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脳科学の観点から「肌のセルフタッチで幸福感が増大する」ことを解明――資生堂と東京都立大学の研究成果

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(画像= Ni_photo / 写真AC、La Caprese)

脳科学の観点から「肌のセルフタッチで幸福感が増大する」ことを解明。――2023年4月20日、大手化粧品メーカーの資生堂(本社:東京都中央区)は東京都立大学との共同研究により、「肌へのセルフタッチ(自分で自分の肌に触れること)」で幸福感が増大することを解明したと発表した。

今回、資生堂との共同研究に携わった東京都立大学の名誉教授&客員教授の菊池吉晃氏(医学博士、工学博士)は、人間の認知・情動・行動のさまざまな特性を脳科学的に探究し、愛とは?美とは?共感とは?などの基本的「人間性」の科学的理解を目指した研究者として知られている。その独創的な研究成果は、high impact journalsなどにおいて公表され(Scientific Reports, Biological Psychiatry, SCAN, PLoS ONE, Neuroimage, Social Neuroscience, etc)、世界的な注目を浴びている。また、Frontiers in Psychologyなどの国際学術誌Editorや日本学術会議「心と脳など新しい領域」委員なども務めている。

今回、公表された資生堂と東京都立大学の研究成果の要旨は以下の通りである。

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自分で自分の肌に触れることのポジティブな効果を脳の活動で発見

研究サマリー

■資生堂と東京都立大学との共同研究により、自分で自分の肌に触れることのポジティブな効果を脳の活動で発見
■肌にセルフタッチしたとき、緊張時に活性化する部位や交感神経系と関わる部位の活性化の鎮まりや、危機感、不安感を抑制する効果を発見
■肌にセルフタッチするスキンケアを通して安心感を得ることは、幸福感にもつながることを解明

セルフタッチによるスキンケアは前向きな気持ちで日々を過ごすことにつながる?

資生堂は東京都立大学の名誉教授である菊池吉晃氏との共同研究により、自分の肌に触れること(セルフタッチ)のポジティブな効果を、脳の活動から新たに発見した。研究では、自分で自分の肌に触れると、触れる動作と心地よい感覚を脳内で統合し、ストレス状態における過剰な交感神経の活性を鎮めることに加え、外部に対する注意や意識を低下させるとともに、危機感や不安感を抑制する効果も示された。

実験では、実験参加者が自身の左手の甲を単純な動きでソフトに触れることで、脳の変化をfMRIにて測定した。その結果、外界に対する注意や警戒に関与し、交感神経の活性化に関与する前帯状皮質(ACC)、扁桃体の活動の低下がみられた。さらに、血圧を上げる中枢がある吻側延髄腹側部(RVM)の活動の低下も確認した。

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出典:資生堂

セルフタッチによる上記の反応は、「自分は安全な環境にいる、大丈夫」という感情につながると考えられる。資生堂は今回の研究成果により、「肌にセルフタッチするスキンケアを通して安心感を得ることは、前向きな気持ちで日々を過ごせる幸福感にもつながると期待できる」との見解を示した。

資生堂と東京都立大学のさらなる研究成果が期待されるところである。■

(La Caprese 編集部)

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