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力の源ホールディングス、今期も最終利益で過去最高へ。株価は1年半で4倍に上昇、既存店売上高も好調

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(画像= YUTO@PHOTOGRAPHER / 写真AC、La Caprese)

2023年7月25日、東京証券取引所で力の源ホールディングスの株価が一時2,135円まで買われ、年初来の高値を更新した。2022年1月27日の安値512円から1年6カ月で4.2倍に上昇した計算である。

力の源ホールディングスは、ラーメン店チェーン「博多一風堂」をはじめとする外食産業を運営する企業を傘下に置く持株会社である。日本国内はもとより、海外展開にも積極的な企業であり、セグメント別では「海外店舗運営事業」が「国内店舗運営事業」と肩を並べる規模に成長している。2023年3月末時点の店舗数はライセンス形態での展開を含め、国内139店舗、海外134店舗の計273店舗となっている。

後段で述べる通り、力の源ホールディングスが5月12日に発表した①2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績で最終利益が過去最高となったことに加え、②2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想についても増収増益となる見通しが示されたこと、③さらに、7月5日発表の6月の月次業績動向速報で、国内既存店売上高が前年同月比18.8%増と15カ月連続のプラスを記録したほか、海外既存店売上高(直営店舗)も同21.6%増と16カ月連続のプラスを記録……するなど業績は好調で、株価のサポート要因となっている。

今回は力の源ホールディングスの話題をお届けしよう。

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力の源ホールディングス、2023年3月期の最終利益は76.3%増

5月12日、力の源ホールディングスは2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前期比34.6%増の261億1,600万円、本業の利益を示す営業利益は同117.1%増の22億8,100万円、経常利益は同114.3%増の23億2,100万円、最終利益は同76.3%増の16億2,800万円と大幅な増収増益となり、最終利益で過去最高を更新した。

セグメント別の状況は以下の通りである。

国内店舗運営事業

国内店舗運営事業の売上高は前期比10.6%増の114億8,900万円、セグメント利益は同26.6%増の6億2,300万円と増収増益となった。

同期は、「一風堂」ブランドにおいて14店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて1店舗出店した一方で、「一風堂」ブランドにおいて10店舗、「RAMEN EXPRESS」ブランドにおいて4店舗、「名島亭」ブランドにおいて2店舗、「因幡うどん」ブランドにおいて3店舗閉店したことから、同期末の店舗数は139店舗(前期末比4店舗減)となった。また、「RAMEN EXPRESS」2店舗については「一風堂」への業態変更を実施した。

新型コロナウイルス禍の行動制限緩和による需要回復加え、インバウンド需要も回復傾向を示したものの、売上高は緩やかな回復にとどまった。夜間並びに深夜時間帯の客足は充分に回復していないことが一因と考えられる。このような状況のもと、新規に15店舗を出店したほか、定借満了した店舗、将来の収益性低下が見込まれる店舗、不採算の店舗等の戦略的閉店を19店舗行った。また、モバイルオーダーおよび卓上タブレットオーダー、食券機の導入等による生産性の向上を引き続き推進した。

海外店舗運営事業

海外店舗運営事業の売上高は前期比72.9%増の117億5,300万円、セグメント利益は同143.8%増の14億8,900万円と大幅な増収増益となった。

同期(2022年1月1日〜2022年12月31日)はシンガポールに2店舗、オーストラリアに3店舗、台湾に2店舗、タイに2店舗、インドネシアに2店舗、マレーシアに1店舗、中国に2店舗それぞれ出店した一方で、米国で1店舗、台湾で1店舗、中国で10店舗、フィリピンで1店舗、ベトナムで1店舗閉店したことから、同期末の店舗数は134店舗(前期末比増減なし)となった。

同期は、新型コロナウイルスの感染拡大による客数減少が、1月と2月に米国とオーストラリアで、4月と5月に台湾でそれぞれ発生したものの、その後は急速に回復し、売上高も好調に推移した。しかしながら、全世界的なインフレ傾向を受け、原材料価格の高騰や、賃金・物流費の上昇等、コスト面においてさまざまな対応が求められた。このような状況のもと、提供商品の見直し、人財配置の見直し、DX(デジタルトランスフォーメーション)施策の導入等で、各地域の店舗運営体制の抜本的な見直しを行った。

商品販売事業

商品販売事業の売上高は前期比29.7%増の28億7,200万円、セグメント利益は同49.5%増の4億200万円と増収増益となった。

同期は、国内において、主力である一風堂関連商品の売上を強化すべく、一風堂チルド麺の導入や新商品投入による商品ラインナップの充実、自社ECサイトにおける販促施策・小売事業者への営業に注力した。加えて、ラーメン自動調理機「Yo-kai Express」への商品の供給および開発を行った。

一方、海外では「プラントベース白丸・赤丸」乾麺タイプの拡販に努めた。その結果、プラントベース商品の関心の高まりから、輸出販売が好調に推移した。

2024年3月期も最終利益で過去最高へ

5月12日、力の源ホールディングスは2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比8.6%増の283億6,100万円、本業の利益を示す営業利益で同11.4%増の25億4,000万円、経常利益で同10.5%増の25億6,400万円、最終利益で同11.8%増の18億2,100万円となる見通しを示した。見立て通りとなれば、同期も最終利益で過去最高を更新することとなる。

なお、冒頭でも述べた通り、7月5日発表の6月の月次業績動向速報では、国内既存店売上高が前年同月比18.8%増と15カ月連続のプラスを記録したほか、海外既存店売上高(直営店舗)も同21.6%増と16カ月連続のプラスを記録するなど好調に推移している。

引き続き、力の源ホールディングスの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:外食産業「復活」への期待
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