2023年12月20日、ダイハツ工業(本社:大阪府池田市、以下ダイハツ)は製造する64車種・3エンジンの認証試験において、174個の不正が発覚したと公表した。それに伴い、同日より国内外で生産中のすべてのダイハツ開発車種を、一旦出荷停止とすると発表した。世界的自動車メーカー・トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市)の子会社でもあり、同社やSUBARU(本社:東京都渋谷区)にOEM供給していた車種についても不正が発覚していることから、ダイハツとの取引を通じてものづくりを支える国内のサプライチェーン企業に与える影響が懸念される。
そこで、帝国データバンク(本社:東京都港区)では保有する「商流圏~売上高依存度推計データ」をもとに、ダイハツに対し、部品などのモノやサービスを提供する周辺産業(商流圏)の特徴や取引規模を、2023年時点のデータを基準に推計した。概要は以下の通りである。
帝国データバンク「ダイハツ工業のサプライチェーン調査」
都道府県別の分析~愛知、大阪に多く、工場のある滋賀、大分も影響大
サプライチェーン企業の所在地を都道府県別に見ると、トヨタグループのお膝元で多くの自動車関連産業が集積する「愛知県」が最も多く、2,084社。派生する売上高は推計5,674億円に上る。次いで、本社(池田)工場のある「大阪府」が1,043社・2,607億円、「東京都」562社・2,006億円となった。
また、社数は多くないものの滋賀(竜王)工場のある「滋賀県」や、子会社であるダイハツ九州が拠点を置く「大分県」では、県内企業に派生する売上高が大きく、「滋賀県」187社・903億円、「大分県」89社・4,800億円となっている。
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業種別の分析~自動車部品製造など、製造業が上位
業種細分類別に見ると、サプライチェーンで最も多いのは「自動車部分品・付属品製造業」で630社、次いで「金型・同部分品・付属品製造業」の468社など製造業が上位を占める。
ただ、部品等を搬送する「一般貨物自動車運送」(408社)や「労働者派遣業」(187社)、車両の電子化が進む中で「受託開発ソフトウェア業」(147社)なども多く、国内有数の産業でもある自動車産業だけあって、業種の裾野は広い。■