変電設備、その他電気機器の製造・販売等を手がける企業群を傘下に置く持株会社である。東南アジア・中国を中心に19カ国37拠点で事業を展開しており、自動車用電池で世界2位、オートバイ用で世界1位のシェアを占めている(2023年5月現在)。また、株式市場ではEV(電気自動車)の「車載電池」関連の一角として人気化する場面も度々観測されている。

後段で述べる通り、ジーエス・ユアサ コーポレーションが公表した、❶2024年3月期・第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の連結業績が大幅な増益となったこと、❷2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想で各段階利益が大幅に上方修正されたこと、❸さらに、2024年3月期の年間配当予想を従来計画の50円から60円に増額修正したこと……などの好材料が株価のサポート要因となっているようだ。

今回はジーエス・ユアサ コーポレーションの話題をお届けしよう。

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ジーエス・ユアサ コーポレーション、純利益は126%増

2月6日、ジーエス・ユアサ コーポレーションは2024年3月期・第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の連結業績を公表した。同期は、売上高が前年同期比9.8%増の4,115億9,100万円、本業の利益を示す営業利益は同54.7%増の293億7,900万円、経常利益は同80.3%増の289億5,800万円、純利益は同126.0%増の177億4,100万円と増収増益となった。

同期は、世界的にサプライチェーンの回復が進み、自動車生産台数が回復に向かうなど、緩やかに持ち直しの動きが見られる一方で、中東地域の紛争勃発による新たな地政学リスクや、景気下振れリスク、金融市場の変動等、依然として先行き不透明な状況が継続した。こうした経営環境下、ジーエス・ユアサ コーポレーションは主にハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売数量の増加や、販売価格の是正が業績に寄与した。

主要セグメントの概況は以下の通りである。

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自動車電池

自動車電池の売上高は前年同期比3.8%増の2,595億4,100万円、セグメント利益は同28.4%増の185億6,300万円と増収増益となった。国内では、新車販売台数の回復を背景に新車用電池の販売数量が前年同期を上回ったことに加え、販売価格の是正が功を奏した。一方、海外も販売価格の是正等により増収増益となった。

産業電池電源

産業電池電源の売上高は、蓄電用リチウムイオン電池の販売増加や販売価格の是正等を背景に前年同期比11.9%増の737億4,900万円と伸長した。一方、セグメント利益は96.5%増の64億4,700万円と大幅な増益となった。

車載用リチウムイオン電池

車載用リチウムイオン電池の売上高は、ハイブリッド車用リチウムイオン電池の販売数量の増加等により、前年同期比39.1%増の629億4,300万円と伸長した。一方、セグメント利益は同149.5%増の24億3,900万円と大幅な増益となった。

その他

その他の売上高は、航空機用電池の販売好調を背景に前年同期比12.5%増の153億5,600万円と伸長した。一方、セグメント利益は同120.3%増の23億6,300万円と大幅な増益となった。

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今期の各段階利益予想を上方修正、年間配当予想も増額

2月6日、ジーエス・ユアサ コーポレーションは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比8.2%増の5,600億円、本業の利益を示す営業利益で同33.3%増の420億円、経常利益で同56.9%増の380億円、純利益で同50.8%増の210億円と増収増益の見通しを示した。これは従来予想(2023年11月7日公表)に比べて、売上高は据え置きながら、営業利益はプラス13.5%、経常利益はプラス18.8%、純利益はプラス31.3%の上方修正である。

ジーエス・ユアサ コーポレーションは上方修正の理由について、①各セグメントにおいて原料・エネルギー価格等のコスト上昇に対して着実な販売価格是正の活動を進めたこと、②同時に経費の削減に努めたこと、③さらに社会インフラ分野における蓄電用リチウムイオン電池の需要が高まっていること……を挙げている。

なお、冒頭でも述べた通り、ジーエス・ユアサ コーポレーションは2024年3月期の年間配当予想を従来計画の50円から60円に増額修正することも明らかにしている。

引き続き、ジーエス・ユアサ コーポレーションの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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