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藤田観光、業績が急回復。株価は年初来高値、インバウンド需要などが追い風に

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(画像= zenfusui / 写真AC、La Caprese)

2023年8月14日、東京証券取引所で藤田観光の株価が一時4,940円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月5日の安値2,842円から7カ月余りで73.8%の上昇である。

藤田観光は、ホテルや婚礼・宴会施設およびレジャー施設等を運営する企業である。ワシントンホテルやホテルグレイスリー、ホテル椿山荘東京、箱根小涌園のほか、ゴルフ場、グランピング施設、飲食業など、多様なニーズに対応した事業を展開している。

後段で述べる通り、藤田観光が8月10日に公表した①2023年12月期・第2四半期(2023年1月1日~2023年6月30日)の連結業績で営業損益・経常損益・純損益が黒字に転換するなどV字回復を示したことに加え、②2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想を大幅に上方修正した…ことが株価にも追い風となった。

今回は藤田観光の話題をお届けしよう。

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藤田観光、営業損益・経常損益・純損益が黒字転換

8月10日、藤田観光は2023年12月期・第2四半期(2023年1月1日~2023年6月30日)の連結業績を公表した。同期の売上高は前年同期比59.3%増の291億6,200万円、本業の利益を示す営業利益は19億1,200万円(前年同期は38億400万円の営業損失)、経常利益は25億400万円(前年同期は35億1,200万円の経常損失)、純利益は30億7,300万円(前年同期は25億5,800万円の純損失)となった。

日本政府観光局(JNTO)によると2023年1~6月のインバウンド(訪日外国人客)は1,000万人の大台を超え、コロナ前の2019年同期比で64.4%まで回復した。また、国内においても新型コロナウイルス禍の行動制限緩和を受けて観光需要の回復が継続した。こうした中、藤田観光はインバウンドおよび国内観光需要を確実に捉え各事業とも宿泊部門においてADR(客室単価)、稼働率が前年同期比で大きく伸長した。また、婚礼部門や宴会部門、料飲部門でも利用人員が増加した。その結果、上記の通り営業損益・経常損益・純損益が黒字に転換し、V字回復を示した。

セグメント別の状況は以下の通りである。

WHG事業

WHG事業は、東京・関西を中心にインバウンド宿泊者数が増加した。特に旗艦施設の「新宿ワシントンホテル」および「ホテルグレイスリー新宿」をはじめとした東京都内施設のADRが大きく上昇し、同セグメント全体の業績に寄与した。

ラグジュアリー&バンケット事業

ラグジュアリー&バンケット事業は、「ホテル椿山荘東京」が全部門で増収となった。宿泊部門ではスイートルームの拡販施策が好調に推移したことなどにより、ADRが上昇した。宴会部門では外国人招待会などの法人利用が好調だった。

リゾート事業

リゾート事業は、「箱根小涌園 天悠」において、顧客のインバウンド比率が高まったことにより平日利用が増加し、稼働率が上昇した。加えて、料理をグレードアップした高付加価値商品の販売等、単価向上施策を継続実施した。また、「箱根小涌園ユネッサン」でもアニメや映画とのタイアップ企画の効果などにより入場人員が前年から増加するなど好調に推移した。

通期予想を上方修正。宿泊需要の回復継続を想定

8月10日、藤田観光は2023年12月期・通期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比41.7%増の620億円、本業の利益を示す営業利益で48億円(前期は40億4,800万円の営業損失)、経常利益で53億円(前期は44億6,100万円の経常損失)、純利益で59億円(前期は57億8,900万円の純損失)となる見通しを示した。これは従来予想(5月11日発表)に比べて、売上高でプラス2.0%、営業利益でプラス29.7%、経常利益でプラス51.4%、純利益でプラス43.9%の上方修正である。

藤田観光は、下期はラグジュアリー&バンケット事業において婚礼部門と宴会部門で利用人員減が見込まれるものの、その一方で、WHG事業においては宿泊需要の回復が継続しADRの上昇が見込まれることから連結全体での増収増益を予想。それに伴って、通期の連結業績予想を上方修正したとしている。

引き続き、藤田観光の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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