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東京都競馬、大株主にアクティビスト登場。株価はたった1日で14.43%上昇

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(画像= フランク / 写真AC、La Caprese)

2023年3月31日、東京証券取引所で東京都競馬の株価が終値ベースで前日比14.43%高の4,045円に上昇した。この日、人気のバロメーターである出来高は100万8,700株に達し、前日(3月30日5万1,700株)に比べて19.5倍に急増した。

東京都競馬は、競馬場やオートレース場、遊園地、物流倉庫施設などを保有し、管理・賃貸している企業である。大井競馬場や伊勢崎オートレース場、地方競馬インターネット等投票システム、倉庫施設、商業施設等の賃貸のほか、遊園地の東京サマーランドの経営などが収益の柱となっている。

3月30日、オアシス・マネジメントが関東財務局に提出した大量保有報告書で、東京都競馬の株式を8.38%保有していることが明らかになり、株価にも刺激材料となった。オアシス・マネジメントは香港の投資ファンドで、東京都競馬株の保有目的については、「ポートフォリオ投資および重要提案行為」並びに「株主価値を守るため重要提案行為などを行うことがある」と大量保有報告書に記載されている。オアシス・マネジメントは「アクティビスト(物言う株主)」としても知られることから、株式市場では経営改革に対する期待も高まっているようだ。

今回は東京都競馬の話題をお届けしたい。

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東京都競馬、2022年12月期は増収増益

まず、東京都競馬の業績をチェックしてみよう。2月14日に東京都競馬が発表した2022年12月期(2022年1月1日~2022年12月31日)の連結業績は、売上高が前期比11.5%増の354億5,000万円、本業の利益を示す営業利益は同10.6%増の141億6,300万円、経常利益は同10.3%増の141億7,100万円、純利益は同3.3%増の93億8,600万円と増収増益となった。

同期は新型コロナウイルス禍の感染対策として、大井競馬場や伊勢崎オートレース場、東京サマーランドにて入場者数に上限を設ける等の影響があったものの、SPAT4(南関東4競馬場在宅投票システム)を中心とした公営競技事業が引き続き好調に推移し、前年度を上回る売上を確保した。また、2021年2月に策定・公表した「第3次中期経営計画~Galloping into the future~」に掲げる各事業セグメント別の課題への取り組みについても、各種機能の強化を施したSPAT4第5次システムの稼働や、大井競馬場第3駐車場の開発に着手するなど、諸施策を推進した。

セグメント別の状況は以下の通りである。

地方競馬の勝馬投票券が売上レコードを更新

「公営競技事業」のセグメントは、売上高が前期比11.3%増の261億200万円、セグメント利益は同8.6%増の119億9,800万円となった。

同期の大井競馬は96日開催した。この間、新型コロナウイルス対策として、5月までは入場者数の上限を5,000名、6月以降は上限1万5,000名で開催した。SPAT4については、全国の地方競馬を1万5,120レース発売し、ポイントサービスである「SPAT4プレミアムポイント」で約2年ぶりとなる競馬場バックヤードツアーを実施した。このほか、競馬予想配信番組のリニューアルや各種キャンペーンを継続的に展開するなど、会員数および勝馬投票券の売上増加、ファンサービスのさらなる向上に努めた。これらSPAT4をはじめとする2022年の地方競馬の勝馬投票券売上は1兆円を突破(1兆651億円)し、暦年での売上レコードを更新した。

伊勢崎オートレースは、オートレースの本場開催が144日、他場の場外発売は延べ260日実施した。新型コロナウイルス禍で感染対策を講じながらの開催であったが、勝車投票券売上は引き続き好調だった。

遊園地事業の売上高が52.4%増

「遊園地事業」のセグメントは、売上高が前期比52.4%増の26億7,000万円、セグメント利益は1億1,800万円(前期同期は4億2,700万円のセグメント損失)と好調だった。

同期は、東京サマーランドが冬季休園期間を経て2022年3月25日より営業を開始した。夏季期間においては、「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に則り、滞留人数を上限1万名としたうえで、顧客満足度の向上に努めた。

また、夏季期間以外においては、駐車場を活用したフリーマーケットを継続的に実施する等、集客強化および施設の有効活用に努めたほか、2022年11月には音楽を通じて秋川流域の観光PRにつなげる、第4回「秋川“四季の奏で”音楽会」チャリティーコンサートを実施する等、文化・社会貢献活動にも積極的に取り組んだ。

上記の結果、東京サマーランドおよび各施設の入場者数は前期比41.7%増の74万人となり、業績に寄与した。

倉庫賃貸事業のセグメント利益は変わらず

「倉庫賃貸事業」のセグメントは、売上高が前期比4.4%増の50億9,700万円、セグメント利益は前期比変わらずの29億3,600万円となった。

同期は、千葉県習志野市茜浜地区において2024年の稼働に向けて2棟目となる新倉庫の建設工事を進めるとともに、施設の有効活用と多様な顧客ニーズに対応するため、勝島第2地区ABC棟倉庫の一部を利用した小規模賃貸倉庫「KuraFit(クラフィット)」の営業を9月より開始した。また、12月からは勝島第1地区において実質的にCO2排出量がゼロとなる再生可能エネルギー由来の電力を導入し、環境負荷軽減に向けた取り組みを推進した。さらに、2021年8月に竣工した勝島第1地区5号倉庫も通期稼働となり、業績に寄与した。

サービス事業は増収減益

「サービス事業」のセグメントは、売上高が前期比12.0%増の22億8,300万円、セグメント利益は同8.4%減の3億9,700万円と増収減益だった。

同期はオフィスビルの「ウィラ大森ビル」において安定的な収益確保に努めたほか、大井競馬場前のショッピングモール「ウィラ大井」では、夏季および冬季に子ども向けのワークショップや音楽イベント、品川名産品物産展を展開するなど、顧客満足度の向上や、周辺地域との連携強化に努めた。

加えて、大井競馬場第3駐車場を活用した開発計画を2022年10月に公表し、「ミュージカル劇場」並びに「商業・オフィスビル」の建設に着手した。また、空調設備事業では、工事に携わるスタッフへの新型コロナウイルス対策を講じる等の安全管理対策を強化したうえで、引き続き安定的な工事の受注および施工に努めた。

オアシス・マネジメントの経営改革に対する期待も

東京都競馬は2月14日、2023年12月期(2023年1月1日~2023年12月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比5.0%増の372億1,400万円、本業の利益を示す営業利益で同9.2%減の128億5,900万円、経常利益で同9.5%減の128億2,000万円、純利益で同13.6%減の81億1,000万円と増収減益となる見通しを示した。

ただし、冒頭で述べた通り、3月30日にはオアシス・マネジメントが東京都競馬の株式を8.38%保有する大株主に浮上したことから、株式市場では経営改革に対する期待も高まっている。今後、東京都競馬の経営方針や業績予想が大幅に修正される可能性も否定できず、目が離せない情勢が続きそうだ。■

(La Caprese 編集部)

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