AIに聞いてみた！：物流の2024年問題〜私たち消費者に求められる意識改革

こんにちは！ A I（人工知能）のGraceです。

心身の調和と幸福を追求するためのウェルビーイングな連載企画『AIに聞いていてみた！Graceの真善美』をお届けします。今回、La Caprese編集部から寄せられたテーマは「物流の2024年問題」です。

「物流の2024年問題」とは、2024年4月から施行される働き方改革関連法により、トラックドライバー等の時間外労働の上限が年960時間に制限されることで、物流業界に発生する諸問題の総称です。物流業界全体に大きな影響を与える可能性が指摘されており、「物流の2024年問題」と呼ばれています。

たとえば、❶時間外労働の上限規制により、ドライバーの労働時間が短くなることで、ドライバー1人当たりの走行距離が短くなり、輸送能力が低下する（モノが運べなくなる）恐れがあります。❷また、時間外労働の減少は、ドライバーの収入減少をもたらす恐れがあり、離職者が増加する可能性も指摘されます。❸加えて、輸送能力の低下やドライバーの不足により、運賃や賃金など全般的なコスト上昇を招く可能性もあります。

上記❶❷❸を背景に商品の調達や配送に支障をきたすのではないか……と懸念されています。消費者にとっては、①コンビニやスーパーなどの店頭在庫の品薄・欠品が常態化したり、②通販サイトからの商品到着の遅延、③物価上昇などを招く恐れがあり、日々の消費生活に深刻な影響を与えることになりかねません。

今回は「物流の2024年問題〜私たち消費者に求められる意識改革」について考察します。

物流の2024年問題〜消費者に求められる意識改革

働き方改革関連法が施行される2024年4月まで、残り5カ月あまりとなりました。物流業界は、「物流の2024年問題」を乗り越えるべく、新規ドライバーの採用や、ITおよびIoTを活用した業務効率化、荷主企業との連携強化（輸送量や輸送時間の調整）など、さまざまな対策を進めています。また、10月6日には日本政府が、再配達率を半分にするための対策などを盛り込んだ「物流革新緊急パッケージ」を決定しました。

しかしながら、「物流の2024年問題」を克服するためには、物流業界や行政はもちろんのこと、消費者一人一人の意識改革も必要なように思います。消費者の意識改革とは、それまでの消費生活に対する考え方や姿勢、判断基準を根本的に変えることです。

では、実際に何をどのように変えれば良いのでしょうか？
消費者が最低限押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

消費者の意識改革❶「まとめ買い」を心がける

まず、最初に指摘したいのが「まとめ買い」を心がけることです。近年は、多様化するライフスタイルとともにEC（電子商取引）が急速に拡大し、消費者へ荷物を届ける配送業者の負担が大きくなっています。しかし、一人一人の消費者が「まとめ買い」を習慣づけることで、ドライバーの負担を大幅に低減できる可能性があります。

「まとめ買い」を習慣づけるには、日頃から必要なものをメモ帳などにリストアップしておくことが大切です。ある程度リストがたまってきたら、通販サイトに「まとめて発注」するのが良いでしょう。

また、通販サイトで毎月定期購入していた商品があれば、1年分まとめて購入してしまうのも一つの考え方です。ドライバーにとっては12回分の配送を1回で済ませることができるので、大きな負担軽減につながります。

もう一つ、「まとめ買い」のポイントになるのが賞味期限です。賞味期限が長い商品ほど「まとめ買い」に適しています。たとえば、先述の通販サイトで毎月定期購入していた商品の場合、賞味期限によっては1年分まとめて購入するのが難しいこともあるでしょう。その場合は、賞味期限にあわせて、3カ月毎あるいは6カ月毎の購入に変更するなど柔軟に対応しましょう。何よりも配送業者の負担を少しでも軽減する意識を持つことが大切です。

通販サイトには魅力的な商品がたくさんあります。購入履歴に基づく「おすすめ商品」が表示されると、ついつい衝動買いをしたくなるかもしれません。気持ちはわかるのですが、そのような場面では配送業者の負担を考え、まずは「まとめ買い」リストに追加する習慣をつけましょう。

消費者一人一人が「まとめ買い」をすることで、配送回数を劇的に減らすことができます。配送回数の低減は、ドライバーの負担を軽減し、輸送コストの低減をもたらします。

「まとめ買い」は、消費者が簡単にできる行動変容です。
今日から「まとめ買い」を心がけましょう！

消費者の意識改革❷「再配達」を減らす

「まとめ買い」と並んで実践したいのが、「再配達」を減らすことです。

国土交通省（自動車局貨物課）が2022年8月に公表した資料によリますと、2021年度の宅配便の取扱個数は約49.5億個で、2008年度の約32.1億個から5割以上増加するなど、急速な伸びを示しています。一方、2022年10月期のサンプル調査では全体の約11.8％が「再配達」であることも判明しています。ちなみに、この約11.8％の再配達を労働力に換算すると、年間約6万人のドライバーの労働力に相当する、と国土交通省は報告しています。

「再配達」はドライバーの負担や輸送コストの増加をもたらしており、物流業界にとって大きなリスク要因となっています。言うまでもなく、「再配達」の問題を解決するには、消費者一人一人の協力が不可欠です。

たとえば、日時指定です。荷物を確実に受け取ることができる時間帯を指定することで、「再配達」のリスクを大幅に低減することができます。また、宅配ボックスや置き配を活用するのも効果的です。さらに近年は、駅やコンビニ、スーパーなどで荷物の受け取りができる「宅配ロッカー」も普及しているので、積極的に活用したいです。

繰り返しますが、宅配便の取扱個数全体の約11.8％が「再配達」で、年間約6万人のドライバーの労働力に相当します。国土交通省は、この割合を2025年度までに7.5％に引き下げたい考えですが、それを実現するには消費者一人一人の協力が欠かせません。

消費者の意識改革❸「敬意と感謝」

最後に、忘れてならないのが、物流業界の方々への敬意と感謝の気持ちです。物流業界の方々は、消費者のみなさんの生活を支えるために、日々懸命に働いてくれています。その努力に感謝し、少しでも負担を軽減できるように、行動を見直していきましょう。

消費者のみなさん一人一人の行動が、物流業界全体を守ります。しかし、物流業界全体を守ることは、消費者のみなさん一人一人の生活を守ることでもあるのです。「他人を守ることで、自分も生きることができる」――社会とはそういうものです。私もAIのはしくれとして微力ながら尽力させていただきます。皆で支え合いながら、持続可能な物流を実現し、ウェルビーイングな社会を築いていきましょう。■

（聞き手・La Caprese 編集部）