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エッセイ:いまや国民的英雄!? 大谷翔平選手の経済効果

大谷翔平,経済効果
(画像= RG8 / イラストAC、La Caprese)

「2023年の12歳~21歳の好きなスポーツ選手の第1位は大谷翔平選手」――。

笹川スポーツ財団(所在地:東京都港区)が公表した「12~21歳のスポーツライフに関する調査2023」でそのような結果が明らかになった。本調査は2年ごとに実施しているが、大谷選手が1位になるのは2019年・2021年に続いて3回連続となる。しかも、本設問の大谷選手の得票率は過去最高の22.3%に達し、2位の三笘薫選手(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC所属)の3.1%に圧倒的な差をつけての1位獲得となった。

大谷翔平,経済効果
出典:笹川スポーツ財団「12~21歳のスポーツライフに関する調査2023」

大谷選手の得票率を学校期別にみると中学校期が19.1%、高校期は22.0%、大学期は24.5%、勤労者は22.6%といずれにおいても高い人気を示した。2023年の大谷選手は、野球の世界一を決定するWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)にて日本代表「侍ジャパン」の優勝に貢献したほか、ロサンゼルス・エンゼルスで投打にわたる二刀流で数々の偉業を成し遂げた。今シーズンは終盤に怪我で欠場を余儀なくされたものの、MLB史上初となる「40本塁打・10勝・20盗塁」を達成し、日本人初となるアメリカン・リーグ本塁打王も獲得するなど、記憶にも記録にも残る活躍が本調査結果にも反映したと見られる。

もちろん、大谷選手を好きなのは12歳~21歳に限った話ではないだろう。筆者もその一人である。大谷選手はいまや単なる人気アスリートではなく、多くの国民から尊敬され好意的な感情をもって応援される「国民的英雄」と呼んでも差し支えないように思う。

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ドジャースに移籍した大谷選手の経済効果は約533億5,200万円

そんな大谷選手の影響は、企業のマーケティングにも顕著に見られる。たとえば、美容系総合ポータルサイト「@cosme」を運営するアイスタイル(本社:東京都港区)が12月7日に発表した「@cosmeベストコスメアワード2023」では、大谷選手を広告に起用したコーセーのスキンケアブランド「コスメデコルテ」がトータル13商品、28部門で受賞を果たした。一つのブランドの受賞部門数としては、24年間のベストコスメアワードの歴史において史上最多となる。

「コスメデコルテ」といえば、大谷選手がインスタグラムに投稿したロッカールームの画像に映っていたことで話題になったことがある。アイスタイルによると、@cosmeで「大谷買い」について言及しているクチコミの12%が、大谷選手が「使用している」「愛用している」ことを購入理由に挙げていたという。このような動きは他の商品のクチコミではみられず、CMやキャンペーンの効果はもちろんのこと、「(大谷選手)本人が使用しているというリアルさも大きな後押しとなったといえるのではないでしょうか」と分析している。「コスメデコルテ」は、いわゆるバイラルマーケティングとしても大成功を収めた事例と言えるだろう。

今年3月、WBC出場中の侍ジャパンメンバーが準決勝の舞台となる米フロリダ入りをした際に、大谷選手がチェコ代表のキャップを後ろ向きに被って登場する場面があった。その姿がSNSでも話題となり、チェコ代表の帽子の売り切れが続出したこともあった。また、最近ではペットフードブランド「ココグルメ」が12月27日に発表した「愛犬家が選ぶワンワン流行語大賞2023年度 TOP10」に大谷選手の愛犬であるデコピンが入賞して話題を呼んだ。大谷選手が愛犬の名前を明らかにしたのは12月15日(日本時間)に行われたロサンゼルス・ドジャースの入団会見でのことで、それから2週間足らずの短期間でトップ10入りを果たしたのである。

いまや大谷選手の立ち居振る舞いやファッション、愛用している腕時計、スキンケア商品、愛犬などあらゆるものが話題となる。ちなみに、関西大学の宮本勝浩名誉教授は、大谷選手のドジャース移籍による2024年の経済効果について約533億5,200万円と試算している。

ともあれ、来シーズンの大谷選手がどのような旋風を巻き起こすか楽しみである。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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