「4割が職場でAI(人工知能)活用。うち8割が『人的作業をAIで代替できる』と回答」――。2024年5月8日、学研ホールディングス(本社:東京都品川区)のグループ会社、ベンド(本社:東京都千代田区)が運営する「スキルアップ研究所」からそのような調査報告が公表された。
2022年11月に米企業のOpenAIが「ChatGPT」を公開して以来、世界的に生成AIへの関心が高まっている。関連ビジネスも続々と誕生しているほか、職場でも日々の業務で活用する機会が増えている。そこで、本調査では、全国の20代〜50代の働いている社会人500名を対象に、AIの台頭による業務への影響についてリサーチした。
本調査の要旨は以下の通りである。
スキルアップ研究所「AIの台頭による業務への影響調査」
▽調査名:AIの台頭による業務への影響調査
▽対象者:20〜50代の働いている社会人の方
▽対象地域:全国
▽調査方法:インターネット調査
▽調査期間:2024年4月16日〜23日
▽回答数:500
4割の職場でAIを活用している

「あなたの現在の職場でAIが活用されている部分はありますか」という質問に対し、37.8%が「はい」と回答。AIの導入は半数には満たないながらも、一定の割合、職場で行われていることが判明した。
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7割がAIの導入で業務効率化を実感

「AIの活用により得られた効果の中で最も大きかったものを選んでください」という質問に対しては68.2%の人が「業務の効率化」と回答した。
一方で「創造性の向上」は3.0%にとどまっており、業務効率化においてはAIの有効性が顕著である一方、人ならではの能力が必要とされる分野では、AIはまだ活用できていないという事実も判明した。
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AIの活用により人の作業は代替できると感じた人は8割超

「AIの活用により、人による作業を実際にAIで代替できましたか、あるいは見込みがありますか」という質問に対して、83.0%の人が「はい」と答えた。代替されないための、創造性・判断力といった人間特有の能力を伸ばすためのリスキリングの必要性が顕著に窺える結果となった。
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AIに代替されないために最も必要なスキルは「対人コミュニケーション」

「AIに代替されないために今後必要になってくるスキルは何だと思いますか」という質問に対しては、62.4%の人が「対人コミュニケーション」と回答した。AIでは対応できない「人間ならではの能力」の必要性がわかる結果となった。
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半数がAIの台頭を受けてリスキリングを考えている

「AIの台頭により、何か新しいスキルを身につけようと考え始めましたか」という質問に対し、「はい」と答えた人は52.6%であった。AIが我々の雇用などに影響を及ぼすことは半数の人が認識しており、AIの影響の大きさとリスキリングの必要性が窺える。
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AIにはない創造性や判断力といった「人間特有のスキル」が求められる時代へ?
AIの導入は現状として多くの分野で行われており、多くが業務効率化などの恩恵を感じている。その反面、半数がリスキリングを考えるほどAIの影響は大きく、我々はこれから、AIにはない創造性や判断力といった「人間特有のスキル」に焦点を合わせてリスキリングをしていく必要があるといえる。
何もしないままでは、AIの方がはるかに優れた効率で作業を行えるため、人間の存在価値が失われてしまう可能性が高い。AI時代に向けて、ただちにリスキリングを始め、AIにはない能力を高めていくことが、我々の課題であるといえる。■