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食後のガム咀嚼でエネルギー消費が増加する――ロッテと早稲田大学の研究成果

脂肪燃焼,食べ物
(画像= RioMat / 写真AC、La Caprese)

「食後のガム咀嚼が4時間にわたってエネルギー消費量を増加させる」――。2023年2月15日、ロッテ(本社:東京都新宿区)と早稲田大学スポーツ科学学術院の宮下政司教授らのグループとの共同研究にて、そのような成果が発表された。

デスクワークなどにより、長時間にわたり座り続けることが多い昨今、運動不足などによるエネルギー消費量の減少が危惧されている。そこで本研究では、座りながらでも手軽に行える「ガム咀嚼」を食後に行うことでエネルギー消費量にどのような影響を与えるか、ヒト試験により検証した。結果は前述の通りで、「食後のガム咀嚼が4時間にわたってエネルギー消費量を増加させる」ことが確認された。

なお、本研究成果は「日本咀嚼学会雑誌 (2022年32巻2号)」に論文掲載された。
本研究の要旨は以下の通りである。

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1日3食、1年間に換算すると2万1,024kcalの消費に!

脂肪燃焼,食べ物
出典:ロッテ
研究概要

【対象】20歳~60歳代の健常な男女13名(無作為化交差比較試験、エネルギー消費解析対象者)
【方法】食事後にガム2粒を20分間咀嚼してもらい、ガム摂取から計4時間呼気代謝計測機でエネルギー消費量や糖質酸化量、食事誘発性体熱産生などを計測(コントロールとして食前45分間も呼気代謝計測器にて同様に測定)。また、対照試行においては同栄養成分のタブレット2粒で上記同様の測定を行った。

食後のガム咀嚼が4時間にわたってエネルギー消費量を増加させる

食後に20分間ガムを咀嚼することで、タブレット摂取した場合と比較し食後のエネルギー消費量、糖質酸化量、食事誘発性体熱産生などが4時間にわたって増加することが確認された。

脂肪燃焼,食べ物
脂肪燃焼,食べ物
脂肪燃焼,食べ物
(図1)(図2)(図3) 出典:ロッテ
早稲田大学スポーツ科学学術院 宮下政司教授のコメント

1日3食、1年間に換算すると2万1,024kcalの消費

早稲田大学スポーツ科学学術院
宮下政司教授

テレワークやデスクワークにより、日常的に座りっぱなしの方は多いと思います。しかし過度な座位行動は、立位や歩行などと比較してエネルギー消費量が少ないことから肥満などのリスクが懸念されます。しかしながら「噛むこと」を食後に加えることで、座りながらでもエネルギー消費が長時間にわたって大きくなることが分かりました。食事1回あたりの消費増加は19.2kcalと小さくみえますが、1日3食、1年間に換算すると2万1,024kcalの消費となり、約3kgの体重増加抑制効果につながる可能性があります。

メカニズムとしては、食後のガム咀嚼により、食事誘発性体熱産生として摂取した糖質を効率的に代謝することで、エネルギー消費量の増大につながった可能性が考えられます。ガムは手軽に摂取することができますので、食後のデスクワーク中にでも是非ガムを噛んでみてはいかがでしょうか。

参考

【掲載紙】日本咀嚼学会雑誌 (2022年32巻2号、71-79)
【タイトル】食後のガム咀嚼がエネルギー消費と基質酸化に与える影響
【著者】永山千尋、濱田有香、菅野範、松井美咲、大澤謙二、亀本佳世子、田髙悠晟、宮下政司

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