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飲食料品の値上げ品目数、2023年5月までの累計で2万5,106品目に。年後半にかけて「値上げ控え」が広がる可能性も――帝国データバンクの調査報告

値上げラッシュ,2023
(画像= photoB / 写真AC、La Caprese)

2023年5月31日、帝国データバンク(本社:東京都港区)は食品メーカー主要195社における価格改定動向に関する調査結果を発表した。

2023年における家庭用を中心とした飲食料品の値上げ品目数は、5月31日までの判明ベースで累計2万5,106品目にのぼった。昨年以降、調査対象195社のうち9割超の企業で1回以上の値上げが行われた。

値上げラッシュ,2023

(図1) 出典:帝国データバンク

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2023年6月の値上げ品目数は3,575品目

2023年6月単月の値上げ品目数は、加工食品と調味料を中心に3,575品目となった。前年6月(2,419品目)から約1.5倍の品目数となるなど、値上げはハイペースが続いている。6月以降については、まず7月は業務用小麦粉の値上げを受けたパン製品約1,500品目を中心に、2カ月連続で1カ月当たり3,000品目超の値上げとなる。8月以降も、乳価改定を受けて乳児用ミルクやチーズなどの乳製品で値上げが予定されている。

足元では、昨年発生した原材料価格の上昇分について価格転嫁が一巡した傾向もみられ、食品全体の急ピッチな値上げは今春を境にピークアウトするなど、値上げペースは年後半にかけて減速の兆しもみられる。ただし、電気・ガス代が新たな値上げ圧力として広がることから値上げは緩やかながらも断続的に続くとみられる。

「値上げ控え」年後半にかけて広がる可能性も

2023年の値上げは、鶏卵の供給不足といったイレギュラーに直面しながらも、昨年大幅に上昇した原材料コストの増加分についての価格転嫁が進んでいる。今後は、小型PETボトル製品など2023年中の値上げが表明されていない飲食料品の値上げ動向に加え、6月以降に引き上げられる電気代、人件費など、新たなコストアップ増への対応が注目される。2023年の値上げは、少なくとも今秋にかけて断続的に続き、7月にも予定ベースで年間3万品目を突破するとみられる。

一方で、足元では家計における食費の伸び率は鈍化傾向が目立つ。複数回にわたって一斉値上げが行われた市販用冷凍食品をはじめ、値上げ後に店頭売れ行きが伸び悩む食品もあり、度重なる値上げについていけない消費者の「値上げ疲れ」「生活防衛」志向が鮮明となっている。帝国データバンクは今回の調査報告で「150円を超える昨年以上の円安進行といった突発的なイレギュラーの発生を除けば、一部にとどまる価格据え置きや値下げといった『値上げ控え』の動きが、年後半にかけて広がる可能性もある」と指摘している。■

(La Caprese 編集部)

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