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蒸し大豆の継続摂取で「運動不足気味の健常人」の筋量および筋力が向上することを確認――フジッコと徳島大学大学院の研究成果

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(画像= Canva、La Caprese)

高齢者や寝たきりの人の骨格筋量や骨格筋機能を維持するためには、たんぱく質の補給が欠かせない。たとえば、徳島大学大学院ではこれまでに、大豆のたんぱく質が、寝たきりの患者の筋量と筋力を増加させるという研究結果を得ている。大豆のような、良質なたんぱく質には同化促進作用があり、筋力や筋パフォーマンスの向上に寄与する。

注目されるのは、2023年1月11日に大手食品メーカーのフジッコ(本社:神戸市中央区)と徳島大学大学院の共同研究で「蒸し大豆の継続摂取が運動不足気味の健常人に対して、弱いながらも筋力増強に寄与する」との成果が明らかになったことだ。この研究成果は、日本栄養食糧学会の英文誌「Journal of Nutritional Science and Vitaminology」(68巻6号/2022年12月号)に掲載された。

今回はフジッコと徳島大学大学院の研究成果を紹介したい。

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運動不足気味のタクシードライバーを対象に、大豆摂取が筋機能におよぼす影響を検証

フジッコと徳島大学大学院の共同研究では、運動不足気味のタクシードライバーを対象に、大豆摂取が筋機能におよぼす影響について検証した。

ほとんど運動を行っていない36歳~71歳の健康な男性タクシードライバー25名を対象とした症例対照研究で、(1)毎日の食事(夕食)とともに蒸し大豆50 g(フジッコの製品)を30日間摂取してもらう大豆食群(n = 13)と、(2)大豆を摂取しないコントロール群(n = 12)の2群に分け、大豆摂取前と摂取開始30日後の両群の筋断面積と筋力・筋機能を測定した。

その結果、両食事群の体重の推移に有意な差は認められなかったものの、大豆食群における30日間摂取後の筋断面積と握力は、コントロール群と比較して有意に高い値を示した。具体的な成果は以下の通りである。

磁気共鳴画像(MRI)

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(図1) 出典:フジッコ

上記(図1)は磁気共鳴画像(MRI)である。

(A)大腿部の両側冠状断磁気共鳴画像。白線は右大腿部の断面撮影ポイントを示している。
(B)右大腿部の断面画像上における筋群の分割。(a) (b) (c)はそれぞれ大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングスを示している。

大豆摂取が筋肉断面積に及ぼす影響

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(図2) 出典:フジッコ

食事介入期間の前後でMRI検査を行い、大腿四頭筋断面積の変化量を算出した。値は平均値±SEMで表している。また、* は有意水準(P =0.05)を示している。(図2)

結果は、大豆食群ではコントロール群と比較して、大腿四頭筋断面積が有意に高かったことが示された。コントロール群では、大腿四頭筋断面積が減少(マイナス1.43 cm2)していたが、大豆食群では筋量の減少はみられず、1カ月の大豆摂取期間後、大腿四頭筋断面積は0.12 cm2増加していた。

大豆摂取が垂直跳びにおよぼす影響

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(図3) 出典:フジッコ

食事介入期間の前後で垂直跳びテストを行い、最も高いジャンプ得点のみを記録・報告した。値は平均値±SEMで表している。(図3)

その結果、大豆食群では、コントロール群と比較して、跳躍力が向上する傾向がみられた。しかし、大豆食群とコントロール群の跳躍テストの結果に統計的な有意差は認められなかった(p = 0.181)。

大豆摂取が握力に及ぼす影響

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(図4) 出典:フジッコ

食事介入期間の前後で握力を測定し、握力の変化量を算出した。値は平均値±SEMで表している。また、* は有意水準(P = 0.05)を示している。(図4)

結果は、大豆食群でみられた大豆摂取に伴う筋断面積の増加と一致して、大豆食群はコントロール群と比較して握力も増加した。大豆食群における握力の増加量は、コントロール群の2倍以上だった。この事実は、大豆摂取が筋力を向上させ、寝たきりに近い状態などによる筋力低下を抑制することを示唆している。

筋断面積の変化量と跳躍力の相関性

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(図5) 出典:フジッコ

上記(図5)は、大豆食群とコントロール群における筋断面積の変化量と跳躍力の相関について解析したグラフである。大腿四頭筋断面積の変化量と跳躍力の変化量との間には、弱いながらも正の相関関係が観察された。相関グラフ上において、大豆食群のデータは、コントロール群と比較して、低値領域から高値領域へと移行していることが示された。

筋断面積を表す点や領域はグラフの負の値の領域にあるものの、垂直跳びの高さを表す点や領域は徐々に正の値の領域に移行しており、大腿四頭筋断面積の増加に伴って跳躍力が徐々に向上していることがわかる。これらの結果から、大豆摂取は筋量を増加させ、筋力および筋機能に好影響を与えることが示唆された。

大豆摂取で健常人の筋肉の機能とパフォーマンスが向上、筋量にもプラスの影響

今回の臨床試験では、大豆の摂取が、タクシードライバーなどの座業従事者、あるいは運動量が極めて少ない健常人の筋肉の機能とパフォーマンスを向上させることが示された。加えて、大豆摂取が筋量にプラスの影響をおよぼすことが、大豆食群における筋断面積の増加によって確認された。

フジッコは、今後の研究について、大豆の筋肉の発達と機能に対する効果の機序を明らかにするために、より多くの被験者とより長期の大豆摂取期間による試験を行う必要がある、との見解を示している。フジッコと徳島大学大学院のさらなる研究成果が期待されるところである。■

(La Caprese 編集部)

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