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高カカオチョコレートが「血糖値上昇」を抑制。「食後」に摂取した場合でも効果が得られることを確認――大人のダイエット研究所の研究成果

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(画像= Canva、La Caprese)

2019年、厚生労働省は『令和元年 国民健康・栄養調査』にて、男性の約5人に1人(19.7%)が糖尿病が強く疑われることを明らかにした。糖尿病は生活習慣病の中でも、食生活改善等による予防が最も重要視されている病の一つでもある。ちなみに、食生活の改善による糖尿病の予防としては、野菜などの食物繊維が含まれるものを食事のはじめに食べる「ベジタブルファースト」と呼ばれる食事法がある。食物繊維を食事のはじめに食べることで、糖の吸収をおだやかにし、食後血糖値の急上昇を抑える効果があるとされている。

そうした中で注目されるのは、大人のダイエット研究所(事務所:東京都渋谷区)が2023年1月20日に発表した研究成果だ。大人のダイエット研究所は、忙しい大人のために、ストレスなく手軽に始められる生活習慣の改善や、身近な食材を活用した健康アドバイス、栄養バランスの良い商品の監修等に携わる一般社団法人である。今回発表された研究成果では「高カカオチョコレートを、食前ではなく『食後』に摂取した場合でも、血糖値の上昇を抑制する効果が得られる」ことが明らかになった。

大人のダイエット研究所の研究成果の概要は以下の通りである。

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高カカオチョコレートが食後血糖値に与える影響

糖尿病は日々の食生活等の生活習慣により悪化しやすく、長年の食生活の積み重ねにより40~50代以降に増加する傾向にある。食生活改善等による予防が求められるところであるが、多忙な働き世代(20~50代)にとっては、実践するのがなかなか難しい事情もある。ちなみに、前出の『令和元年 国民健康・栄養調査』(厚生労働省)では、健康な食習慣の妨げとなる原因について、「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がない」との回答が全体の27.5%、「面倒くさい」との回答が25.3%も寄せられているのが実情である。多忙な日々を過ごす働き世代が、ストレスなく手軽に始められる生活習慣の改善方法が求められている。

そこで、大人のダイエット研究所では多忙な働き世代が選びがちな単品の食べ物である「ラーメン」にあわせて、ストレスなく手軽に食べることのできる「高カカオチョコレート」を摂取することで、どのような効果が得られるか検証した。

高カカオチョコレートは「食後」に摂取した場合でも血糖値の上昇を抑制

本研究では、20~50代の男性18名を対象に、市販のカップラーメンの摂取から15分後に、高カカオチョコレート(3個)を摂取していただき、検証した。高カカオチョコレートは市販のカカオ分86%の商品を使用。食品の安全性に係る臨床試験の受託業務を行っているSOUKEN(本社:東京都港区)に依頼し、倫理委員会申請・承認後、試験を実施した。

結果は下記のグラフ(図1)が示す通りで、カップラーメンだけを食べたとき(グレーのライン)に比べて、食後に高カカオチョコレートを食べたとき(赤のライン) のほうが血糖値の上昇を抑制する効果が高いことが確認された。

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(図1) ※統計解析を行い、有意な差が見られた。***:P<0.001  出典:大人のダイエット研究所

ストレスなく手軽に始める生活習慣の改善

本研究の結果について、池谷医院の池谷敏郎院長(医学博士)は「高カカオチョコレート摂取群では、インスリン分泌量が増えて血糖値が下がっているので、カカオポリフェノールと食物繊維が小腸からのGLP-1分泌を促し、GLP-1が、膵臓からのインスリン分泌を促進するとともに、筋細胞への糖の取り組みを増やした可能性があると推測できます」と指摘。さらに、「高カカオチョコレートは手軽ですし、食後のデザートに甘みが欲しいときにも活用できることが実証されました。今回『食後』でもこのような結果が得られたことにより、1日を通じて積極的に摂取しておくとよい食材といえるでしょう」とコメントしている。

食後血糖値の急激な上昇は、肥満、糖尿病など生活習慣病のリスクが高まるほか、その後血糖値が急激に低下するため、眠気や集中力低下の一因にもなる。また、食後高血糖による「かくれ高血糖」が体内の炎症や血管疾患リスク、認知症リスクの一因になるとの研究報告もある。大人のダイエット研究所は、今後も働き世代の糖尿病予防に寄与する食提案を推進する方針だ。■

【補足資料】日本人に不足している食物繊維と高カカオチョコレートについて

食物繊維は、腸内環境の改善、食後の血糖値上昇を抑制する効果、コレステロール等の脂質を排出する効果、抗糖化作用などが知られている。また、近年は腸内で分泌されるGLP-1の分泌を高めたり、腸内で発酵したりすることで腸内細菌により産生された短鎖脂肪酸の働きで、食欲抑制、免疫、腸内のバリア機能とも関係するムチンの分泌促進、アレルギー対策など、さまざまな効果が注目されている栄養素である。

しかしながら、『令和元年 国民健康・栄養調査』(厚生労働省)によると、20~50代の男女ともに食物繊維が大幅に不足しているのが実情である。(図2)

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(図2) 出典:厚生労働省『令和元年 国民健康・栄養調査』

ちなみに、本研究では、市販のカカオ分86%の高カカオチョコレートを使用した。高カカオチョコレートは、3個を摂るだけで日本人が不足している食物繊維量(20~50代平均:2.6g)程度を摂取することができる(※市販の高カカオチョコレート1個(5.0g)あたり:0.8g)ほか、カカオポリフェノールが血圧や心筋梗塞などを予防する可能性も示唆されており、また外出先でも手軽に摂れるため、日常生活に取り入れやすいという利点がある。

(La Caprese 編集部)

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