人材不足を感じている雇用主は世界平均で77%、過去最高値を記録。――2023年3月27日、総合人材サービスのマンパワーグループ(本社:東京都港区)の調査でそのような実態が浮き彫りとなった。
今年で17回目を迎える本調査は、世界41カ国・地域の雇用主3万9,000人を対象に実施。「人材確保の難易度」「必要とされているテクニカルスキル」「従業員に求められるソフトスキル」について調査を行った。
その結果、人材不足を感じている雇用主は、世界平均で前年比2%増の77%に達し、調査開始以来、最も人材不足が強い結果となった。一方、日本も前年比4%増の78%となり、2年ぶりに世界平均を上回った。(図1)
【日本】必要とされているテクニカルスキルは「人事関連のスキル」が1位
新型コロナウイルスのパンデミックを通して、テレワーク導入が拡大し、働く環境が大きく変化した。また、個々においても働き方を再認識する機会となったため、従来とは異なるキャリア観が醸成されつつある。企業は変化に対応するため、採用・組織運営・キャリア育成を含めた人材戦略を策定することが求められている。このような背景から、「人事関連のスキル」が最も求められるテクニカルスキルとなった。(図2)
【日本】従業員に求められるソフトスキルは「リーダーシップ、社会的影響力」が1位
企業は気候変動への対策、多様性・平等・包括・信頼関係の推進など、持続可能な社会へ向けた取り組みを推進している。これらの新たな取り組みを積極的に進めている状況下、働く従業員に求めるソフトスキルとして、「リーダーシップ、社会的影響力」「創造性、独創性」が上位に並んだ。(図3)
【日本】スキルギャップに関する課題への対応策
スキルギャップへ向けた対応策として、62%の企業が「既存社員のスキルアップやリスキリングを実施」と回答し、これまで以上に、従業員へ投資することを計画している。一方、52%の企業が「新たに正社員採用を計画」と回答しており、人材を新たに採用・配置することにも意欲的であることがうかがえた。(図4)
【日本】人材不足解消に向けた企業の対応策とは?
人材不足解消へ向けた対応策として、56%の企業が「より柔軟な選択肢を提供。働く時間帯(パートタイム、フレックス勤務)、働く場所(勤務エリア、ハイブリッドワーク、リモートワーク)」と回答。約6割の企業が、働く時間帯や場所に柔軟性を持たせることを計画していることが明らかになった。(図5)