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スキンケア製品の美肌効果を高める「CDH」ってなんだ?――ファンケルの研究成果

炭酸,美肌
(画像= TY_Photo / 写真AC、La Caprese)

2023年2月20日、ファンケル(本社:神奈川県横浜市)は「CDH(炭酸ガスハイドレート ※1)を化粧水に溶解して使用することで、美肌効果(保湿、弾力改善、血行不良によるクマの改善)を高めることを確認した」との研究成果を発表した。

CDHは、日本液炭(本社:東京都港区)が開発した「氷粒の中に二酸化炭素が高濃度で包含された物質」である。このCDHを水に入れると穏やかに発泡し、直径1マイクロメートル未満の微細な炭酸ガスの泡を生成するため、炭酸ガスによる高い血流促進効果が期待されていた。ファンケルは、この血流促進効果に着目し、スキンケア製品などの美容商材へCDHを応用することで、美肌効果を高めるなど、今まで以上に効果実感が得られる開発につながると考えて研究に取り組んできた。

ファンケルは、本研究で得た知見を今後のスキンケア製品の開発、カウンセリングサービス等に応用する方針である。以下はその研究成果の概要である。

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CDHがスキンケア製品の美肌効果を高める!

CDH配合で肌の水分量および弾力変化率の改善傾向を確認

本研究では、まず、30代から40代の女性6人を対象にCDH配合と無配合の化粧水を用い、それぞれ半顔に1日2回塗布する連用試験を行なった。連用試験開始前と連用1カ月目の頬部の肌を、水分量はコルネオメーター(※2)で、弾力性はキュートメーター(※3)で測定した。

その結果、試験前の基準を100%とし、肌の水分量および弾力の変化率を比較したところ、連用1カ月目でCDH配合化粧水はCDH無配合化粧水と比較して明らかに改善傾向が確認できた(図1、図2)。

炭酸,美肌

(図1、図2) 出典:ファンケル

血行促進効果を確認

次に、CDHの血行促進効果を検証するため、CDH配合と無配合の化粧水を用いて血行促進効果についてVISIA Evolution(※4)によるヘモグロビン画像解析を実施した。その結果、CDH配合の化粧水を塗布した部位の血行は、塗布20分後に促進されることが確認された(図3)。

炭酸,美肌
炭酸,美肌

(図3) 出典:ファンケル

以上の結果より、CDH配合化粧水は肌のスキンケア効果や、血行不良による目の下のクマの改善が期待できることが判明した。

ファンケルは、本研究で得た知見を今後のスキンケア製品の開発、カウンセリングサービス等に応用する方針である。同社のさらなる研究開発を期待したい。■

(La Caprese 編集部)

用語説明

(※1)CDH:炭酸ガスハイドレートの略称であり、氷粒の中に二酸化炭素が高濃度で包含された物質。
(※2)コルネオメーター:静電容量法により皮膚の角層に含まれる水分量を測定する装置。
(※3)キュートメーター:皮膚の粘弾性測定装置。皮膚を吸引し、解除後の皮膚の変位から弾力などを測定する。
(※4)VISIA Evolution:顔の画像を撮影し、肌の赤みや毛穴、シミなどを画像解析する測定機器。

特集:美肌を科学する
美肌,科学的根拠
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