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ハイデイ日高、営業損益が黒字に転換。株価は年初来高値、既存店売上は20カ月連続のプラス

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(画像= La Caprese)

2023年8月8日、東京証券取引所でハイデイ日高の株価が一時2,744円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月10日の安値1,870円から7カ月で46.7%の上昇である。

ハイデイ日高は、中華食堂「日高屋」などの飲食店をチェーン展開する企業である。「日高屋」は低価格の中華そばや、シンプルで飽きのこない定食のほか、生ビールやつまみなどのサイドメニューも豊富に取り揃え、居酒屋利用層の「ちょい飲み」需要も取り込むなど、幅広い客層を視野に入れた店舗運営を推進している。2023年5月末時点の業態別の直営店舗数は、「日高屋」(来来軒含む)が405店舗、「焼鳥日高」(大衆酒場日高含む)が26店舗、その他業態が7店舗の合計438店舗を展開している。

後段で述べる通り、ハイデイ日高が7月4日に発表した①2024年2月期・第1四半期(2023年3月1日~2023年5月31日)の業績は営業損益が黒字に転換するなど回復傾向を鮮明にした。また、最近では②8月3日発表の2023年7月の売上高速報で既存店売上高が前年同月比32.9%増と大幅に伸長し、20カ月連続のプラスを記録したことも追い風となった。

今回はハイデイ日高の話題をお届けしよう。

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ハイデイ日高、営業損益が黒字に転換

7月4日、ハイデイ日高は2024年2月期・第1四半期(2023年3月1日~2023年5月31日)の業績を発表した。同期の売上高は前年同期比37.4%増の117億2,900万円、本業の利益を示す営業利益は12億2,000万円(前年同期は1,300万円の営業損失)、経常利益は前年同期比86.1%増の13億4,000万円、純利益は同93.1%増の9億1,000万円と大幅な増収増益となり、営業損益は黒字に転換した。

同期は新型コロナウイルス禍の行動制限緩和や感染症法上の分類が5類に引き下げられたことで経済活動の正常化が進展し、個人消費や設備投資などの内需に持ち直しが見られた。しかし、その一方でロシア・ウクライナ情勢の混迷、世界的なインフレによる金融引締め、為替の円安進行、原材料価格やエネルギー価格の高騰、物価上昇などを背景に消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が継続した。外食産業全般についても、経済活動の正常化に伴い来店客数は回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス禍での生活習慣、行動様式の変化、食材価格や人手不足による人件費関連コストの上昇など、依然として厳しい環境にある。

こうした状況下、ハイデイ日高は新商品の投入、新規出店を行うことで、より多くの消費者に美味しい料理を提供することに注力した。首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店のほか、サービス水準の向上に向けた取り組みや新商品の投入などを行い、業容拡大を図った。

具体的な取り組みは以下の通りである。

2023年5月末の直営店舗数は438店舗

店舗展開については、5店舗出店(東京都3店舗、神奈川県1店舗、千葉県1店舗)、退店が7店舗となり、2023年5月末の直営店舗数は438店舗となった。冒頭で述べた通り、業態別店舗数は「日高屋」(来来軒含む)が405店舗、「焼鳥日高」(大衆酒場日高含む)が26店舗、その他業態が7店舗となった。従来の駅前繁華街への出店とともに、乗降客数が比較的少ない駅前やロードサイドへの出店も行った。

また、既存店については、ポイントサービスの拡充に加え、タッチパネル式オーダーシステムへの切り替えを推進した。新型コロナウイルス禍で短縮した営業時間の延長などのほか、社員の調理・接客の技術向上にも注力し、顧客満足度の高い店作りに努めた。

「日高ちゃんぽん」など新商品が大ヒット

商品面では創業50周年を記念したメニューとして、3月に「日高ちゃんぽん」、4月に「担担麺」をそれぞれ発売した。「日高ちゃんぽん」は、ハイデイ日高が提供する新メニューとしては、最速で20万食を突破するヒット商品となった。また、季節メニューとして、4月に「黒酢しょうゆ冷し麺」「ピリ辛とんこつつけ麺」も投入した。さらに、5月にはハイデイ日高監修のカップ麺を量販店で販売し、好評を博した。

コスト面では、食材価格や人件費、光熱費などの上昇を受けて、3月1日より「日高屋」業態で商品価格を改定した。「中華そば」の価格は税込み390円で据え置き、その他の商品はおおむね5%程度値上げした。同時に創業50周年記念感謝祭として期間限定で人気メニューの値引きを実施したことで、価格改定後も来店客数は増加し、客単価も上昇したため、売上高も順調に拡大した。

5月の月間売上高で過去最高を達成

経済活動の正常化が進展し個人消費が回復基調にあるなか、ハイデイ日高の各種取り組みが奏功し、5月には月間の売上高として過去最高額を達成した。生産、原価面については、小麦粉や豚肉、米等の各種食材価格の上昇に見舞われたものの、増収効果により原価率は27.7%(前年同期は28.1%)となった。販売費および一般管理費は、フレンド社員の増員・時給アップに伴う人件費の増加、水道光熱費や消耗品費などのコスト上昇を受けたものの、増収効果により対売上高は61.9%(前年同期は72.1%)となった。

既存店売上は20カ月連続のプラス

7月4日、ハイデイ日高は2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の業績予想について、売上高で前期比15.3%増の440億円、本業の利益を示す営業利益で同387.8%増の30億円、経常利益で同19.4%増の29億5,000万円、純利益で同21.8%増の18億5,000万円と従来見通し(2023年4月12日公表)を据え置いた。第1四半期の業績は好調だったものの、今後の経済状況に依然として不透明感を残していることが、据え置きの理由である。

とはいえ、冒頭で述べた通り、8月3日発表の2023年7月の既存店売上高は前年同月比で32.9%増と大幅に伸長し、20カ月連続のプラスを記録していることから、今後業績予想を修正してくる可能性もないとはいえないので注意が必要だろう。

引き続き、ハイデイ日高の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:外食産業「復活」への期待
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