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コメ発酵液が肌になじんだ後の肌にふれた時、「好き」という気持ちが高まることを科学的に確認――丸善製薬の研究成果

コメ発酵液,化粧水
(画像= ACworks / 写真AC、La Caprese)

2023年9月20日、丸善製薬(本社:広島県尾道市)は慶應義塾大学の満倉靖恵教授監修のもと「感性アナライザ(※)」を用いて、化粧品原料「コメ発酵液」塗布による感性への影響を定量する研究成果を発表した。結果は、 コメ発酵液が肌になじんだ後の肌にふれた時、「好き」という気持ちが試験開始時と比較して有意に高まることが確認された。ちなみに、満倉教授監修による感性アナライザを用いた化粧品原料の感性評価は、原料メーカーとして初めての試みである。

本研究成果の要旨は以下の通り。

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脳波から感情をリアルタイムに計測

近年、化粧品の使用が肌だけではなく心にも前向きな影響を与えるとして、「肌と心」の関係についての研究が進められている。さらに、コロナ禍を経て、化粧品や美容行動に対しても心身を健やかに維持するためのウェルビーイングなアプローチが求められ始めている。このようなニーズに対応する化粧品原料について検討を行う一環として、本研究は実施された。

本研究の概要

▼被験者:化粧水を毎日使用する女性20名(20~50代)
▼試験試料:コメ発酵液原液ローション
▼塗布部位:手の甲(利き手と反対側の手の甲に塗布し、利き手で塗り広げる)、単回塗布
▼使用機器:脳波計「感性アナライザ」
▼評価:コメ発酵液原液ローションの説明を受けた後に塗布した時の気持ち「好き」

「感性アナライザ」を用いたコメ発酵液の感性評価

丸善製薬では、2006年より発酵技術を活用した化粧品原料の研究開発を行っている。これまでの「コメ発酵液」の研究成果として、発酵の過程で生み出されたアミノ酸、フルーツ酸など約60種類の天然由来成分により、塗布した瞬間の肌なじみやぬれ広がりの良さ(接触角)、継続使用による肌の潤い向上効果などが確認されている。また、コメ発酵液は塗布後の肌の触り心地として、しっとりするのにサラサラという特色をもつ。これまで実施したヒトボランティア試験の使用感評価(アンケート)において、塗布後の肌の感触について「なめらか」「心地よい」など、高い評価を得ているものの、その気持ちを科学的に数値化することは困難であった。

そこで、本研究では、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科の満倉靖恵教授の監修のもと、「感性アナライザ(※)」を用いてコメ発酵液の塗布が感性へ与える影響を確認した。

【参考】感性アナライザとは?
コメ発酵液,化粧水
※感性アナライザ 出典:丸善製薬


(※)感性アナライザは、脳波から感情をリアルタイムに計測できる世界初の装置である。ヘッドセットを装着すると、計測された脳波から、「好き」「興味」「集中」「ストレス」「鎮静」など、その時、その瞬間の心の変化を数値化することができる。

「帰宅を待ってくれていた愛する家族やペットに会えた瞬間」の気持ちの高まりに相当

本研究では、女性20名を対象にコメ発酵液原液ローションの特徴に関する説明を受けた後、試験部位にローションを塗布し、静置し、ローションがしっかりなじんだ肌に触れるまでの一連の工程について脳波を測定した。

その結果、静置後のローションがしっかりなじんだ肌に触れた時、「好き」という気持ちが有意に高まることが確認された(図1)。満倉教授によると、この試験における「好き」の変化は、「帰宅を待ってくれていた愛する家族やペットに会えた瞬間」の気持ちの高まりに相当することが考えられるとのことである。

また、コメ発酵液原液ローションの説明がないまま塗布した際の使用感に関する記述式アンケートにおいて、塗り広げる時に「キシキシ感」(肌になじみ始めるタイミング)、塗布後半に「ひっかかり感」(なじみ終えたタイミング)の記述が数名に確認された。そのタイミングが「15秒」と「45秒」に訪れることが示唆された(図1:赤矢印箇所)。

コメ発酵液,化粧水
(図1) 出典:丸善製薬

丸善製薬のさらなる研究成果を期待

今回の感性評価の結果から、コメ発酵液原液ローションがしっかりなじんだ肌(潤いが高まった肌)の感触を「好き」と感じていることが示唆された。また、感性アナライザはリアルタイムで気持ちの変化を確認することができるため、コメ発酵液原液ローションが「肌になじみ始める」および「なじみ終えた」タイミングを特定できた可能性がある。丸善製薬は「今後、塗布部位を変更する、継続使用による脳波の変化について確認を行うなど、さらなる検証の必要が考えられる」としている。

先述の通り、近年は化粧品や美容行動に対しても心身を健やかに維持するためのウェルビーイングなアプローチが求められ始めている。丸善製薬のさらなる研究成果を期待したい。■

(La Caprese 編集部)

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