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トレジャー・ファクトリーの株価が上場来高値を更新した理由

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(画像= La Caprese)

東証プライムに上場するトレジャー・ファクトリーは、関東圏および関西圏を中心にグループ全体で227店舗(2022年8月末時点)のリユースショップを展開する企業である。総合リユースショップの「トレジャーファクトリー」を軸に、服飾専門リユースショップの「トレファクスタイル」、スポーツ・アウトドア専門リユースショップ「トレファクスポーツ」、ブランド専門リユースショップ「ブランドコレクト」など多様な専門業態のリユースショップを運営している。また、リユース一体型引越サービスの「トレファク引越」や不動産と買取の一括サービス「トレファク不動産」、終活・生前整理サービスの「Regacy(レガシー)」など独自のサービスも展開している。

注目されるのは株価動向だ。トレジャー・ファクトリーの株価は2022年12月23日に一時2,639円まで買われ、上場来高値を更新した。今年1月21日につけた年初来安値の758円から11カ月で248.2%の上昇である。今年は、ウクライナ戦争の長期化等を背景とした原燃料価格の高騰や、為替市場の急速な円安進行等を受けて、日本国内でも光熱費や生活必需品などの価格上昇に見舞われた。こうした中、廉価な中古品の需要が高まっている。株式市場では生活防衛の観点から「リユース関連銘柄」に注目する動きもみられ、トレジャー・ファクトリーの株価にも追い風となっている側面もあるようだ。

今回はトレジャー・ファクトリーの業績をみてみよう。

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トレジャー・ファクトリー、営業利益は545.7%の増加

トレジャー・ファクトリーが公表した2023年2月期・第2四半期(2022年3月1日~2022年8月31日)の連結業績は、売上高が前年同期に比べて19.5%増の128億2,500万円、本業の利益を示す営業利益は同545.7%増の10億200万円、経常利益は同469.6%増の10億3,200万円、純利益は同1,372.4%増の6億6,500万円となり、過去最高利益を達成した。

同期の日本国内の情勢は、新型コロナウイルス禍の行動制限が解除されたこともあり人流は回復基調となったものの、急激な円安進行や物価上昇などへの懸念から、依然として不透明な状況が続いた。そうした中、社会のSDGs(持続可能な開発目標)推進の動きとリユースへの意識の高まりを背景に、トレジャー・ファクトリーの業績も大幅な増収増益を記録し、過去最高利益を達成した。

主力の「リユース事業」のカテゴリー別では、衣料が外出需要の回復や気温が高く推移したことで前年同期比22.5%増となったほか、生活雑貨も同25.7%増と急増した。電化製品は、猛暑による需要増加や新品の供給不足の影響もありエアコンなどの夏物家電の販売が進み、前年同期比18.1%増となった。また、金価格の高騰の影響などもあり、服飾雑貨は前年同期比20.0%増となった。さらに、新型コロナウイルス禍で新たに取り扱いを強化したホビー用品も同9.2%増と高い伸びを記録した。一方、自社ECサイトは出品業務の効率化を進めたことで、連結のEC販売額が前年同期比20.9%増となった。

仕入では当期連結商品仕入高が前年同期比19.9%増、単体の仕入は同18.0%増となった。また、単体の買取チャネル別では、持込買取が同18.7%増と堅調に推移、店舗以外の買取チャネルでも宅配買取が同27.8%と好調だった。さらに、出張買取も同14.0%増と引き続き好調に推移した。

なお、同期の出店は単体で総合リユース業態を4店、服飾専門リユース業態を3店の合計7店出店した。出店地域は関東4店、関西2店、中部1店となった。その結果、同期末における店舗数は、単体で直営店156店、FC店4店の合計160店、グループ全体で合計227店となった。

リユース需要が好調、既存店売上高は15カ月連続のプラス

10月12日、トレジャー・ファクトリーは、2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)の連結業績予想について、売上高で前期比13.7%増の265億1,400万円、本業の利益を示す営業利益で同95.2%増の19億4,300万円、経常利益で同87.6%増の19億7,700万円、純利益で同73.4%増の12億2,000万円となる見通しを示した。これは従来予想(2022年7月13日公表)に比べて売上高で1.8%、営業利益で38.8%、経常利益で38.3%、純利益で37.7%の大幅な上方修正である。

トレジャー・ファクトリーは上方修正の理由について、(1)リユースへの需要が引き続き強く推移し、既存店の売上も高い伸びを示したこと、(2)増収効果により販管費率が低下し、経常利益率は前年同期から大きく改善、営業利益、経常利益はともに 10 億円を超え、計画を大きく上回る進捗となったことを挙げている。

なお、トレジャー・ファクトリーが12月8日に発表した月次売上概況(単体)によると、2022年11月の既存店売上高は前年同月に比べて9.5%増と15カ月連続のプラスを記録した。同月の気温は例年よりも高く推移したものの、ライトアウターやニットなどの秋冬衣料の販売が堅調に推移したこと、加えてブランド品や生活家電、生活雑貨も好調に推移したことなどから、販売が前年を超える結果となった。リユースへの需要は引き続き好調だ。

トレジャー・ファクトリーは、2023年1月12日に2023年2月期・第3四半期決算の発表を予定している。ここでどのような業績が示されるのか、そして通期見通しのさらなる上方修正があるのか注目しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:生活防衛銘柄
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