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エッセイ:熱中症に厳重警戒。水分補給も忘れずに!

熱中症,水分補給
(画像= 熊澤充 / 写真AC、La Caprese)

2023年8月1日、総務省消防庁は7月24日から7月30日までの1週間に熱中症で病院に救急搬送された人数(速報値)が1万1,765人に達し、今季初めて1万人を超えたと発表した。搬送された人で最も多かったのは65歳以上の高齢者で6,644人と過半数を占めた。また、熱中症が発生した場所で最も多かったのは「住居」で5,014人となった。

前年の同時期と比較すると、北海道で約4.2倍、宮城県で約3.8倍、東京都で約2.0倍、愛知県で約2.3倍、大阪府で約1.5倍といずれも急増している。

ところで、BRITA Japan(本社:東京都中央区)が実施した熱中症に関するアンケート調査によると、「1日の水分摂取量」について、75.2%が一般的に必要とされる水分摂取量の約2リットルを満たしていないことが明らかになった。調査は全国の20代から60代の男女634人を対象に、2023年7月7日から7月10日に行われた。

熱中症,水分補給

(図1) 出典:BRITA Japan調べ

BRITA Japanによると、熱中症に有効とされる水分摂取頻度は「30分に1回以上」であるが、これを達成できている人は27.5%にとどまった。2021年に実施した同様の調査の設問では39.4%が「30分に1回以上」の水分摂取を行なっていたのだが、今年は大きく減少している。

熱中症,水分補給

(図2) 出典:BRITA Japan調べ

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半数近くが「夜の熱中症対策」をしていない

注意を要するのが「夜の熱中症」である。BRITA Japanの同調査によると、夏の就寝中や起床時に「倦怠感」「頭痛」「めまい」など、熱中症と同じまたは似た症状を感じたことがある人は63.4%にのぼる。一方、夏の就寝時に熱中症対策をしている人は56.2%にとどまり、半数近い43.8%は熱中症対策をしていないことが明らかになった。

熱中症,水分補給

(図3) 出典:BRITA Japan調べ

熱中症,水分補給

(図4) 出典:BRITA Japan調べ

熱中症対策を万全に!まだまだ危険な暑さ続く

夜の熱中症対策をしている人の具体的な方法としては、1位「冷房等で室温を下げる」71.6%、2位「涼しい服装をする」57.3%、3位「就寝前に水分摂取をする」53.1%であった。

熱中症,水分補給

(図5) 出典:BRITA Japan調べ

ちなみに、夜の熱中症対策3位の水分摂取については、ほとんどの人が就寝前に100ml以上の水分摂取をしていたものの、13.2%の人は就寝前に水分摂取をしないことが判明した。その理由の第1位は「必要性を感じないから」の48.8%で、次いで第2位の「就寝中のトイレが気になるから」(29.8%)となった。

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(図6) 出典:BRITA Japan調べ

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(図7) 出典:BRITA Japan調べ

内科医として、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を担っている工藤孝文先生は、「熱帯夜には就寝中におよそ500mlもの汗をかくとも言われており、熱中症になるリスクが高まります」と指摘。その上で、「寝ている間の熱中症を防ぐには、冷房などを使って部屋の温度を下げましょう。タイマーなどで途中で切らずに朝まで冷房をつけっぱなしにしておくことをおすすめします。また寝る前の水分摂取を忘れずに。コップ1杯分は飲んでください。さらに、トイレに起きた時などにもこまめに水分摂取をしましょう。いつでも水分摂取ができるように、枕元に常温の水を用意しておくのもいいと思います」と工藤先生はアドバイスしている。

日本気象協会は、向こう1週間の予想最高気温について、「東北から九州の広い範囲で35℃以上の厳しい暑さが続き、内陸では40℃くらいまで上がる可能性もあります」と注意を呼びかけている。適切な水分補給や休憩をしっかりとり、室内では可能な限り冷房などを使用するなど、熱中症対策を万全にして過ごしたい。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

特集:猛暑をぶっ飛ばせ!
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