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ヤオコー、営業利益は35期連続の最高益へ。株価は年初来高値、「2割強い店づくり」に取り組む

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(画像= La Caprese)

2023年7月21日、東京証券取引所でヤオコーの株価が一時7,565円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月16日の安値6,560円から6カ月ほどで15.3%の上昇である。

ヤオコーは、食品スーパーマーケットを運営する企業である。その源流は、1890年に埼玉県比企郡小川町にて開業した青果商「八百幸商店」にまでさかのぼる。1958年には、セルフサービス方式の販売形態を導入し、食料品・日用品を幅広く取り扱う「食品スーパーマーケット」の業態に転換した。現在は埼玉県を中心に、千葉県、群馬県、茨城県、東京都、栃木県、神奈川県の1都6県に広く店舗展開し、生鮮食品、惣菜をはじめとする食料品ならびに家庭用品などの住居関連商品の販売を行っている。

後段で述べる通り、ヤオコーが5月10日に発表した①2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績で営業利益が単体決算の時期も含めて34期連続で最高益を更新したことに加え、②2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想についても小幅ながら営業増益となる見通しが示される……など良好な業績が株価のサポート要因として作用しているようだ。

今回はヤオコーの話題をお届けしたい。

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ヤオコー、「2割強い店づくり」に取り組む

5月10日、ヤオコーは2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。同期の営業収益は前期比5.3%増の5,644億8,700万円、本業の利益を示す営業利益は同8.9%増の262億3,500万円、経常利益は同9.9%増の255億9,700万円、純利益は同3.0%増の158億4,900万円と増収増益となった。特に営業利益については、1990年3月期から増益を続けており、単体決算の時期も含めて34期連続で最高益を更新した。

同期は、新型コロナウイルス禍で感染防止対策と経済活動の両立を目指し、正常化に向けた動きが見られる一方で、ウクライナ情勢の長期化の影響などによる原材料価格の上昇や為替市場の円安進行の影響等により、先行き不透明な状況が継続した。食品スーパーマーケット業界においても、オンライン取引を含め、業界の垣根を越えた厳しい競争に加え、原材料や光熱費をはじめとした各種コストの高騰もあり、極めて厳しい状況が続いた。

こうした中、ヤオコーは「ミールソリューション(※1)の充実」と「価格コンシャス(※2)の強化」を基本方針とし、2年目を迎えた第10次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)のメインテーマである「『2割強い店づくり』の実現」に取り組んできた。

具体的な戦略は以下の通りである。

商品・販売戦略:ヤオコーの独自化・差別化につながる品揃え、ヤングファミリー層の支持獲得へ

まず、商品面では、ヤオコーの独自化・差別化につながる品揃えを実現するべく、ミールソリューションの充実に注力し、主力商品の磨き込みと部門を越えた商品開発を推進した。一方、販売面では、ヤングファミリー層の支持を固めるべく、EDLP(常時低価格施策)や「厳選100品」に加え、生鮮の頻度品などの価格政策と売場づくりに取り組んだ。また、集客強化を図るべく、単品量販を推進する「日本一企画」、地方の特産品を品揃えする「産地フェア」や、十五夜などの「小さなキワ」を楽しむ顧客参加型企画を実施した。

運営戦略:生産性向上を見据え、自動化による業務改善を推進

運営戦略では、生産性向上を見据え、自動化による業務改善やデジタルを活用したカイゼンに取り組んだ。グロッサリーにおけるAI(人工知能)による需要予測に基づく自動発注システムの導入推進に加え、フルセルフレジも導入したことで、生産性が向上した。一方、2月に新設した草加物流センター(埼玉県草加市)では、初となる自社WMS(倉庫管理システム)などを導入し、チルド商品の供給をスタートした。また、循環型社会に向けて廃棄削減、節電、リサイクル推進の取組みを進めており、エコセンターにおいては、当初想定以上の稼働が続いており、今後も活用拡大を図る方針である。

育成戦略:働き方に対する意識改革、従業員の「心」と「からだ」の健康づくりにも注力

育成戦略では、カイゼンと並行して、働き方に対する意識改革、労働環境を改善する取組みを継続した。また、主体的に成長でき、働きがいにつながる制度・教育の再設計に向け、社員教育・研修体制の充実を図った。同時に、前期から継続して、サクセッションプランとして、幹部候補者育成を目的とした研修を計画的に実施した。さらに、健康経営の推進を図り、従業員の「心」と「からだ」の健康づくりに向けて、健康診断項目の充実や運動機会の提供など具体的な施策にも取り組んだ。

出店・成長戦略:新規出店、大型改装を推進

出店・成長戦略では、新規出店として5月に大宮櫛引店(埼玉県さいたま市)、7月に横浜磯子店(神奈川県横浜市)、9月に八王子鑓水店(東京都八王子市)、1月に加須店(埼玉県加須市)、2月にトナリエ宇都宮店(栃木県宇都宮市)、3月に草加松原店(埼玉県草加市)を開設した。加えて、既存店の活性化策とて、9店舗の大型改装も実施した。一方、店舗を拠点とするヤオコーネットスーパーは18店舗で展開しており、今後も拡大の予定である。

その結果、2023年3月31日現在の店舗数は、グループ全体で199店舗(ヤオコー183店舗、エイヴイ13店舗、フーコット3店舗)となった。

用語解説

(※1) 「ミールソリューション」:お客さまの毎日の食事の献立の提案や料理のアドバイスなど食事に関する問題の解決のお手伝いをすること。
(※2) 「価格コンシャス」:お客さまが買いやすい値段、値頃を常に意識して価格設定を行うこと。

営業利益は35期連続の最高益へ

5月10日、ヤオコーは2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、営業収益で前期比1.7%増の5,740億円、本業の利益を示す営業利益で同0.2%増の263億円、経常利益で同0.0%増の256億円、純利益で同1.0%増の160億円となる見通しを示した。いずれも前期比で横ばいではあるが、見立て通りとなれば営業利益は単体決算の時期も含めて35期連続で最高益を更新することとなる。

ヤオコーは、2024年3月期の経営環境について、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和等を背景とした経済活動の正常化が見込まれる一方、地政学リスクに伴う物価上昇、原材料高騰や人手不足の深刻化など、不透明な状況が継続しているとの認識を示した。同時に、スーパーマーケット業界においては、賃金上昇による消費の活性化が期待されるものの、業態の垣根を越えた競争の激化、物価上昇の影響により、厳しい経営環境が想定されるとの認識を示した。

こうした経営環境の中、ヤオコーは「消費の二極化」の加速に対応すべく、グループ全体で「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」を継続するとともに、消費者の満足度向上に注力する方針を示した。第10次中期経営計画の2年目に当たる2023年3月期は、節約志向に対応した価格強化やライフスタイルの変化に対応したデリカ需要の獲得などもあり、業績は堅調に推移した。2024年3月期については、第10次中期経営計画の最終年度として、引き続き、①価格対応、②個店の販売力強化、③独自の商品開発・開拓、④生産性の向上……の重点施策を実施する方針を示した。

引き続き、ヤオコーの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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