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パリミキホールディングス、営業利益は283.6%増。サングラス中心に売上好調、通期の業績予想を上方修正

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※画像はイメージです。(画像= acworks / 写真AC、La Caprese)

2023年12月5日、東京証券取引所でパリミキホールディングスの株価が一時526円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年1月16日の安値252円から11カ月ほどで108.7%の上昇である。

パリミキホールディングスは、メガネやサングラス、コンタクトレンズなどのアイウェア専門店を展開する企業を傘下に置く持株会社である。その源流は1930年に兵庫県姫路市にて創業した正確堂時計店にまでさかのぼる。今年で創業93年目を迎えるアイウェアの老舗(しにせ)であり、2022年12月31日時点で国内646店舗、海外103店舗を展開している。

後段で述べる通り、パリミキホールディングスが公表した、❶2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績で営業利益が前年同期比283.6%増となるなど好調を示したことに加え、❷2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想を大幅に上方修正したこと……などが株価にも追い風となった。

今回はパリミキホールディングスの話題をお届けしよう。

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パリミキホールディングス、営業利益は283.6%増

11月14日、パリミキホールディングスは2024年3月期・第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)の連結業績を公表した。同期の売上高は前年同期比6.7%増の252億2,000万円、本業の利益を示す営業利益は同283.6%増の15億7,800万円、経常利益は同172.0%増の20億6,800万円、純利益は同243.9%増の15億1,800万円となった。

同期は、新型コロナウイルス禍で客足が減少し苦戦していたサングラスや補聴器の売上が好調に推移した。特に夏場に向けて商品の準備(調達)や販促に注力していたサングラスの売上が大幅に伸長したほか、インバウンド需要の拡大に伴い免税売上も回復し、国内売上高の増加に貢献した。他方、海外事業では全ての法人がコロナ禍以前の営業ができる状態に戻ってはいるものの、業績の回復が遅れている法人もあり、人手不足の問題や、他のテナントが出揃わずオープン予定が延期となる新店があるなど、厳しい情勢となった。とはいえ、人手不足も徐々に解消されつつあり、さらに客足が戻れば改善してくるものと期待されている。

セグメント別の概況は以下の通りである。

日本事業

日本事業の売上高は前年同期比6.1%増の222億7,500万円、セグメント利益は同300.2%増の15億9,100万円となった。

同期は、主要子会社のパリミキにおいて、2023年4月1日より新経営体制となって以降、さらなる利益体質にすべく不採算店の退店や移転統合を伴う出店・改装など計画的な投資を行いながら、投資回収計画についても精度を高め慎重に検討し進めた。

売上高については、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和で人々の行動が活発になったことに伴ってサングラスの伸びが堅調であったことが全体を牽引した。サングラスについてはマーケットの需要拡大も視野に入れ、商品の準備をしていたことと暑い日々が続いたなかで機会損失を最小限に抑えられたことでさらに良い結果につながったと見られる。また、コロナ禍では客足が減少し、売上の落ち込みが大きかった補聴器については、順調に回復していることと、さらにマーケットも拡大しつつあるなか、補聴器の装用を始めやすい月々の貸出サービスも堅調に推移した。

販売費および一般管理費については、前年同期間に行ったテレビCMを一部デジタル広告にシフトするなど、内容を見直したことにより広告宣伝費が抑えられたこと、また先に述べた設備活動費については精査して投資を行っていることもあり減少した。一方、商品戦略では、主に団塊ジュニア世代に向けた累進レンズ(遠近)の提案に積極的に取り組み、お求めやすい価格、使用シーンに合わせた多様な提案を行った。

海外事業

海外事業の売上高は前年同期比10.2%増の30億2,700万円、セグメント損失は1,300万円(前年同期は1,300万円のセグメント利益)となった。

同期は、海外子会社において新型コロナウイルスの収束に伴い、全ての法人が通常の営業ができる状態となった。しかしながら、国によってはコロナ禍からの業績回復が遅れている法人や、人材確保に課題のある法人もあり、また人件費の増加がみられるなど、様々なコストが増えたことで、海外法人合計では営業赤字となった。

なお、将来性を見据えて眼科病院とのコラボレーションを展開しているフィリピン法人やカンボジア法人については、入居する商業施設のテナントが出揃わずオープン予定が延期になるなどしたため、売上に先行して費用が発生するなど、利益面で貢献するまでにはもうしばらく時間がかかりそうな見込みである。

サングラス中心に売上好調、通期の業績予想を上方修正

11月8日、パリミキホールディングスは2024年3月期・通期(2023 年4月1日~2024 年3月 31 日)の連結業績予想について、売上高で前期比4.2%増の494億円、本業の利益を示す営業利益で同145.8%増の18億円、経常利益で同91.4%増の23億1,000万円、純利益で同221.8%増の16億1,500万円となる見通しを示した。これは従来予想(5月12日公表)に比べて、売上高でプラス2.3%、営業利益でプラス75.6%、経常利益でプラス90.9%、純利益でプラス164.8%の上方修正である。

パリミキホールディングスは上方修正の理由について、①新型コロナウイルスの5類感染症への移行に伴い、人々の行動が活発になり外出の機会が増えたことで、サングラスを中心に売上が好調であったこと、②コロナ禍で客足が減少していた補聴器販売やインバウンド売上も順調に回復しており、期初に売上高の増加は見込んでいたものの想定を上回って推移したこと、③為替差益の計上……などを挙げている。

引き続き、パリミキホールディングスの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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