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森下仁丹、営業利益は578.2%増。株価は昨年来高値、通期計画を大幅に超過

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(画像= La Caprese)

2023年2月9日、東京証券取引所で森下仁丹の株価が一時2,200円まで買われ、昨年来の高値を更新する場面がみられた。2022年5月6日の安値1,863円から9カ月で18.1%の上昇である。

森下仁丹といえば、軍服のような制服に身を包んだ人物を描いた商標(大礼服マーク)で知られるが、この人物は軍人ではなく、外交官である。同社の公式サイトによると、この商標には「健康を世界に運ぶ外交官に」という創業者の願いが込められている、と紹介されている。森下仁丹は、1893年(明治26年)創業の歴史ある医薬品製造企業だ。

後段で述べる通り、先週2月9日発表の2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績が大幅な増収増益となり、営業利益、経常利益、純利益がそれぞれ通期計画を大幅に超過したことが株価にも追い風となった。

今回は森下仁丹の業績をみてみよう。

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森下仁丹、2023年3月期・第3四半期は大幅な増収増益

先週2月9日、森下仁丹は2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期に比べて20.3%増加の83億6,100万円、本業の利益を示す営業利益は同578.2%増の5億4,900万円、経常利益は同455.2%増の5億8,700万円、純利益は同226.9%増の4億4,100万円と大幅な増収増益となった。

森下仁丹は、かねてより参入していたジェネリック医薬品の分野で、2022年2月に日本国内における製造販売承認を取得した高脂血症用剤(一般名:オメガ-3脂肪酸エチル)が2022年6月に薬価収載され販売を開始した。また、森下仁丹の健康理念のもと、長年蓄積してきた原料調達のノウハウを駆使し、開発した独自の機能性素材であるローズヒップエキスや、銀粒仁丹に用いたコーティング技術を発展・応用させたシームレスカプセル製造技術を駆使したフレーバーカプセルの販売も堅調に推移した。

セグメント別では、「ヘルスケア事業」の売上高は前年同期に比べて17.9%増加の63億1,300万円、セグメント利益は同10.6%増加の1億4,400万円となった。「ヘルスケア事業」では、前述の高脂血症用剤(一般名:オメガ-3脂肪酸エチル)の販売を開始、ジェネリック医薬品の安定供給を目指した。また、「ビフィーナ®」の販売も堅調に推移したほか、独自の機能性素材であるローズヒップエキスでは、採用されたアイテムが増えたこともあり、売上高が増加した。

一方、「カプセル受託事業」のセグメントの売上高は前年同期に比べて28.5%増加の20億4,500万円、セグメント利益は4億200万円(前年同期は5,100万円のセグメント損失)となった。「カプセル受託事業」では、フレーバーカプセルの販売が好調に推移した。また、独自のシームレスカプセル技術を用いた化粧品カプセルの開発に成功した。シームレスカプセル技術は、今後、日本のみならず国外においても展開していく可能性があるという。

また、「その他」のセグメントについては、売上高が前年同期に比べて36.2%増加の200万円、セグメント利益は同86.4%増の200万円となった。

通期見通しは据え置きだが…

森下仁丹は、2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比4.6%増加の100億円、本業の利益を示す営業利益で同6.5減の2億8,000万円、経常利益で同6.1%減の3億2,000万円、純利益で同16.8%減の2億3,600万円と従来見通し(2022年5月11日公表)を据え置くことを明らかにした。

森下仁丹はその理由について、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大及びウクライナ情勢による事業への影響が不透明」であることを挙げている。もっとも、前述の通り、2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績において、すでに営業利益、経常利益、純利益が通期計画を大幅に超過しており、今後業績予想が見直される可能性もないとはいえない。

引き続き、森下仁丹のIR情報を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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