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睡眠は「日中のパフォーマンス満足度」や「自分らしい生き方」に影響をおよぼす――味の素の調査レポート

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(画像= acworks / 写真AC、La Caprese)

「睡眠の質」が重要視される時代だからこそ、ディープスリーパーになることが重要。――2022年12月15日、味の素 <2802> が発表した『睡眠と日中の活動、自分らしさに関する意識調査』でそのような見解が示された。

『睡眠と日中の活動、自分らしさに関する意識調査』は、現代社会における睡眠による「日中のパフォーマンス」「自分らしさ」への影響度について調べたもので、2022年10月に全国の20~60代の男女1,000名を対象に実施した。調査では、ぐっすり睡眠実感者(「日頃、ぐっすり眠れている」と回答した人)と非実感者(「日頃、ぐっすり眠れていない」と回答した人)を比較したところ、ぐっすりした睡眠の実感は「日中のパフォーマンス満足度」や「自分らしい生き方」に大きな影響をおよぼしていることが浮き彫りとなった。

さらに、自分自身の睡眠をどのように改善したいかについては、睡眠時間の確保だけでなく、「睡眠の質」の改善を求めている人が増加していることも判明した。

「睡眠負債」のメカニズムや睡眠法などの著書を手掛ける、脳神経科学者の枝川義邦(えだがわ・よしくに)先生は「夜にスマホを触ることで浴びるブルーライトや、メール・SNS等のやり取りで交感神経が優位に働くことを日常的に行ってしまっていることが、睡眠の質の低下に繋がっている可能性が高い。寝る前や寝起きの習慣を見直して、ぐっすり睡眠実感度が高い『ディープスリーパー』になることが、睡眠課題の解決だけでなく、日中の高いパフォーマンスにもつながるのではないか」とコメント。また、快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂(みはし・みほ)先生は「ぐっすり眠れず脳機能が回復しないと、ケアレスミスが増えて作業効率が低下します。残業が増えて、ぐっすり眠れない悪循環に」とも指摘している。

今回は味の素の『睡眠と日中の活動、自分らしさに関する意識調査』を紹介したい。

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ぐっすり眠れず脳機能が回復しないと、ケアレスミスが増えて作業効率が低下する

まず、睡眠と日中のパフォーマンスの関係については、「日頃、ぐっすり眠れている」ことを実感している人の70.7%が「自身の日中のパフォーマンスの高さ」に満足と回答している。その一方で、「日頃、ぐっすり眠れていない」と回答した人の中で、「自身の日中のパフォーマンスの高さ」に満足と回答したのは、わずか20.4%であり、両者で実に50.3ポイントの差がつく結果となった。(図1)

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(図1)

上記の通り、ぐっすり睡眠の実感が日中のパフォーマンスの高さにつながる可能性があることが判明した。この調査結果について、枝川先生は「ぐっすりと眠れていることで、日中も存分にパフォーマンスを発揮しているという自覚につながるのでしょう。日中のパフォーマンスが充分に上がらないプレゼンティーイズムという状態は睡眠の状況と密接に関わっていることが、この調査にも反映されていたようです」とコメントした。また、三橋先生は「ぐっすり眠れず脳機能が回復しないと、ケアレスミスが増えて作業効率が低下します。残業が増えて、ぐっすり眠れない悪循環に」とも指摘している。

睡眠は自己肯定感を高め、夢を叶える近道

次に、「日頃、ぐっすり眠れている」と回答した人と、「日頃、ぐっすり眠れていない」と回答した人、それぞれに“自分らしく生きることができていると思うか”を複数の設問で比較集計した。その結果、「日頃、ぐっすり眠れている」人からはポジティブな回答が多く寄せられ、「日頃、ぐっすり眠れていない」人に比べて各項目で大きく上回る傾向が認められた。(図2)

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(図2)

この調査結果について、三橋先生は、「ぐっすり眠れないと前頭前野の働きが低下するので、意欲がなくなり、あきらめやすくなります。睡眠は自己肯定感を高め、夢を叶える近道です」とコメントしている。

回答の7割が「睡眠の質」を重視する傾向

また、今回の調査では「睡眠時間を延ばすより、睡眠の質を改善したい」と7割強(75.6%)が回答し、睡眠の質を重要視する人が多いことが判明した。(図3)

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(図3)

この調査結果について、三橋先生は「睡眠は質(深さ)と量(長さ)の掛け合わせ。どちらも大切ですが、時間をとることができない人が多い現状があります。でも質を高める工夫なら誰にでもできます」とコメントしている。

ライフスタイルの変化が「眠り」にも影響をおよぼしている?

ちなみに、今回の調査では全体の6割(64.1%)が日頃から「睡眠不足」を感じると回答し、「睡眠不足」を感じていない人のほうが少ない結果となった。(図4)

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(図4)

睡眠不足になっている原因・理由については、20~40代からは「なかなか寝付けない」、50~60代からは「夜中にトイレに起きてしまう」との回答がもっとも多く寄せられた。このほか、20~30代からは「趣味・娯楽活動に時間を費やしている」「スマホの動画やゲームで暇つぶししているうちに夜更しになる」、40代は「考え事などをしてしまい眠れない」、50代は「なかなか寝付けない」、60代は「眠りが浅くて、物音で目が覚める」といった回答が寄せられた。

この調査結果について、枝川先生は「時代とともにライフスタイルが変わり、夜の過ごし方も変わってきています。それが眠りにも影響をおよぼしていることが伺える調査結果でしょう」とコメントしている。

睡眠の質を上げるために、どんな取り組みをしている?

なお、「日頃、ぐっすり眠れている」と回答した6割(63.2%)が「睡眠時間の確保」以外に睡眠の質を上げるための取り組みを実施していることが判明した。

具体的には、「お風呂にゆっくり浸かる」が32.0%と一番多く、次いで「普段の食事バランス・種類に気を付ける」が27.4%、「スポーツ(散歩やウォーキングも含む)をする」が19.0%の結果となった。(図5)

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(図5)

三橋先生は、「日頃からぐっすり眠れていると実感できている人たちは、睡眠時間の確保だけでなく、しっかりと睡眠の質に向き合った活動ができていることで、睡眠と人生の満足度が高まっているのだと思います」との見解を示している。■

(La Caprese 編集部)

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