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大戸屋ホールディングス、株価は上場来高値。V字回復が鮮明、今期は最終利益で290.4%増を予想

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(画像= ☆エマ☆ / 写真AC、La Caprese)

2023年8月31日、東京証券取引所で大戸屋ホールディングスの株価が一時5,670円まで買われ、上場来の高値を更新した。今年1月4日の安値3,120円から8カ月足らずで81.7%の上昇である。

大戸屋ホールディングスは、家庭料理を意識した和定食などを提供する「大戸屋ごはん処」などの外食チェーンを運営する企業の持株会社である。2020年9月にコロワイドによる大戸屋ホールディングス株の公開買い付けが成立し、同年11月の株主総会での取締役交代等の承認可決を経て、コロワイドの子会社となった。

後段で述べる通り、大戸屋ホールディングスが8月9日に発表した2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績で営業損益・経常損益・最終損益が黒字に転換し、V字型の回復を示したことが株価にも追い風となっている。

今回は大戸屋ホールディングスの話題をお届けしよう。

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大戸屋HD、V字回復が鮮明

8月9日、大戸屋ホールディングスは2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比21.3%増の65億8,200万円、本業の利益を示す営業利益は2億8,300万円(前年同期は1億5,200万円の営業損失)、経常利益は3億500万円(前年同期は1億1,300万円の経常損失)、最終利益は2億2,200万円(前年同期は5,200万円の最終損失)となった。

同期は、新型コロナウイルス禍の行動制限緩和など社会経済活動の正常化に向けた動きがみられる一方で、ウクライナ情勢の長期化や世界的な資源価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が継続した。外食産業にとっても行動制限緩和などが追い風になる一方で、仕入価格や光熱費の上昇および慢性的な人手不足が依然として経営を圧迫する要因となっている。

このような状況下、大戸屋ホールディングスは、新グランドメニューの開発に取り組むと同時にトライアルを実施したほか、季節限定メニューの強化等を推進した。また、消費者の健康志向を捉えた「蕎麦」をメインとした新業態の開発を行い、6月に蕎麦処大戸屋田無店を新規出店した。さらに、コロワイドグループとの協働による調達コストの削減および店舗労働時間の管理徹底による労務費の適正化等、収益性の改善にも取り組んだ。

その結果、上記の通り、売上高で前年同期比21.3%増と大幅に伸長したほか、営業損益・経常損益・最終損益で黒字転換を達成した。

なお、セグメント別の概況は以下の通りである。

国内直営事業

国内直営事業の売上高は前年同期比19.1%増の38億3,600万円、セグメント利益は1億200万円(前年同期は1億1,100万円の損失)となった。

同期は、リニューアルしたグランドメニューの先行販売を実施したほか、季節限定で旬の食材を使用した「春満開フェア」メニューや筋肉系ユーチューバー監修のコラボメニューの販売を行った。また、4月からテレビCMを新しく放映する等の広告宣伝に注力したほか、消費者の利便性を向上させるため、大戸屋公式アプリのスタンプカード機能をリニューアルする等各種販売促進活動を実施した。その結果、売上高・セグメント利益ともに前年同期より改善することとなった。

店舗展開については、「大戸屋ごはん処」1店舗(トーブイコート草加松原店)の新規出店および新業態「蕎麦処大戸屋」田無店の新規出店を行った。これにより、2023年6月30日時点の国内直営事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」139店舗、「蕎麦処大戸屋」1店舗、その他4店舗となった。

国内フランチャイズ事業

国内フランチャイズ事業の売上高は前年同期比17.0%増の18億5,800万円、セグメント利益は同89.3%増の4億500万円と大幅な増収増益となった。

同期は、国内直営事業同様に季節限定メニューや筋肉系ユーチューバー監修のコラボメニューの販売、テレビCM放映等の広告宣伝等各種販売促進活動を実施した。その結果、売上高・セグメント利益ともに前年同期より改善した。なお、2023年6月30日時点の国内フランチャイズ事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」169店舗となった。

海外直営事業

海外直営事業の売上高は前年同期比45.1%増の7億1,200万円、セグメント損失は4,700万円(前年同期は1億2,100万円の損失)となった。

同期の海外直営事業は、地域によって差はあるものの新型コロナウイルスの感染者数の減少に伴い各種規制等が徐々に緩和されたこと等から回復傾向を示した。その結果、売上高・セグメント損失ともに前年同期より改善することとなった。

なお、2023年6月30日時点の海外直営事業に係る稼働店舗数は11店舗(香港大戸屋有限公司が香港において5店舗、OOTOYA ASIA PACIFIC PTE. LTD.がシンガポール共和国において1店舗、AMERICA OOTOYAINC.が米国ニューヨーク州において4店舗、M OOTOYA (THAILAND) CO., LTD.がタイ王国において1店舗)を展開している。

海外フランチャイズ事業

海外フランチャイズ事業の売上高は前年同期比44.2%増の7,000万円、セグメント利益は同7.1%増の2,100万円となった。

同期の海外フランチャイズ事業は、新型コロナウイルスの感染者数の減少に伴い各種規制等が徐々に緩和および撤廃されたこと等から回復傾向を示した。その結果、売上高・セグメント利益ともに前年同期より改善することとなった。

なお、2023年6月30日時点の海外フランチャイズ事業に係る稼働店舗数は99店舗(タイ王国において45店舗、台湾において44店舗、インドネシア共和国において9店舗、中国上海市において1店舗)を展開している。

 その他

その他の売上高は前年同期比32.1%増の1億400万円(外部顧客に対する売上高)、セグメント利益は同368.2%増の1,600万円となった。

今期は最終利益で290.4%増を予想

8月9日、大戸屋ホールディングスは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比11.8%増の266億4,900万円、本業の利益を示す営業利益で同416.1%増の14億300万円、経常利益で同292.2%の13億9,100万円、最終利益で290.4%増の10億8,100万円と従来予想(5月11日公表)を据え置いた。

引き続き、大戸屋ホールディングスの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:外食産業「復活」への期待
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