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オリエンタルランドがV字回復。純利益10倍、株価は年初来高値

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(画像= うちこ / 写真AC、La Caprese)

2023年5月2日、東京証券取引所でオリエンタルランドの株価が一時4,949円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月5日の安値3,723円から4カ月で32.9%の上昇である。

オリエンタルランドは、東京ディズニーリゾートを経営する企業である。東京ディズニーリゾートは、1983年4月15日にオープンした東京ディズニーランドを皮切りに、世界初の海をテーマにした東京ディズニーシー、複合ショッピング施設のイクスピアリ、ディズニーアンバサダーホテルなどのホテル群等を備える世界有数のバケーションリゾートである。ちなみに、東京ディズニーリゾートの年間入場者数は2019年度までは約3,000万人を誇っていたが、新型コロナウイルス禍の2020年度に756万人にまで落ち込んだ。その後、2021年度に1,205万人、2022年度は2,209万人と回復している。

2023年度は新型コロナ禍の行動制限の緩和に加えて、開園40周年を迎える。そうした中、4月27日に発表された①2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績が大幅な増収増益となったことに加え、②2023年3月期の年間配当を40円と前の期より12円増額すると発表したこと、③さらに2024年3月期の年間配当を9円とする(4月1日付で実施した株式分割を考慮すると実質5円の増配)と発表したことなどが株価に追い風となった。

今回はオリエンタルランドの話題をお届けしよう。

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オリエンタルランド、2023年3月期の純利益10倍

4月27日、オリエンタルランドは2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前期比75.2%増の4,831億2,300万円、本業の利益を示す営業利益は1,111億9,900万円(前期は77億3,300万円の営業利益)、経常利益は前期比891.2%増の1,117億8,900万円、純利益は同900.7%増の807億3,400万円と大幅な増収増益となった。

同期は、テーマパーク事業において、さまざまなスペシャルイベントや東京ディズニーシーの新規ナイトタイムエンターテイメント「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」が奏功したこと、政府・自治体の観光需要の喚起策の影響もありレジャー需要が回復したことなども追い風となった。また、ゲスト1人当たりの売上高も、新たに導入した「ディズニー・プレミアアクセス」等により増加した。ホテル事業においては、2022年4月より東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルがオープンした。これらの要因により、上記の通り、純利益で前期比10倍(900.7%増)のV字回復となった。

セグメント別の概要は以下の通りである。

テーマパーク事業、ゲスト1⼈当たりの売上高が過去最高

テーマパーク事業のセグメントは、売上高が前期比81.2%増の3,960億円、営業利益は933億9,400万円(前期は25億1,200万円の営業利益)となった。

同期は「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡⼤予防ガイドライン」の緩和に伴い、キャストの採⽤状況、ゲストの満⾜度や待ち時間などを総合的に勘案し、段階的に⼊園者数の上限を引き上げた。上期は、レジャー市場の停滞感を打破するために「キッズサマーファン!キャンペーン」を実施したほか、下期は政府・⾃治体による観光需要の喚起策によってレジャー需要が回復する中で、10⽉からイベントワクワク割対象チケットを販売、さらに11⽉からスタートした東京ディズニーシーの新たなナイトタイムエンターテイメント「ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜」が好調に推移した。

ゲスト1⼈当たりの売上高は、前期比6.2%増の1万5,748円と過去最高を更新した。アトラクション・ショー収⼊は、ディズニー・プレミアアクセスの導⼊などにより増加した。商品販売収⼊もリーナ・ベル関連商品の発売に加え、レギュラー商品や⾷品の好調などにより増加した。その一方で、飲⾷販売収⼊は減少した。

ホテル事業も大幅な増収増益

ホテル事業のセグメントは、売上高が前期比55.7%増の738億円、営業利益は同178.5%増の172億円となった。同期は新型コロナウイルス禍の行動制限が段階的に緩和される中、販売客室数の制限を解除したことや、東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルの開業などにより、大幅な増収増益となった。

その他の事業のセグメントは、売上高が前期比35.3%増の131億円、営業利益は2億円(前期は13億円の営業赤字)となった。同期は新型コロナウイルス禍の行動制限が段階的に緩和される中、乗降客数の増加に伴うモノレール事業の増加に加え、不動産賃料収⼊の増加によるイクスピアリ事業の売上⾼の増加により、セグメント全体の売上高が大幅に増加し、営業損益も黒字に転換した。

40周年の今期は年間入場者数で2,510万人を想定

4月27日、オリエンタルランドは、2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比12.6%増の5,439億5,400万円、本業の利益を示す営業利益で同9.9%増の1,221億6,900万円、経常利益で同9.6%増の1,225億6,400万円、純利益で同7.8%増の869億9,100万円となる見通しを示した。

オリエンタルランドはその理由について、①東京ディズニーリゾート40周年イベントの実施や、訪⽇外国⼈旅⾏者数の回復による海外ゲストの増加により、年間入場者数で2,510万人を想定していること、②ゲスト1⼈当たりの売上⾼は、アトラクション・ショー収⼊と商品販売収⼊が過去最⾼を更新し、全体としても1万6,030円と過去最⾼を見込んでいること、③ホテル事業は、テーマパーク⼊園者数の増加などに伴う宿泊収⼊の増加により、増収増益が見込まれること、④その他の事業も、テーマパーク⼊園者数の増加に伴うモノレール事業の増収や、不動産賃料収⼊の増加に伴うイクスピアリ事業の増収が予想されること……を挙げている。

なお、冒頭で述べた通り、オリエンタルランドは2024年3月期の年間配当を9円とすると発表した。4月1日付で実施した株式分割を考慮すると実質5円の増配である。

引き続き、オリエンタルランドの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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