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エスビー食品、株価は年初来高値。食料品事業が伸長、通期予想で各利益を上方修正

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(画像= La Caprese)

2023年11月8日、東京証券取引所でヱスビー食品(以下、エスビー食品)の株価が一時4,015円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月4日の安値3,450円から10カ月で16.4%の上昇である。

エスビー食品は、カレーやコショー、わさびをはじめとした香辛料・調味料のほか、インスタント食品等の製造・販売を手がける企業である。その源流は、1923年に浅草七軒町に創業した「日賀志屋」にまでさかのぼる。創業者の山崎峯次郎氏は、日本で初めて純国産のカレー粉の製造に成功し、以後家庭用コショーやガーリックパウダー、チューブ入り香辛料、さまざまなカレールウ等を世に送り出し、日本の食文化を支えてきた。今年で創業100周年を迎えた食品メーカーの老舗(しにせ)であるが、時代が移り変わる中でも、創業理念である『美味求真』(お客様に喜んでいただくために、満足していただくために、ただひたすら真っすぐに「本物のおいしさを追求する」こと)は変わることのない企業マインドとして貫かれている。

後段で述べる通り、エスビー食品が公表した2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績は最終減益となったものの、2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想については営業利益・経常利益・最終利益がそれぞれ上方修正されたことが、株価にもサポート要因となった。

今回はエスビー食品の話題をお届けしよう。

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エスビー食品、食料品事業が売上増に寄与

10月31日、エスビー食品は2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績を公表した。同期の売上高は前年同期比2.8%増の631億5,700万円、本業の利益を示す営業利益は同0.3%増の32億7,700万円、経常利益は同2.6%増の35億1,500万円、最終利益は同6.9%減の24億1,000万円となった。

同期は、食料品事業において、即席グループや香辛調味料グループが伸長し、売上高全体に寄与した。一方、利益面では、原材料価格の高騰などにより売上原価率が上昇したものの、価格改定効果などによる売上高の増加に加え、原価低減や経費削減に努めたこともあって、営業利益・経常利益ともに堅調に推移した。なお、同期は調理済食品において、ヒガシヤデリカ東松山工場の火災による影響があったことなどから、上記の通り、最終減益となった。

セグメント別の概況は、以下の通り。

食料品事業

食料品事業の売上高は前年同期比4.9%増の567億6,200万円、セグメント利益は(営業利益)は同8.4%増の28億5,400万円となった。

調理済食品

調理済食品の売上高は前年同期比12.5%減の63億9,400万円、セグメント利益(営業利益)は同34.4%減の4億100万円となった。

通期予想で各利益を上方修正

10月31日、エスビー食品は2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比3.2%増の1,245億円、本業の利益を示す営業利益で同5.6%増の57億円、経常利益で同6.1%増の58億円、最終利益で同7.8%増の44億円となる見通しを示した。これは従来予想(5月12日公表)に比べて、売上高でマイナス1.6%、営業利益でプラス3.6%、経常利益でプラス3.6%、最終利益でプラス4.8%の修正である。

エスビー食品は修正の理由について、①売上高については、ヒガシヤデリカ東松山工場の火災による影響から、当初の想定を下回ることが見込まれること、②一方、利益面では火災による影響に加え、引き続き原材料価格の高騰などによる売上原価率の上昇が見込まれるものの、第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績が当初の想定を上回ったこと……を勘案したとしている。

引き続き、エスビー食品の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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