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ローソン、国内コンビニ事業が好調。株価は年初来高値、増配方針など刺激材料も

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(画像= La Caprese)

2023年4月20日、東京証券取引所でローソンの株価が一時6,000円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月12日の安値4,885円から3カ月で22.8%の上昇である。

ローソンは、コンビニエンスストア「ローソン」等やスーパーマーケット「成城石井」のほか、エンタテインメント事業や金融関連事業等も展開する企業である。その源流は、1939年に米国のオハイオ州で酪農家のJ・J・ローソン氏が始めた牛乳販売店にまでさかのぼる。現在の社名と青地に白のミルク缶マークは、当時の牛乳販売店に由来するもの。日本では1975年よりダイエーがチェーン展開を行い、現在では三菱商事の子会社として、前述のコンビニやスーパー、エンタメ、金融事業などを展開している。

後段で述べる通り、ローソンが4月13日に公表した2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)の連結業績が大幅な増収増益となったほか、2024年2月期(2023年3月1日~2024年2月29日)の年間配当を前期比50円増の200円に増配する方針を示したことも刺激材料となったようだ。

今回はローソンの業績を見てみよう。

ローソン、最終利益は37.9%増

4月13日、ローソンは2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)の連結業績を発表した。同期の営業総収入は前期比41.6%増の9,886億2,100万円、本業の利益を示す営業利益は同16.9%増の550億5,600万円、経常利益は同12.4%増の534億5,300万円、最終利益は同37.9%増の246億8,900万円と大幅な増収増益となった。

同期は、2020年9月に立ち上げたローソングループ大変革実行委員会のもと、国内コンビニエンスストア事業において店舗改装や商品刷新を行うとともに、ローソングループ全体で持続的な成長に向けた中長期課題の解決、新たな収益機会の獲得および働きがいの向上などに取り組んだ。また、2022年度は「地域密着×個客・個店主義」を戦略コンセプトに掲げ、北海道、近畿で先行してエリアカンパニー制を導入した。エリアカンパニーは、本社とエリアのそれぞれの役割と裁量を見直し、より現場への権限・裁量を付与して迅速な意思決定、仮説・検証サイクルの高速化に取り組んだ。

主なセグメント別の状況は以下の通りである。

国内コンビニが好調、営業総収入は62.8%増

国内コンビニエンスストア事業の営業総収入は前期比62.8%増の6,913億6,300万円、セグメント利益は同37.3%増の390億100万円と大幅な増収増益となった。

同期は、2022年3月のまん延防止等重点措置の解除以降、人流は総じて増加傾向となった。そうした中、消費者の生活スタイルの変化に対応し、冷凍食品や日用品など日常使いの商品を拡充するとともに、消費者ニーズにより応えられるよう、個々の店舗の特性・状況に見合った店舗改装を進めた。同期は2,985店舗の改装を完了し、2023年2月末日現在の改装店舗は前年度からの累計で7,290店舗となった。

一方、店舗改装と併せて進めていた店内調理サービス「まちかど厨房」の導入は、2023年2月末現在9,191店舗に拡大した。加えて、2022年5月からローソン店舗への「無印良品」の本格導入を開始し、2023年2月末現在の導入店舗数は前年度の先行導入店を含め9,621店舗となった。

また、創立50周年を迎える2025年に向けて、2022年6月から「新・マチのほっとステーション」を実現するためのプロジェクト「ハッピー・ローソン・プロジェクト!(ハピろー!)」を開始し、すべての消費者から支持されるローソンを目指し、「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」の3つの約束を実現するための施策を推進した。

成城石井事業は前期比横ばい

成城石井事業の営業総収入は前期比0.8%増の1,095億4,100万円、セグメント利益は同0.5%減の111億8,900万円となった。

成城石井の直営店舗数は2023年2月末現在で175店舗となった。上期は前年同期の新型コロナウイルス禍における巣ごもり需要の取り込みの反動により、路面大型店を中心に青果・精肉・鮮魚などの生鮮食品やグロサリー、菓子の売上が伸び悩んだが、下期は各種施策の展開や広報活動の強化などにより、自社のセントラルキッチンで製造している自家製惣菜を中心に売上が堅調に推移した。2022年7月には新たなセントラルキッチンの操業開始により製造能力が従前の約2倍になるなど、自家製商品の開発強化や自社製造比率の向上に取り組んだ。

エンタメ事業、チケット取扱高はコロナ前を上回る

エンタテインメント関連事業の営業総収入は前期比14.6%増の721億6,700万円、セグメント利益は同74.2%増の39億6,300万円となった。

同期は3年ぶりの行動制限のない状況の中、コンサートなどの開催が活況を呈した。このような状況下、ローソンエンタテインメントのチケット事業では、各ジャンルで案件獲得に注力した結果、通期でチケットの取扱高はコロナ前の2019年度を上回る水準に回復した。また、音楽・映像ソフトの専門店「HMV」などの店舗における物販事業も、前期比で伸長した。一方、EC事業は巣ごもり需要の一巡により売上は減少したものの、エンタメグッズ・コスメなど商材領域の拡大に取り組んだ。

なお、「HMV」を中心に、書籍・CD・DVDなどを販売する複合店「HMV&BOOKS」やレコード専門店「HMV record shop」を含め、2023年2月末日現在の店舗数は55店舗となった。

一方、シネコン事業を行うユナイテッド・シネマは、通期で動員客数が増加した。会員へのクーポン配布をはじめとした集客施策やデジタル広告の販売などを強化したことにより売上が増加した。2023年2月末現在、全国44劇場、399スクリーンを展開している。

金融関連事業は増収増益

金融関連事業の営業総収入は前期比2.6%増の344億8,600万円、セグメント利益は同31.1%増の38億8,200万円となった。

同期の金融関連事業は、ローソン銀行のATMネットワークやATMの基盤を活用した新しいサービスの拡充に努めた。2023年2月末現在、全国のATM設置台数は1万3,519台、1日1台当たりのATM平均利用件数は52.6件、提携金融機関数は全国で384金融機関となった。

また「スマホATM(QR入出金)」の提携先は7社、「即時口座決済サービス」の提携先は23社(金融機関18行、サービス事業者5社)、海外送金専用カードの提携先は7社となった。現金を入出金する従来の需要に加え、キャッシュレス決済サービスへのチャージ取引などがATM利用件数の増加に寄与した。

海外事業、中国のゼロコロナ政策の影響も

海外事業の営業総収入は前期比15.1%増の921億3,200万円、セグメント損失は30億6,400万円(前期はセグメント利益23億4,200万円)なった。

海外事業の主力である中国では、2023年2月末現在の店舗数が5,620店舗となった。出店エリアと店舗数の拡大を加速した結果、2022年7月に日系コンビニエンスストアとしては店舗数で初めて5,000店舗を超えた。しかしながら、2022年4月以降は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて中国全土で大規模な行動規制が実施され、上海市全域でのロックダウンにより華東地区では約半数の店舗が休業になるなどの影響を受けた。2022年6月のロックダウン解除後はほぼ全店で営業を再開できたものの、その後も各地域で行動規制および行動自粛が断続的に続いた。また2022年12月初旬にゼロコロナ政策が緩和された後は店舗従業員の陽性者が増加し、休業・時短営業を余儀なくされる店舗が発生するなど、一年を通して厳しい事業環境となった。とはいえ、感染のピークが過ぎた都市から人流も回復しており、休業・時短営業店舗数も減少し、日販も回復傾向を示している。

一方、中国以外の地域は回復傾向にあり、休業や時短営業を実施していた店舗もほぼ全店で通常営業を再開したほか、店舗出店加速の体制も整いつつある。

ローソン、2024年2月期は最終利益で290億円を予想

4月13日、ローソンは2024年2月期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想について、最終利益で290億円となる見通しを示した。ちなみに、ローソンは2024年2月期より会計基準を日本基準から「国際会計基準」に移行するため、前期との比較を示していない。

なお、冒頭で述べた通り、ローソンは2024年2月期の年間配当を前期比50円増の200円に増配する方針を示した。ローソンは2025年度までの段階的な増配方針も明らかにしていることから、株式市場ではポジティブに受け止めるムードが広がったようだ。

引き続き、ローソンの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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