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ミズノ、過去最高の業績。株価は年初来高値、野球など競技スポーツ品の販売好調

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(画像= Canva、La Caprese)

2023年8月10日、東京証券取引所でミズノの株価が一時4,355円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月16日の安値2,634円から7カ月足らずで65.3%の上昇である。

ミズノは、日本の大手総合スポーツ用品メーカーである。その源流は、1906年に大阪府大阪市で創業した水野兄弟商店にまでさかのぼる。創業117年の老舗(しにせ)であり、幅広い種目のスポーツ用品やウェアを手掛けている。特に野球用品に関しては、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、日本代表「侍ジャパン」のオフィシャルサプライヤー契約を締結しているほか、レプリカユニホームなど公式グッズも販売しており、今年3月には株式市場でも関連銘柄として物色される場面も見られた。

最近では、ミズノが8月8日に発表した2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績が大幅な増収増益となり、売上高・営業利益・経常利益・純利益で同期としては過去最高を記録した(詳細は後述)ことが株価にも刺激材料となった。

今回はミズノの話題をお届けしよう。

売上高・営業利益・経常利益・純利益で過去最高

8月8日、ミズノは2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比23.8%増の571億7,600万円、本業の利益を示す営業利益は同40.8%増の53億4,400万円、経常利益は同39.8%増の63億2,800万円、純利益は同33.2%増の46億7,000万円と、いずれも第1四半期としては過去最高を更新した。

同期は、国内において幅広い商品群で販売が好調に推移したほか、海外においてもゴルフ品が引き続き堅調に推移したことに加え、サッカー等の競技スポーツ品の販売も伸長した。

セグメント別(地域別)の状況は以下の通りである。

日本

日本の売上高は前年同期比9.6%増の325億5,000万円、営業利益は同39.0%増の25億2,300万円と増収増益となった。同期は、野球やサッカー、バレーボールなど競技スポーツ品の販売が好調に推移したことに加え、非スポーツ事業であるワークビジネス事業も好調に推移した。

欧州

欧州の売上高は前年同期比51.3%増の66億700万円、営業利益は同58.5%増の1億9,400万円と大幅な増収増益となった。同期はサプライチェーン制約の影響を受けた前年同期から大きく回復する結果となった。主要商材ではランニングシューズやゴルフ品の販売が堅調に推移したほか、バレーボールやハンドボール等のインドアスポーツ品、事業拡大に注力しているサッカー品の販売も拡大した。

米州

米州の売上高は前年同期比46.7%増の104億4,700万円、営業利益は同54.4%増の15億9,200万円と大幅な増収増益となった。同期は、金融引き締めに伴う金利の上昇やインフレの進行といった懸念材料が見られたものの、引き続きゴルフ品の販売が堅調に推移したほか、野球やバレーボールなどの競技スポーツ品も販売を伸ばした。

アジア・オセアニア

アジア・オセアニアの売上高は前年同期比50.9%増の75億7,100万円、営業利益は同62.2%増の10億8,200万円と大幅な増収増益となった。同期は、引き続きゴルフ品が堅調に推移したことに加え、事業拡大に注力しているサッカー品の販売が韓国や東南アジア地域で伸長した。また、ランニングシューズも前年同期に影響を受けたサプライチェーン制約の影響から回復したこともあり、業績が拡大した。

ミズノ、通期も過去最高の業績へ

8月8日、ミズノは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比6.1%増の2,250億円、本業の利益を示す営業利益で同15.9%増の150億円、経常利益で同6.8%増の150億円、純利益は同11.0%増の110億円と従来予想(5月12日公表)を据え置いた。見立て通りとなれば、通期としても売上高・営業利益・経常利益・純利益で過去最高を更新することとなる。

ちなみに、2024年3月期・通期の連結業績予想に対する第1四半期の進捗率は売上高で25.4%、営業利益で35.6%、経常利益で42.2%、純利益で42.5%となっている。売上高はほぼ予想通りであるが、利益面は想定を上回る好調を示しており、今後修正されるのか気になるところである。

引き続き、ミズノの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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