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ローソン、今期は最終利益で過去最高へ。株価は昨年来高値、配当も増額修正

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(画像= La Caprese)

2024年1月17日、東京証券取引所でローソンの株価が一時8,449円まで買われ、昨年来高値を更新した。2023年1月12日の安値4,885円から1年で73.0%の上昇である。

ローソンは、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、エンタテインメント事業、金融関連事業等を展開する企業である。その源流は、1939年に米国のオハイオ州で酪農家のJ・J・ローソン氏が始めた牛乳販売店にまでさかのぼる。現在の社名と「青地に白のミルク缶マーク」は、当時の牛乳販売店に由来するものである。日本では1975年よりダイエーがチェーン展開を行い、現在は三菱商事の子会社として事業展開している。

後段で述べる通り、1月12日にローソンが発表した、❶2024年2月期・第3四半期(2023年3月1日~2023年11月30日)の連結業績が大幅な増益となったことに加え、❷2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想を上方修正し、最終利益で過去最高を見込んでいた従来予想に上乗せしたこと、❸2024年2月期の年間配当を従来予想の235円から250円に増額修正したこと……などが株価にも刺激材料となった。

今回はローソンの話題をお届けしよう。

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ローソン、創立50周年を迎える2025年に向けて

1月12日、ローソンは2024年2月期・第3四半期(2023年3月1日~2023年11月30日)の連結業績を発表した。同期の営業収益は前年同期比9.0%増の8,141億4,300万円、事業利益は同36.0%増の752億8,100万円、税引前四半期利益は同43.9%増の678億2,900万円、最終利益は同48.7%増の458億8,200万円と大幅な増益となった。

セグメント別の概況は以下の通りである。

国内コンビニエンスストア事業

国内コンビニエンスストア事業の営業収益は前年同期比8.0%増の5,654億3,400万円、セグメント利益は同33.8%増の563億700万円となった。

同期は、大変革実行委員会で進めてきた店舗改装および冷凍食品や日用品等の日常使いの商品の拡充を基盤に、各エリアカンパニーで品揃えの「幅」と在庫の「量」にこだわった売場の強化を推進した。前年に本格導入した「無印良品」の導入店舗数は2023年11月末日現在で1万2,689店舗となった。また、創立50周年を迎える2025年に向けて「新・マチのほっとステーション」を実現するためのプロジェクト「ハッピー・ローソン・プロジェクト!(ハピろー!)」も引き続き展開した。加えて、食品ロスやプラスチック使用量およびCO2 (二酸化炭素)排出量の削減といった地球環境に配慮した取り組みを継続した。

成城石井事業

成城石井事業の営業収益は前年同期比1.0%増の819億200万円、セグメント利益は同6.8%減の87億1,600万円となった。

2023年11月末日現在の成城石井の直営店舗数は181店舗となった。新型コロナウイルス禍で伸び悩んでいたオフィス店舗の売上が回復した。商品では日配食品や自社のセントラルキッチンで製造している自家製惣菜の売上が堅調に推移したほか、路面店舖を中心に青果、精肉、鮮魚などの生鮮品の売上も伸長した。また、11月には1号店である成城店を新たな旗艦店として全面リニューアルした。

エンタテインメント関連事業

エンタテインメント関連事業の営業収益は前年同期比13.2%増の608億1,700万円、セグメント利益は同24.5%増の53億1,600万円となった。

同期は、ローソンエンタテインメントのチケット事業において、コンサートやレジャーなどのジャンルが活況を呈した。加えて、各ジャンルで案件獲得および販売強化に注力した結果、チケットの取扱高は前年同期を上回った。また、音楽・映像ソフトの専門店「HMV」などの店舗における物販事業では、人流の増加による売上伸長に加えコンサートやイベントの開催増加に伴い関連商品も売上を牽引した。EC事業では、アーティストグッズなどに加えコスメなどの商材領域の拡大にも取り組んだ。なお、「HMV」を中心に書籍・CD・DVDなどを販売する複合店「HMV&BOOKS」やレコード専門店「HMV record shop」を含め、2023年11月末日現在の店舗数は52店舗となった。

一方、シネコン事業を行うユナイテッド・シネマについては、春の大型連休や夏休みに続き集客力の高い話題作品が公開されたことや、高単価の体感型映画上映システムの作品が好調だったことなどから、動員客数および売上が前年同期を上回った。2023年11月末日現在、全国43劇場、398スクリーンを展開している。

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金融関連事業

金融関連事業の営業収益は前年同期比2.9%増の267億6,700万円、セグメント利益は同20.1%減の23億8,500万円となった。

同期は、まずローソン銀行のATMネットワークやATMの基盤を活用した新しいサービスの拡充に注力した。2023年11月末日現在、全国のATM設置台数は1万3,579台、1日1台当たりのATM平均利用件数は55.7件、提携金融機関数は全国で391金融機関となった。また、ATMでの現金チャージの提携先は5社、「スマホATM(QR入出金)」の提携先は8社、「即時口座決済サービス」の提携先は24社(金融機関18行、サービス事業者6社)、海外送金専用カードの提携先は11社となった。現金の入出金に加え、キャッシュレス決済サービスへのチャージ取引などがATM利用件数の増加に寄与した。また、ローソン銀行ATMでの入出金取引後にPontaカードを読み取ることでPontaポイントがたまる「ローソン銀行ATM Pontaポイントたまるサービス(愛称:ぽんたまATM)」を10月から開始した。

海外事業

海外事業の営業収益は前年同期比27.2%増の881億2,400万円、セグメント利益は25億1,100万円(前年同期は34億8,800万円のセグメント損失)となった。

中国では、2023年8月に6,000店舗を突破し、11月末日現在の店舗数が6,251店舗と前期末比で631店舗の純増となった。ローソンの子会社による出店に加え、各都市における地場小売企業とのメガフランチャイズ契約による出店や、パートナー企業が本部機能を持ち指定エリアにおける運営開発全般を担うエリアライセンス契約による出店などを進め、出店エリアと店舗数の拡大を加速させた。

一方、中国以外の地域(タイ・インドネシア・フィリピン・米ハワイ州)も売上が伸長した。店舗出店加速の体制も整いつつあり、タイ・インドネシア・フィリピン・米ハワイ州の4カ国合計で2023年11月末日現在の店舗数が964店舗と前期末比で424店舗純増し、同地域では過去最大の出店を実現した。

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今期は最終利益で過去最高へ。配当も増額修正

1月12日、ローソンは2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想について、営業収益で前期比9.0%増の1兆900億円、事業利益で同36.8%増の880億円、税引前利益で同58.1%増の745億円、最終利益で同68.3%増の500億円となる見通しを示した。これは従来予想(2023年10月13日公表)に比べて営業収益でプラス0.9%、事業利益でプラス3.5%、税引前利益でプラス5.7%、最終利益でプラス6.4%の上方修正である。

ローソンは上方修正の理由について、ローソン単体の売上および総荒利益率が想定以上に堅調に推移したことを挙げている。見立て通りとなれば、最終利益で過去最高を見込んでいた従来予想を30億円上回る計算である。なお、冒頭でも述べた通り、ローソンは2024年2月期の年間配当を従来予想の235円から250円への増額修正も発表している。

引き続き、ローソンの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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