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ユアサ商事、2期連続の過去最高益へ。株価は年初来高値、創業360年を見据え中期経営計画を推進

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(画像= Canva、La Caprese)

2023年6月9日、東京証券取引所でユアサ商事の株価が一時4,485円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年2月3日の安値3,460円から4カ月で29.6%の上昇である。

ユアサ商事は、東京都千代田区に本社を置く複合専門商社グループである。その源流は、1666年に初代の湯淺庄九郎氏が京都に開いた木炭商にまでさかのぼる。今年で創業357年目を迎える、日本でも有数の歴史を誇る企業であり、現在では工場設備(工業機械、産業機器)、住環境(住設、管財、空調)、建材(建築、エクステリア)、建設機械等をコア事業とする複合専門商社グループに成長した。

そんなユアサ商事は、創業360年を迎える2026年に売上高で5,760億円、経常利益で200億円、経常利益率で3.3%を目標とする中期経営計画『Growing Together 2026』を展開中だ。さらに後段で述べる通り、5月12日に発表した①2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績で過去最高益を更新したこと、②2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想についても増収増益となり、2期連続で過去最高益を更新する見通しが示されたこと、③2024年3月期の年間配当を前期比32円増の172円に増配する方針を示したこと……なども株価に追い風となった。

今回はユアサ商事の話題をお届けしたい。

ユアサ商事、過去最高益を更新

5月12日、ユアサ商事は2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前期比9.1%増の5,048億600万円、本業の利益を示す営業利益は同22.9%増の145億9,900万円、経常利益は同31.0%増の153億8,200万円、純利益は同25.1%増の100億7,900万円と増収増益となり、営業利益・経常利益・純利益で過去最高益を更新した。

セグメント別の状況は以下の通りである。

産業機器部門

産業機器部門の売上高は前期比4.5%増の774億4,000万円となった。

同期は、自動車関連産業の一部で車載半導体不足の影響が続いたものの、工場稼働率は堅調に推移し、制御関連機器を中心に販売が伸長した。このような状況下、在庫・物流機能を拡充するとともに、カーボンニュートラルへの関心の高まりに対応した省エネ商材の拡販に努めた。また、スマートファクトリーの実現に向けた生産現場の自動化・合理化やローカル5Gを活用した新商材の提案営業にも注力した。

工業機械部門

工業機械部門の売上高は前期比15.9%増の1,185億1,500万円と大幅な増収となった。

同期は、自動車関連産業でEV用モーターなど関連部品が好調に推移したほか、建機・農機、航空機関連産業にも回復の兆しがみられ、ロボットなど省人化・省力化需要も堅調に推移した。また、環境意識の高まりにより、カーボンニュートラル商品の需要も増加した。海外では東南アジア諸国を中心に、景気は緩やかに回復しており、原材料費などの高騰の影響があったものの、生産設備の大型案件が増加した。このような状況下、同期は多関節ロボットを使用したロボットシステム「Robo Combo」などの商品・システムの販売に注力するとともに、各種補助金を活用した無人化・コストダウン・安定加工、カーボンニュートラルへの対応に向けた省エネ推進や工場内環境改善のシステム提案に取り組んだ。

住設・管材・空調部門

住設・管材・空調部門の売上高は前期比8.3%増の1,779億1,500万円となった。

同期は、持家の新築着工戸数が弱含みで推移したものの、分譲住宅やリフォームの需要は堅調に推移した。水廻りを中心とした住宅設備機器、バルブ、ポンプなどの管材商品の一部には納期遅れなどがみられたが、底堅い動きとなった。また、省エネに対するニーズは高く、空調関連機器の販売も伸長した。再生可能エネルギー分野では、エネルギーコストの上昇やカーボンニュートラルを見据えた需要が増加し、太陽光パネル、蓄電池などの販売が堅調に推移した。このような状況下、非住宅向けの管材、空調機器などの商品販売と、カーボンニュートラルに向けたシステム提案やエンジニアリング機能の強化に努めた。

建築・エクステリア部門

建築・エクステリア部門の売上高は前期比10.9%増の516億3,800万円となった。

同期は、物流施設やマンション建設が増加し、エクステリア商材および建築金物商材が首都圏・東海圏を中心に堅調に推移するとともに、物置や宅配ボックスのニーズも引き続き高く、販売が増加した。また、公共設備投資では自然災害対策や交通事故対策関連商品が堅調に推移した。このような状況下、同期は転倒リスクのあるコンクリート塀に代わるアルミ目隠しフェンス、ゲリラ豪雨被害対策として冠水センサー付き車止め、止水板などのレジリエンス製品やセキュリティ向上・省人化を図る車番認証ゲートの提案・拡販に注力した。

建設機械部門

建設機械部門の売上高は前期比9.0%増の365億3,300万円となった。

同期は、インフラ整備や防災・減災工事など公共工事とともに、民間設備投資も堅調に推移した。レンタル会社の建設機械需要や土木系商材の需要は底堅い動きとなったが、引き続き資材・エネルギー価格の高騰、建設技能者不足の影響もみられた。このような状況下、同期は工事現場の安全対策を重視した商品の拡充、高所作業車や新たな輸入商品として油圧ショベルやキャリアダンプの拡販に注力した。同時に、中古建機オークション事業をはじめ、コンテナハウス製造や建設機械の整備・レンタル機能の拡充にも努めた。

エネルギー部門

エネルギー部門の売上高は前期比1.2%増の191億900万円となった。

同期は、経済活動の正常化が進み、需要に回復がみられたものの、ウクライナ情勢の長期化による影響からガソリン・軽油などの石油製品価格は依然として高値で推移した。このような状況下、東海地方を中心に展開しているガソリンスタンドの小売事業では、洗車、車検、コーティングなどのカーケアサービスの強化に努めた。同時に、京浜地区における船舶用燃料の販売強化にも取り組んだ。

その他

その他の売上高は前期比2.1%増の236億5,400万円となった。

同期は、消費財事業において原材料費の高騰や円安の影響がみられたものの、季節家電の新商品開発と拡販に努めた。また、ネット販売事業では多様化する顧客ニーズに対応し、SNS等を活用した販売サイト運営に注力した。木材事業では、新設住宅着工戸数が低調に推移したことにより国内需要が低迷するとともに円安の進行により厳しい販売状況が続いたものの、新規仕入先の開拓や国産材を活用した商品開発および拡販に努めた。

創業360年を見据え、中期経営計画『Growing Together 2026』を推進

ユアサ商事は、今後の経済情勢について、経済活動の正常化が進むものの、ウクライナ情勢などの地政学リスクやエネルギー価格の上昇による影響など、国内・世界経済ともに不透明な経済環境が続くとの認識を示した。その一方で、脱炭素社会の実現に向けた環境・省エネへの取組みは一層の拡大がみられるとともに、AI/IoT・ロボット技術を用いた自動化や省人化の進展が見込まれるとの考えを明らかにした。

このような状況下、ユアサ商事は創業360周年を迎える2026年を見据えた『ユアサビジョン360』実現の第3ステージとして、2023年4月から2026年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画『Growing Together 2026』をスタートした。中期経営計画では「風土改革」「DX推進」「サステナビリティ推進」をベースとしてビジネス変革を推進し、モノづくり、すまいづくり、環境づくり、まちづくりの分野において既存取引ネットワークを発展させ、「モノ売り」と「コト売り」の両面においてマーケットアウト型のビジネスを展開することで、企業価値向上を目指す。同時に、350年以上受け継がれてきた経営基盤をさらに進化させるため、企業理念に基づいた「サステナビリティ宣言」を策定し、持続的な社会の構築に向け、積極的に貢献する方針である。その結果、2026年には売上高で5,760億円、経常利益で200億円、経常利益率で3.3%を目標としている。

なお、ユアサ商事は2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について売上高で前期比3.6%増の5,230億円、本業の利益を示す営業利益で同5.5%増の154億円、経常利益で同6.6%増の164億円、純利益で同16.1%増の117億円となる見通しを示した。見立て通りとなれば、営業利益・経常利益・純利益で2期連続の過去最高益となる。さらに、冒頭で述べた通り、2024年3月期の年間配当については、前期比32円増の172円に増配する方針を示した。

引き続き、ユアサ商事の業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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