記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

セキュア、株価は1カ月で2.3倍。「ルフィ」広域強盗事件や回転ずしでの迷惑行為で、防犯関連株が人気化

セキュア,株価,なぜ,上昇
※画像はイメージです。(画像= NiraiStyles / 写真AC、La Caprese)

2023年2月7日、東京証券取引所でセキュアの株価がストップ高(前日比28.79%高)の1,342円に急騰する場面が見られた。今年1月6日の安値585円から1カ月で2.3倍の上昇である。

セキュアは、監視カメラシステムや入退室管理システムなどの各種セキュリティデバイスの開発・販売を手がける企業である。2002年の創業当初は家庭向けが中心であったが、2010年頃からは企業向けのセキュリティソリューションの開発・販売にも本格的に取り組んでいる。セキュアの事業展開で特筆されるのは「AI(人工知能)×セキュリティ」を駆使したソリューションを提供していることで、AI開発力やデバイス開発力を有するテクノロジー企業として、さまざまな社会課題の解決に取り組んでいる。

セキュアの株価上昇をもたらしたと見られる要因は、大きく分けて2つ指摘される。すなわち、(1)「ルフィ」や「キム」を名乗る人物が関わる広域強盗事件や回転ずしチェーン店での迷惑行為が連日のように報じられる中、先週2月2日付のブルームバーグで「東京株式市場で監視カメラやセンサーといった防犯関連株が買われている」と伝えられたこと、(2)2月3日にセキュアが、JR東日本(東日本旅客鉄道)の運営するJR横浜駅のJRE MALL Caféにて、来店顧客の行動分析に関する実証実験でシステムおよび技術提供を行い、同日から試験運用をすると発表したことである。

後段で述べる通り、セキュアの2022年12月期・第3四半期(2022年1月1日~2022年9月30日)の連結業績は減収減益であるが、来週2月14日には2022年12月期決算の発表を予定しており、ここで来期(2023年12月期)についてどのような業績見通しが示されるか注目されるところでもある。

今回はセキュアの話題をお届けしよう。

スポンサーリンク

セキュア、2022年12月期・第3四半期は最終赤字に転落

セキュアが公表した2022年12月期・第3四半期(2022年1月1日~2022年9月30日)の連結業績は、売上高が前年同期に比べて5.2%減少の23億7,400万円、営業損失は1億1,000万円(前年同期は1億3,500万円の営業利益)、経常損失は1億1,800万円(前年同期は1億3,000万円の経常利益)、純損失は1億6,900万円(前年同期は1億800万円の純利益)で減収減益となった。

同期は「SECURE AC(入退室管理システム)」において、納品遅延による期ズレやオフィス市況の影響等もあって前年同期比で減少、計画比でも遅れがでる結果となった。ただし、顔認証システムの販売は堅調に推移した結果、案件単価は上昇傾向となった。

一方、「SECURE VS(監視カメラシステム)」では、パートナー企業とのリレーション強化に向けた施策の結果が出始め、中小型案件を中心に引き合いが増加、導入企業数が堅調に推移し、おおむね計画通りの進捗となった。なお、同期の重点アクションとして取り組んでいるセールス・マーケティング部門の大幅な強化において、採用活動がほぼ想定通りに進捗した。

セキュア、来週2月14日発表の2022年12月期決算に注目

2022年11月11日、セキュアは2022年12月期(2022年1月1日~2022年12月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比6.8%減少の31億5,000万円、営業損失は1億8,000万円、経常損失は1億9,500万円、純損失は2億4,500万円となる見通しを示している。来週2月14日には2022年12月期の決算発表を予定しているが、ここで予想に対してどのような業績が示されるのか注目される。

加えて、来期(2023年12月期)の業績見通しも気になるところである。冒頭で述べた通り、「ルフィ」や「キム」を名乗る人物が関わる広域強盗事件や回転ずしチェーン店での迷惑行為が連日のように報じられる中、株式市場では監視カメラやセンサーといった防犯関連株が買われており、中にはセキュアのように短期間で急激に値を飛ばした銘柄もある。市場参加者の「期待感」がやや先走っている印象も否めないが、引き続きセキュアが公表するIR情報等を冷静に注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

タイトルとURLをコピーしました