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京三製作所、今期の営業利益は72.2%増の見通し。株価は年初来高値、中期経営計画を推進

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※画像はイメージです。(画像= なービー / 写真AC、La Caprese)

2023年6月21日、東京証券取引所で京三製作所の株価が一時477円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月5日の安値396円から5カ月半で20.5%の上昇である。

京三製作所は、信号システム事業等を展開する電気機器メーカーである。1917年創業の歴史ある企業であり、これまでに国産初となる自動閉そく信号装置や道路交通信号機、亜酸化銅整流器等を開発・製造するなど、信号システムのトップメーカーとしての道を歩んできた。そんな同社は現在、永続的成長を目指す『中期経営計画2025』のもと、信号システム事業およびパワーエレクトロニクス事業の拡大と新規事業へのチャレンジのほか、サステナビリティを重視したESG(環境・社会・ガバナンス)経営を推進している。

後段で述べる通り、京三製作所が5月12日に発表した2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績は減収減益となったものの、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想については増収増益となる見通しを示しており、株価にも追い風となっているようだ。

今回は京三製作所の話題をお届けしよう。

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京三製作所、2023年3月期は減収減益

5月12日、京三製作所は2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。『中期経営計画2025』の1年目となる同期の売上高は前期比0.8%減の723億2,700万円、本業の利益を示す営業利益は同25.7減の22億700万円、経常利益は同21.7%減の26億8,300万円、純利益は同82.5%減の20億7,000万円と減収減益となった。

同期は、パワーエレクトロニクス事業の受注が前期を大きく下回る一方で、信号システム事業が国内外で大型案件を受注したことなどから、受注全体としては前期を上回ることとなった。ただし、売上高では信号システム事業において前期と同水準を確保したものの、パワーエレクトロニクス事業が前期を下回ったことから、全体としては前期をわずかに下回った。一方、利益面では、主に半導体や電子部品の世界的な供給不足による工場の操業度低下、開発費の増加、子会社の退職給付債務の計算方法を簡便法から原則法に変更したことにともない第1四半期において退職給付費用の追加計上を行ったことなどから、営業利益、経常利益ともに前期を下回った。また、純利益については、営業利益、経常利益の減少に加え、本社工場火災に係る保険金受け取りが前期までに完了し、特別利益が減少したことにより、前期を大幅に下回ることとなった。

セグメント別の状況は以下の通りである。

信号システム事業

同期の信号システム事業は、鉄道信号システムの受注が好調だった。国内案件の好調に加え、米国のマイアミ国際空港ノースターミナル線APMシステムやシンガポールのセンカン・プンゴルLRT向け信号設備、中国向け電子連動装置用品をはじめとする海外案件も前期を大きく上回った。また、部品の長納期化を受けた一部案件の前倒し発注もプラス要因となった。

一方、売上面では半導体や電子部品の世界的な供給不足の影響が継続する中で、受注済み案件の確実な売上確保に努めた。特に国内では公営鉄道およびJR・民鉄各社向けの列車制御装置をはじめとする信号設備やホームドア、海外ではインド国鉄電子連動装置などの売上があり、前期と同水準となった。一方、道路交通システムでは、交通信号制御機、交通信号灯器、情報板などの拡販に努めた。

パワーエレクトロニクス事業

同期のパワーエレクトロニクス事業は、受注が前期を大きく下回った。通信設備用電源装置の大型案件が一巡したことに加え、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置の前期前倒し受注による反動減、さらに半導体製造装置用電源装置が第3四半期から半導体市況の急速な悪化の影響を受けたことがマイナス要因となった。

一方、売上面では、半導体製造装置用電源装置は前期までの受注済案件の売上が寄与したものの、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置および通信設備用電源装置が受注減少の影響で前期を下回ったことから、全体としても前期を下回ることとなった。

2024年3月期は営業利益で72.2%増を予想

5月12日、京三製作所は2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比5.4%増の762億円、本業の利益を示す営業利益で同72.2%増の38億円、経常利益で同56.5%増の42億円、純利益で同35.2%増の28億円と増収増益となる見通しを示した。

京三製作所は現在の経営環境について、新型コロナウイルス禍の行動規制の緩和と社会経済活動の活性化に向けた取り組みが進む中、半導体や電子部品の世界的な供給不足の改善が期待される一方で、ウクライナ情勢の長期化による資源価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が継続しているとの認識を示した。その上で『中期経営計画2025』の2年目となる2024年3月期は、初年度で取り組んできた成長戦略およびサステナブル戦略の成果や課題を踏まえて、取り組みの加速や施策の見直しを推し進めるとともに、労働生産性や生産効率を向上することで利益の創出に努めるとの考えを示した。

主力の信号システム事業では鉄道信号システムにおいて、アジアをはじめとする海外案件のほか、国内の公営鉄道およびJR・民鉄各社向け信号設備・ホームドアなどの売上が見込まれるほか、設計の標準化や生産管理の強化などによりリードタイムの短縮を図り、適正利益を創出するとともに、継続して品質保証プロセスの改善を進める方針としている。また、新規製品開発に注力するとともに、海外拠点との連携やエンジニアリング会社、商社との協力体制の強化による海外マーケットでの受注拡大を図るほか、製品設計時の省電力化、機器のスリム化・長寿命化などによる社会の課題解決についても引き続き取り組む方針である。

道路交通システムにおいては、交通信号制御機・灯器などの受注に努めるほか、事業環境の変化に迅速に対応し、モビリティ変革やスマートシティ対応製品の開発を進めるとともに、海外拠点との協業によりグローバル展開にも取り組む方針である。

一方、パワーエレクトロニクス事業では、今期後半頃から再び拡大が見込まれる半導体需要の変動に柔軟かつ迅速に対応できる体制の整備を進めるとともに、主力製品である半導体製造装置向け電源装置の新たな製品展開に向けた研究開発を加速し、事業拡大を目指す方針としている。

引き続き、京三製作所の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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