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パナソニックHD、EV電池工場でステランティスなどと協議。米紙報道で株価は年初来高値、だが業績への影響に不透明感も

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※画像はイメージです。(画像= La Caprese)

2023年4月5日、東京証券取引所でパナソニック ホールディングスの株価が一時1,267.5円まで買われ、年初来の高値を更新した。1月5日に付けた年初来安値1,074円から3カ月で18.0%の上昇である。

パナソニック ホールディングスは、電機メーカーグループを統括する持株会社である。①冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機といった白物家電などを製造・販売する「くらし事業」を筆頭に、②車載インフォテインメントシステムやADAS(先進運転支援システム)および関連デバイスなどを手がける「オートモーティブ」、③航空機内エンターテインメントシステムや通信サービス、電子部品実装システムを取り扱う「コネクト」、④半導体デバイス材料や液晶パネルなどを手がける「インダストリー」、そして、⑤車載用円筒形リチウムイオン電池やニッケル水素電池などを取り扱う「エナジー」……の5つの事業セグメントを展開している。

後段で述べる通り、4月4日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が、欧米自動車大手ステランティスとドイツのBMWが、北米でのEV(電気自動車)用電池工場の新設に向けてパナソニック ホールディングスと協議していると報じたことが株価にも刺激材料となった。

今回はパナソニック ホールディングスの話題をお届けしよう。

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パナソニックHD、EV電池工場でステランティスなどと協議―米紙

4月4日、ウォール・ストリート・ジャーナルの電子版は、関係者から提供された情報として、欧米自動車大手のステランティスとドイツのBMWが、北米でのEV用電池工場の新設に向けてパナソニック ホールディングスと協議していると報じた。このニュースは、ロイター通信や時事通信など複数のメディアでも一斉に取り上げられた。

ステランティスは自動車販売台数で世界3位のメーカーである。同社は韓国メーカーとの合弁で、すでに北米で2カ所のEV用電池工場の建設計画を公表していた。報道によると、パナソニック ホールディングスとは第3工場の提携候補として協議を進めているという。ただし、協議は初期段階であり、詳細は不明である。

ちなみに、パナソニック ホールディングスが発表した2023年3月期・第3四半期(2022年4月1日~2022年12月31日)の連結業績は、売上高が前年同期比15%増の6兆2,245億円、本業の利益を示す営業利益で同15%減の2,342億円、税引前利益で同9%減の2,554億円、純利益で同17%減の1,629億円と増収減益だった。

セグメント別では、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機といった白物家電などを製造・販売する「くらし事業」の売上高が2兆6,175億円で全体(6兆2,245億円)の42%を占めている。一方、車載用円筒形リチウムイオン電池やニッケル水素電池などを取り扱う「エナジー」の売上高は7,172億円で全体に占める割合は12%となっている。

「エナジー」の営業利益は半減。協議の行方に注目

気になるのは、同期の「エナジー」の営業利益が激減していることである。上記の通り、「エナジー」の売上高は7,172億円で前年同期に比べて25%増と高い伸びを示しているのであるが、一方の営業利益は前期比47%減の289億円と半減している。同期の「エナジー」は、価格改定に加え旺盛なEV需要を受けた車載電池の増販、為替換算の影響もあり大幅な増収となった。しかし、営業利益は原材料高や物流費の高騰、増産に伴う固定費の増加が圧迫要因となり、半減を余儀なくされた。

先に述べた通り、ウォール・ストリート・ジャーナルが4月4日付に報じた、北米でのEV用電池工場の新設に向けた協議は、まだ初期段階であり、詳細は不明である。したがって、現時点でパナソニック ホールディングスの「エナジー」の事業セグメントへの影響を見定めるのは困難と言わざるを得ない。引き続き、ステランティスとBMW、パナソニック ホールディングスの協議の行方が注視されるところである。■

(La Caprese 編集部)

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