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将来、歯周病になる可能性があると感じている人は約7割。「歯の健康意識」が将来の医療費の明暗分ける――サンスターの調査報告

歯周病,予防
(画像= Canva、La Caprese)

将来、歯周病になる可能性があると感じている人は約7割。――2022年11月11日、サンスター(本社:大阪府高槻市)が全国の20歳以上の男女 1,100人を対象に行ったアンケート調査で、そのような実態が浮き彫りとなった。

毎日習慣として行う歯みがきなどのオーラルケアは、お口の健康を守り、そして全身の健康を守ることにもつながる。2021年7月8日にサンスターは日本歯科医療管理学会雑誌にて、25万人の歯と医療費を分析した論文『歯の本数が多く、かみ合わせが良いほど医療費が低い』(※1)を発表しており、「歯の健康意識」が将来の医療費の明暗を分けることを明らかにしている。そこで、今回は歯を失う一番の原因である歯周病に対する意識やオーラルケア行動についての調査を行った。

サンスターの「歯の健康意識」に関する調査結果は以下の通りである。

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将来、歯周病になる可能性があると感じている人は約7割

「歯周病」という言葉は全体の約9割が認知している

まず、「あなたは歯周病という言葉を知っていますか?」という質問に対して、全年代で約9割の人が「知っている」と回答した。一方で20代の世代で絞ってみると17%の人が「聞いたことがない」と回答する結果となった。若い世代はほかの年代と比べ歯周病という言葉自体も知らない人が少なくないことが判明した。(図1)

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(図1) 出典:サンスター

だが、歯周病についての理解は半分程度にしか浸透していない

次に、歯周病に関する事柄として正しいと思うもの質問したところ、「ハグキの病気である」に次いで、「歯が抜ける原因となる病気である」との回答は約5割(52.0%)にとどまった。前述の通り、全年代で約9割の人が歯周病について「知っている」と回答する一方で、歯周病についての理解は半分程度にしか浸透していない結果となった。(図2、図3)

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(図2) 出典:サンスター
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(図3) 出典:サンスター

多くの人が自身が歯周病であることに気づいていない?

「あなたはこれまで歯周病になったことありますか?」という質問に対しては、歯周病になったことがある(ある・どちらかといえばあると思う、の合計)と認識している人は4割を超える結果となった。ちなみに、厚生労働省が公表した『平成28年歯科疾患実態調査』では、30代以上の約7割(3人に2人)が歯周病になっていると報告されている。このことから、実際には多くの人が歯周病であることに気づいていないのではないか、と推測される。(図4)

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(図4) 出典:サンスター

年代を問わず多くの人が歯周病に対し、危機感を抱いている

「あなたは、この先、歯周病になる可能性があると思いますか?」という質問に対しては、約7割の人が「歯周病になる可能性がある」と回答した。20代でも約半数が「ある」と回答しており、年代を問わず多くの人が歯周病に対し、危機感を抱いていることが判明した。(図5)

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(図5) 出典:サンスター

また、「この先、永久歯を抜く経験をする可能性があるかどうか」という質問に対し、約5割の人が将来自分の歯が抜ける可能性があると感じていることが判明した。こちらも、50代以上の人だけでなく若い人も含め、多くの人が自身の歯の将来について不安を抱いている結果になった。(図6)

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(図6) 出典:サンスター

歯の将来が不安なのに、約6割の人が「歯科健診を受けていない」

歯科健診を受ける頻度について質問したところ、約6割の人が「歯科健診を受けていない」ことが判明した。自身の歯の将来について不安を抱いているにも関わらず、「歯科健診を受けていない」人が意外と多い実態が明らかになった。(図7)

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(図7) 出典:サンスター

一方で、将来の歯の喪失リスクを強く感じている人と、喪失リスクはないと考えている人の歯科健診の受診率には20%もの開きがあることが判明した。(図8)

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(図8) 出典:サンスター

意外と低い? 自宅でのオーラルケア製品の使用率

自宅で使用しているオーラルケア製品に関する設問では、将来の歯の喪失リスクを「感じている」人のデンタルリンスや洗口液の使用率が「感じていない」人に比べ高い傾向が認められた。歯間ブラシやデンタルフロスの使用率も同様の傾向を示す結果となった。ただし、いずれの使用率も半分に満たない3~4割にとどまっている。(図9、10、11)

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(図9) 出典:サンスター
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(図10) 出典:サンスター
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(図11) 出典:サンスター

「歯の健康意識」が将来の医療費の明暗を分ける

本調査では、「歯周病」という言葉自体の認知率は高いものの、歯周病が「歯が抜ける原因」となっていることを理解している人が約半数にとどまるなど意外と低い実態が浮き彫りとなった。また、30代以上で歯周病の有病率が7割に上ることが知られる一方で、自分が実際に歯周病になっていると認識している人はわずか4割にとどまり、まだ歯周病が自分事化していないことも判明した。

一方、自分の歯を失うことに対する意識としては、30~40代では、半数以上が将来自分の歯を失うことがあるかもしれないと感じており、自身のお口の健康に対し、将来のへの不安を感じていることが推察された。しかし、実際に歯科健診を受けている人や、歯間ブラシやデンタルフロス等を使用している人の割合は、まだまだ低く、将来のお口の健康に対して漠然とした不安は持っているものの、なかなか行動に移せていない実態が浮き彫りになった。

サンスター研究開発統括部(産官学推進リレーション室)の永谷美幸氏は、本調査結果について「歯周病などで、一度失った歯は取り戻すことはできないため、将来の歯を守るためにも若いころから、定期的に歯科医院に通ったり、毎日のオーラルケアをきちんとすることが重要です。実際に、ご自身の歯の本数が多いほど全身の医療費が少なく抑えられる、というビッグデータの解析結果(図12)(※1)もあり、健康なうちからお口の健康習慣を積み重ねることは、とても大切です」とコメントしている。■

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(図12) 出典:サンスター
【参考:サンスターの関連する研究発表】

(※1)
■「歯の本数が多く、かみ合わせが良いほど医療費が低い」 サンスター、25万人の歯と医療費を分析した論文を日本歯科医療管理学会雑誌で発表
https://www.sunstar.com/jp/newsroom/news/20210708/

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