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ガムを噛む習慣のある高齢者は口腔機能のみならず、身体機能、認知機能が高いことが判明――ロッテと東京大学高齢社会総合研究機構の研究成果

オーラルフレイル,予防,食事
(画像= Canva、La Caprese)

「ガム噛み習慣のある高齢者は、口腔機能のみならず、身体機能、認知機能が高い」――。2024年1月23日、ロッテ(本社:東京都新宿区)と東京大学高齢社会総合研究機構の共同研究で、そのような成果が明らかになった。

先進国、特に超高齢社会を迎えている日本では、健康寿命の重要性が高まっている。口腔機能は、健康寿命と関連性が高いことが明らかになっており、「オーラルフレイル(口腔機能の些細な衰え)」の人は、2年後のフレイル・サルコペニアのリスクが2倍以上であること、4年後の要介護・死亡のリスクが2倍以上となることが明らかとなっている(※1)。口腔機能の維持、改善については口腔体操があげられるが、口腔体操を習慣化することは難しいという問題があった。そこで、本研究では新たに習慣化しやすい口腔機能のトレーニングとして、ガム噛み習慣の健康効果を確認すべく、横断的な検証を行った。

なお、本研究成果は国際科学誌「Geriatrics & Gerontology International (2024年)」に掲載された。本研究の概要は以下の通りである。

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ガムを噛む習慣のある高齢者は口腔機能のみならず、身体機能、認知機能が高い

研究方法

▽対象:自立高齢者1,474名(横断的研究)
▽内容:1週間のガム咀嚼時間を聞き、30分/週以上ガムを噛んでいる人をガム噛み習慣群として、非ガム噛み習慣群と様々な健康状態について比較した。

研究結果

地域在住自立高齢者において、ガム噛み習慣群では咬合力、咀嚼能力などの口腔機能が有意に高く、オーラルフレイルの有症率も有意に低かった。また、口腔機能のみならず、握力やバランス能力(開眼片足立ち)、通常歩行速度などの身体能力も有意に高く、フレイルの判定にも用いられる基本チェックリストの該当数も少ないなど、身体機能も高く、認知機能テストであるMMSEの点数も有意に高かった。この結果から、ガム噛み習慣を促進することはオーラルフレイル予防や多面的なフレイル予防のための健康増進に役立つ可能性が考えられる。

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出典:ロッテ

本研究では、ガム噛み習慣は、口腔機能や身体機能の維持に役に立つことが明らかになった。この機会に、日常にガムを噛むことを取り入れてみてはいかがだろうか。■

参考文献

(※1) Tanaka T, Takahashi K, Hirano H et al. Oral frailty as a risk factor for physical frailty and mortality in community-dwelling elderly. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2018; 73: 1661–1667..

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