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雪印メグミルク、純利益は167%増。株価は年初来高値、中期経営計画を推進

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(画像= La Caprese)

2023年8月25日、東京証券取引所で雪印メグミルクの株価が一時2,428円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年2月10日の安値1,700円から6カ月半で42.8%の上昇である。

雪印メグミルクは、牛乳や乳製品および食品の製造・販売等を手がける企業である。創業当時に製造を開始したバターをはじめ、マーガリン類やチーズを中心とした「乳製品事業」のほか、牛乳・乳飲料およびヨーグルト、果汁・野菜・清涼飲料、デザートなど多様な商品を手がける「市乳事業」、ミルクの持つ価値の研究成果を商品化した粉ミルクや機能性食品を中心する「ニュートリション事業」、酪農生産に関わる「飼料・種苗事業」等を展開している。

後段で述べる通り、雪印メグミルクが8月9日に公表した2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績で純利益が前年同期比167.0%増と大幅な増益となったことが、株価にも追い風となっているようだ。今回は雪印メグミルクの話題をお届けしよう。

雪印メグミルク、純利益は167%増

8月9日、雪印メグミルクは2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を公表した。同期の売上高は前年同期比6.3%増の1,501億8,500万円、本業の利益を示す営業利益は同32.1%増の52億5,900万円、経常利益は同26.1%増の58億8,700万円、純利益は同167.0%増の35億8,800万円と大幅な増益となった。

主要セグメントの概況は以下の通りである。
なお、セグメントごとの売上高は、外部顧客に対する金額を記載している。

乳製品

乳製品のセグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)や油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれている。

同期の売上高は前年同期比5.9%増の616億4,500万円、営業利益は同2.3%増の28億9,500万円となった。

バターは、価格改定の影響もあり物量は前年を下回ったものの、金額では前年を上回った。油脂も、市場の伸長に加え、販売拡大に積極的に取り組んだことから前年を上回った。チーズについても、「粉チーズ」や「ベビーチーズ」などのプロセスチーズが好調に推移した結果、チーズ全体で前年を上回った。一方、機能性食品は、新型コロナウイルス禍の制約が緩和され、人流回復により定期購入型通販ビジネスが伸び悩んだものの、粉ミルク等は堅調に推移し、ニュートリション事業全体では微増となった。

なお、同期は価格改定による販売単価のアップも影響して、営業増益となった。

飲料・デザート類

飲料・デザート類のセグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれている。

同期の売上高は前年同期比7.1%増の646億4,600万円、営業利益は同126.8%増の11億2,800万円となった。

飲料は、機能性表示食品の「MBPドリンク」、大容量タイプの「毎日骨太MBP」、「すっきりCa鉄」「雪印コーヒー」等が堅調に推移した。ヨーグルトは、「牧場の朝ヨーグルト」や「ナチュレ恵megumi」等のファミリーユース商品を中心に、4月の価格改定後も底堅く推移した。「ガセリ菌ヨーグルト」群は市場で脂肪対策訴求商品の増加等もある中、前年並みで推移し、ヨーグルト全体では前年を上回った。デザートは、主力の「CREAM SWEETS」シリーズ等の販売が好調だった。

なお、同期は価格改定による販売単価のアップも影響して、営業増益となった。

飼料・種苗

飼料・種苗のセグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売、造園事業が含まれている。同期の売上高は前年同期比2.3%増の141億6,600万円、営業利益は同26.5%増の5億3,400万円となった。同期は配合飼料販売価格の上昇などによりセグメント全体の売上高が前年を上回った。また、利益面では粗利益の増加や経費の減少などにより営業増益となった。

その他

その他のセグメントには共同配送センター事業、不動産賃貸事業等が含まれている。同期の売上高は前年同期比8.8%増の97億2,600万円、営業利益は同225.7%増の6億7,000万円となった。

「雪印メグミルクグループ 中期経営計画2025」を推進

8月9日、雪印メグミルクは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比5.4%増の6,160億円、本業の利益を示す営業利益で同7.2%増の140億円、経常利益で同3.6%増の150億円、純利益で同4.1%増の95億円と従来予想(5月15日公表)を据え置いた。

ちなみに、雪印メグミルクは❶新たな成長のタネづくり、❷基盤活用による物量の拡大、❸国内酪農生産基盤の強化・支援に向けた取り組み……を事業戦略の3つの柱とする「雪印メグミルクグループ 中期経営計画2025」をスタートしている。その初年度となる2023年度は、すべてのバリューチェーンにおける生産性の向上とコスト構造の見直し、および適切な価格形成による「コストアップへの対応」、環境変化に対応した「トップラインの維持・拡大」、ならびにアジアを中心とした海外やECビジネス等の「新たな成長のタネづくりとその取組みのスタート」を重要取組事項と位置付け、積極的に推進している。

引き続き、中期経営計画の進捗状況とともに注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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