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2024年のお花見は「安近短」がトレンド? 平均予算に変動見られず、物価高や円安の影響も――インテージの調査報告

お花見,予算
(画像= Sousuke48 / 写真AC、La Caprese)

2024年3月13日、インテージ(本社:東京都千代田区)は全国の15歳から79歳の男女2,500人を対象に実施したお花見に関する調査結果を公表した。

まず、今年のお花見の予定をたずねたところ、「予定している」「するかもしれない」と回答した人は合計34.5%で昨年より3.2ポイント増加した。本調査を開始した新型コロナウイルス禍の2021年と比べると12.8ポイントの増加である。(図表1)。

お花見,予算
(図表1) 出典:インテージ

続いて、「予定している」「するかもしれない」と回答した人に予算を聞いた。こちらは平均6,872円で、昨年とほぼ同水準であった(予算変動なし)(図表2)。また、予算平均をもとに15歳~79歳の推定人口(※1)から今年の市場規模を試算したところ、2,307億円となった。

お花見,予算
(図表2) 出典:インテージ
注釈

(※1)使用した推定人口は、2020年の国勢調査データをもとに人口動態などを加味したインテージ独自の母集団人口データ

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昨今の物価高や円安もお花見に影響している?

昨年同時期より物価が上昇している中での「予算変動なし」は、実質お花見予算の引き締めと言えるかもしれない。そこで、昨今の物価高や円安のお花見(予算)への影響を確認したところ、「かなり影響する」「やや影響する」を合わて57.8%と過半数を占めていることが判明した(図表3)。

お花見,予算
(図表3) 出典:インテージ

次に、お花見を予定している場所やシチュエーションなどについて聞いたところ、「予定している」「するかもしれない」人の73.1%が「【昼間】近場の桜が咲いている場所」と回答、前年比で2.9ポイント増加した。次いで「【昼間】近場の桜の名所」が前年比0.5ポイント増の42.7%となった。

一方、「桜が咲く所や名所への旅行やドライブ」は、4項目すべてでスコアを落とした。減少幅は1.4ポイント減から0.4ポイント減と微減の範疇ではあるものの、こちらでも物価高ゆえか、遠出よりも近所で手軽にお花見を楽しむ意向が強いことが見てとれる(図表4)。

お花見,予算
(図表4) 出典:インテージ

職場関係者とのお花見は増加傾向だが…

ところで、お花見と言えば家族や恋人、友人と楽しむ以外に、「職場のコミュニケーションの一つ」として捉えられる側面もある。そこで職場の人とのお花見について、思うところ・感じるところを自由回答で質問したところ、「ここ何年間はしていないが、昔(の)気の合う同僚と。強制はせず、行きたい者同士でやれば良いと思う」「職場外での親睦が深まる」「無礼講とは言っても、根に持たれて後日大変な事態に」といったコメントが寄せられた。職場の人とのお花見は、ポジティブ・ネガティブ両方の想いが錯綜するイベントでもあるようだ。

ちなみに、職場関係者とのお花見を「予定している」「するかもしれない」人は2.6%であった。数字は小さいものの昨年の1.1%から2.4倍に増加した。職場のお花見についての考えは、「先輩・同僚・後輩などいろいろな人と楽しみたい」が約7割を占め、「職場のお花見は気が乗らない」(15.4%)、「先輩や上司とのお花見は気が乗らない」(7.7%)もそれなりに回答があるものの、楽しみな人が多数となった(図表5)。

お花見,予算
(図表5) 出典:インテージ

2024年のお花見は「安近短」がトレンドか?

本調査結果からは、予算が昨年とほぼ変動がない点と予定のお花見タイプから、遠出や宿泊は控えた「安近短(費用安く、距離近く、日程短い)」お花見人気が見てとれた。お花見をする人は今年も増える見込みで、職場の人とのお花見など、新型コロナウイルス禍には安全面を考慮して減っていたイベントも一定復調の兆しである。

新型コロナウイルス禍を経ての2024年春のお花見シーズン。数年にわたった自粛三昧の日常から解放され、桜の姿にホッと一息つきつつ、大盤振る舞いはせずとも自分なりのスタイル・楽しみ方で季節を堪能する年となりそうである。■

(La Caprese 編集部)

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